クタクタに疲れているのに、ベッドに横になっても一向に眠れないということはないだろうか?そして、ベッドに横になりながら、何度もスマホをいじっている間に夜が明けてしまったということもあるかもしれない。

眠れない原因というと、「ストレス」や「考え過ぎ」といったことをすぐに連想しがちかもしれないが、実は腸が「睡眠のスイッチ」であるという点を見落としているのではないだろうか?

眠れない人の腸には「睡眠促進物質」が不足している可能性

腸内細菌は100兆個とも1000兆個とも言われ、消化だけでなく、私たちの知らない間に睡眠にも大きな影響を与えている。2024年に国際誌「Molecular Psychiatry」に掲載された北京大学第六病院の重要な研究は、ぐっすり眠れるカギは脳ではなく、腸にある可能性を指摘している。

科学者は不眠症の人の腸には快眠に導くカギとなる細菌が極めて不足していることを発見した。具体的に見ると、健康な人と比べると、長期にわたって睡眠の質が悪い人は、腸内の「酪酸」産生菌39種類が明らかに少なく、その血液中の酪酸水準も正常値の人と比べるとかなり低くなっていた。

酪酸は私たちの体に備わっている「天然の睡眠導入剤」といえる腸の「善玉菌」で、食物繊維を摂取した後に産出する貴重な物質だ。その後、酪酸は血液を介して脳に到達し、脳の覚醒を促す神経ペプチドの一種オレキシンを高精度に制御する。オレキシンが酪酸に制御されると、脳は「おやすみ」という指令を出すのだ。

その発見を実証すべく、科学者はストイックな実験も行っている。まず、不眠症の人の腸内細菌群を健康なマウスに移したところ、不眠症のような症状を確認することができた。その後、酪酸を注入すると、マウスの睡眠の問題が奇跡的に改善したのだ。

つまり、腸菌群が健康であるか否かが、脳が「おやすみ」という信号を受けることができるかに直接関係するということだ。

快眠に導く八つの方法

こうした「睡眠促進剤」を増やすため、腸内細菌の「ご機嫌を取る」のは、実はそれほど難しいことではない。心地よい睡眠のために、今日からできる八つの習慣を以下に紹介していこう。

1.全粒穀物や豆類から食物繊維を摂取

成人の場合、1日当たり25~30グラムの食物繊維を摂取すると良いとされている。

全粒穀物(エンバクや玄米など)や豆類には多種の食物繊維が含まれており、それは酪酸菌の大好物となる。

2.さまざまな野菜を食べて食物繊維を補充

新鮮な野菜や果物にも多種の水溶性食物繊維や不溶性食物繊維が含まれているほか、ビタミン、ミネラルも豊富で、胃腸の環境を整えてくれる。自分の消化機能に合わせて、毎日さまざまな彩りの果物2~4種類(1種類100グラム)、野菜3~5種類(1種類100グラム)を摂取しよう。

3.発酵食品を取り入れてプロバイオティクスを補充

質の良いヨーグルトやチーズといった発酵乳、自然発酵させた漬物などにはプロバイオティクスが含まれており、適量を摂取すると良い。

4.しっかりした睡眠で腸の回復時間を確保

夜は胃腸の機能が回復するゴールデンタイムだ。成人の場合、1日少なくとも7時間の睡眠を確保しなければならない。睡眠不足になると、胃腸のホルモンバランスが崩れ、食欲や消化に影響を及ぼす。

5.体を動かして腸を刺激

早歩きやジョギング、水泳といった有酸素運動をすると、腸の収縮運動を促し、筋肉の張力を増強することができ、胃腸のケアにつながる。1回当たり30分の有酸素運動を1週間に3~5回するのがお勧めだ。

6.座る時間が長い場合は時々立って腸に酸素を供給

「医脈通」に掲載された大連大学附属新華病院・腫瘤科の趙長林(ジャオ・チャンリン)主任医師の研究によると、座っている時間が長いと、血液の循環に影響を及ぼし、腸に供給される血が不足するだけでなく、酸素不足の状態に陥る。

また、座っている時間が長いと腸の壁の筋肉の収縮のリズムにも影響を及ぼし、腸の収縮機能が弱まり、食べ物の腸内における移動や消化・吸収にも影響を与え、便秘になったり、腸内細菌のバランスが崩れたりしやすくなる。

7.水分補給をたっぷりして潤いある腸に

腸の水が不足すると、便が固くなり、排便が困難になる。

成人の場合、通常1日に1.5~1.7リットルの水を飲む必要がある。朝起きてまだ何も食べていない時にぬるま湯を1杯飲むと、胃腸が動くよう促すことができる。運動したり、汗をたくさんかいたりした後もしっかりと水分補給しなければならない。また、いつも水筒などを持ち歩いて常に水分補給を心がけよう。

8.ストレスをうまくコントロールして腸をケア

腸は「第二の脳」と呼ばれており、極度の不安や緊張は消化不良の原因になり、「腸内細菌」を破壊してしまう。ストレスを感じた時は、深呼吸したり、気分が良くなる音楽を聴いたり、家族や友人に心配事を話したりして、リラックスできるよう心掛けよう。気分を気持ちよく保つことが、良い腸の働きを保つ秘訣でもある。(提供/人民網日本語版・編集/KN)

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