米国出身のレース・インボーデン選手は、社会的不正義への抗議として、ペルーのリマで開催された米大陸のスポーツの祭典、パンアメリカン競大会の表彰式で膝をついた。
さらに、インボーデン選手は「表彰台のもっとも高い場所に立つ瞬間を犠牲にしてでも、僕たちが取り組むべき問題に注目してもらうことを選んだ。エンパワーメント(力を引き出すこと)と変化のために各々が与えられたプラットフォームを活用するよう、ほかの人々にも強く勧めたい」と言い足した。
2012年と2016年の五輪への出場経験を持つインボーデン選手だが、今回の行動はアメリカオリンピックク委員会(USOPC)から何らかの反響を生みそうだ。
「今年のパンアメリカン競技大会に出場した選手はいくつかの条件に同意しており、そのひとつが政治性を有する行動の自粛です。この場合、インボーデン選手は大会組織委員会とUSOPCの誓約に違反したのです」とUSOPCの広報担当部長を務めるマーク・ジョーンズ氏は米現地時間8月10日の土曜日、AP通信にコメントを発表した。「自らの意見を表現する権利は尊重しますが、インボーデン選手が誓約に違反したことは遺憾です。選手への対応は、上層部が検討中です」。
だが、スポーツイベントにおける「政治性を有する行動」のいくつかは、その時代をもっとも的確に捉えたイメージを我々に与えてきたのも事実だ。