プライベートな一面をとらえた写真は、数々のロック界のヒーローや著名ミュージシャンらの世界を垣間見せてくれた。
ザ・クラッシュ
「1976年の1stアルバムジャケット」英ロンドンにて

ザ・クラッシュとは個人的に仲良しで、バーニー・ローズから彼らの写真を何枚か撮ってくれと頼まれたわ。リハーサル中に撮影に行ったんだけど、まさかアルバムジャケット用だとは思わなかった。自然体で絵になるから、シャッターチャンスを逃すことはなかった。(©Kate Simon/Courtesy of Fort Works Art)
パティ・スミスとロバート・メイプルソープ
1978年、米ニューヨークシティにて

1975年にパリでパティと会って、それから親しくなった。1975年から79年ごろまで、定期的に撮影していたわ」(この写真の撮影は)「パティが『いますぐ来てちょうだい』って電話をかけてきたの。すごい勢いだった。行ってみたら、ロバートが一緒だったというわけ。この写真はスミソニアン博物館の収蔵品でもあるのよ。それを知ったとき、私はちょうど田舎にいて、わざわざハイウェイの路肩に車を止めて思いっきり叫んだわ。
※パティ・スミスの自著『ジャスト・キッズ』でもこの写真が掲載されている。
(©Kate Simon/Courtesy of Fort Works Art)
オジー・オズボーン
1975年、英ニューキャッスルにて

イギリスのSoundsという週刊誌で仕事していたから、ザ・フーとか、レナード・スキナードとか、ブラック・サバスといったバンドのツアーに同行していたわ。
キース・ヘリング/ウィリアム・バロウズ
1987年、米カンザスにて

この写真は、(ビート・ジェネレーションの祭典River City Reunionの際に)カンザス州ローレンスのウィリアム・S・バロウズの自宅の庭で撮った。ウィリアムは80年代にこの辺に越してきて、すごく気に入っていたわ。猫を何匹も飼ってて、家庭菜園もやっていた。時々射撃場にも行っていたんじゃないかしら。(©Kate Simon/Courtesy of Fort Works Art)
フレディ・マーキュリー
1978年、英ウェールズ・スワンシーにて

クイーンのツアーに同行していた時、サウンドチェックを終えてスワンシーのホテルに向かった。そこで『ボヘミアン・ラプソディ』のビデオを彼らと一緒に初めて見たの。オペラ調のパートではメンバー全員が笑い転げてたわ。(©Kate Simon/Courtesy of Fort Works Art)
セルフポートレート
1977年、撮影場所不明

なんとなく直感で、フォトグラファーになれるんじゃないかと思ってた。それからザ・クラッシュのジャケット写真とか、ボブ・マーリーのアルバム『カヤ』のジャケット写真とかを撮れるようになって、私の勘は間違いじゃなかったと思った。やるべきことをやっているんだという感じがしたわ。被写体の役に立っているという間違いない感覚が最高ね。
アンディ・ウォーホル
1979年、米ニューヨーク州ブロードウェイ860番地ファクトリーにて

このアンディ・ウォーホルの撮影は、Interview誌でグレン・オブライエンと組んでた時ね。ちょうどあの雑誌で仕事してたの。アンディのファクトリーがユニオン・スクエアにあったころで、彼のスタジオがInterview誌のオフィスの真向かいだった。だからしょっちゅう入り浸ってたわ。(©Kate Simon/Courtesy of Fort Works Art)
イギー・ポップ
2007年、米マイアミにて

原点に戻って、私が駆け出しだったころに撮影したミュージシャンをまた撮りたいとふと思ったの。被写体になってくれた人はみんな、喜んで撮影に応じてくれた。彼らが写真というものの価値を理解して、尊重してくれたことに心から感謝しているわ。(©Kate Simon/Courtesy of Fort Works Art)
マドンナ
1983年、米ニューヨークにて

1983年当時、私はFace誌のニューヨーク担当カメラマンだった。編集部からマドンナを撮影するように言われたんだけど、それが誰なのか知らなかったの。デビ・マザールと一緒に現れたマドンナはすごくきれいだったわ。あの日の彼女は最高の被写体だった。
ボブ・マーリー
1975年、英ロンドンのライセウム劇場にて

あれは1975年の7月。ロック界の全員が、ボブ・マーリーを観に集まっていた。ボブにとってのターニングポイントになった瞬間。私にとってもね。彼が(私のキャリアの)中心になったわけだから。1976年にジャマイカまで行って『カヤ』のジャケット撮影をして、1977年にはエクソドス・ツアーに同行した。でもこの写真は、あの時のステージ、あのコンサートのスピリットがにじみ出ているわね。(©Kate Simon/Courtesy of Fort Works Art)