2026年4月7日、中国メディアの参考消息は、米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)の記事「米国の人型ロボットの裏にある中国の技術」を参考に、世界の人型ロボット産業における中国の戦略について紹介した。

記事は初めに、今年3月にカリフォルニア州サンノゼで開催されたイベント「NVIDIA(エヌビディア) GTC 2026」において、NVIDIAのジェンスン・フアン(黄仁勲)最高経営責任者(CEO)が、映画『アナと雪の女王』に登場する雪だるま「オラフ」のロボットを披露したことや、フアン氏があるポッドキャスト番組で「中国はロボット技術の基盤となるマイクロエレクトロニクス、モーター、レアアースなどの分野ですべて世界トップレベルにある。

世界のロボット産業は大きく中国に依存することになるだろう」と述べたことに言及し、「ロボットのオラフの開発には、米国の著名企業3社(ディズニー、エヌビディア、グーグル)が結集しているが、ディズニーの研究論文によると、中国企業・宇樹科技(ユニツリー・ロボティクス)が提供した頸部と脚部を動かす部品が無ければ、オラフを動かすことはできなかったという。米国はロボットの頭脳に必要なチップなどの技術を掌握しているものの、人型ロボットのハードウェア製造については中国が主導的地位にあり、サプライチェーンにおける立場を徐々に固めつつある」と紹介した。

続けて「中国政府はロボットのサプライチェーンを戦略的重点分野と見なしており、エンボディドAI(AIを組み込んだ物理的に作動する機械)を今後5年間の経済発展を牽引する『6大未来産業』の一つに位置付けている。また、今年2月には、重要技術と主要部品を網羅した人型ロボットの統一規格となる第1次国家標準体系を発表するとともに、27年までに安全で信頼性の高い人型ロボット産業のサプライチェーン体系を構築する目標を掲げ、日本やドイツといったロボット部品技術の強国への依存から脱却することを目指している」と伝えた。

記事は「国内に豊富なハイエンド部品資源を有することで、中国の人型ロボット完成機メーカーはより迅速に製品を市場に投入できる。モルガン・スタンレーのデータによると、昨年、中国企業は米国企業のほぼ3倍に当たる28種類の人型ロボットを発表しているほか、中国のサプライチェーンにより人型ロボットの製造コストを最大3分の2削減可能と見積もっているという。過去1年間、シンガポール、東京、リヤド、ラスベガスに至るまで、中国の部品メーカーはロボット関連の展示会に頻繁に出展し、現地ディーラーを起用して海外顧客の開拓を進めている。Yamaha Motor Ventures(ヤマハ・モーター・ベンチャーズ)のCEO兼代表取締役である大西圭一氏は昨年、巨大なサプライチェーンを活用できる点やさまざまなテストが可能な市場の存在、サプライヤーがリスクを取ることに前向きな点が中国の人型ロボットのスタートアップ企業の強みであると指摘している」と述べた。

記事は最後に「業界関係者によると、ロボットの運動における重要な部品となるボールねじといった中国製の精密部品には、日本の同類製品と比べて摩耗が早いなど、まだ一部に品質に改善の余地があるという。ただ中国のサプライヤーはその差を縮めつつある。品質面の差が解決すれば、コスト面の優位性で中国企業を打ち負かせる者はいないだろう」と論じた。(翻訳・編集/原邦之)

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