Tempalayが2月21日(金)、渋谷O-EASTにて、東名阪を回る〈TOUR 2020〉の初日・東京公演を開催した。本ライブは、彼らにとって2020年初の公演。
2020年を走り抜ける姿勢を体現するような熱量のあるライブとなった。

ソールドアウトとなった渋谷O-EAST。入り口前には、開場を待つ長蛇の列ができていた。定刻を少し過ぎた19時15分、会場が暗転すると、スクリーンに映画の始まりを思わせる映像が流れる。過去のMVやバンドロゴなど様々なイメージがサンプリングされたショートムービー。BGMの鼓動が段々と高まっていった先にステージの幕が開くと、小原綾斗(Vo/Gt)、John Natsuki(Dr)、AAAMYYY(Cho&Syn)、そしてサポートのKenshiro(Ba)の4人の姿が紫のぼんやりとした光のなかに浮かび上がった。

Tempalay、東名阪ツアー初日で魅せた「えげつない熱量」


1曲目からセンセーショナルに始まったライブ。一瞬でTempalayの世界観が会場に展開される。本公演は全体を通して、圧倒的に完成したものを見せつけようとする彼らの姿勢が伝わってくるような内容だった。彼らの6年間のキャリアの中から新旧入り混じった楽曲が披露されていった。
前半は、アグレッシヴなプレイが際立つ楽曲を中心に会場を盛り上げていく。まるで映画のように、カットと場面転換がスピーディーにおこなわれる楽曲内の豊潤な展開。
小原の叫びを具現化するようなストロボのライティングも効果的に使われ、ヒリヒリとした感覚を覚えながらも、どこかゆったりとしたスケールの大きさが同居した彼らの持ち味を存分に感じることができた。

彼ら4人は、ステージ上でほぼ1列に並び演奏している。独特なバンドサウンドを成立させているのは、言わずもがな4人のハイレベルな演奏だ。時に自由に踊るようなステップを踏みながら様々な音色のギターを操り、同時に伸びやかなハイトーンボイスを響かせるフロントマンの小原、個性的なメンツの中でも埋もれない存在感のあるベースで楽曲の芯を組み立てるKenshiro、自由で前向きなグルーヴを確実に生み出していくドラムのJohn Natsuki、そしてDJやシンセやドラムパッドなど様々な楽器を使いこなし楽曲の世界観の細部を多彩に表現するAAAMYYY。意識的に作り上げられた絶妙な音の分離感や明瞭で立体的なサウンドが楽曲の世界観を1mmのズレもなく作り上げているのだ。

Tempalay、東名阪ツアー初日で魅せた「えげつない熱量」

小原綾斗
Tempalay、東名阪ツアー初日で魅せた「えげつない熱量」

Kenshiro
Tempalay、東名阪ツアー初日で魅せた「えげつない熱量」

John Natsuki
Tempalay、東名阪ツアー初日で魅せた「えげつない熱量」

AAAMYYY
ある曲の間では、小原が「楽しくなってきましたね。O-EAST完売でございます。今日から外に出ますので、 ”おめかし”して参りました。」と言っていた。もちろん見た目のことも言っているのだろうが、Tempalayとしてステージを作り上げる=おめかしをしてきたという意味も込められていたのではないだろうか。

中盤になると、落ち着いた余裕のある楽曲の演出へ。リラックスした4人のプレイに会場も一体感を増して揺らしていた。「あけましておめでとうございます!」という挨拶から始まったMCでは、小原と藤本のテンポの良い掛け合いに会場から暖かい笑いが生まれる。
コロナウイルスの流行もありマスクをつけた観客が多いことにも触れつつ、「それでも来てくれてありがとう!」と締めた。

そして、「このMC革命的ですね!」という前振りから入った楽曲「革命」の轟音から勢いよく後半戦がスタート。「テレパシー」のAAAMYYYのラップパートでは、それまでクールにパフォーマンスしていた彼女がステージの客席近くまで体を乗り出し、熱いコールアンドレスポンスで会場を大きく盛り上げた。

https://twitter.com/tya__han/status/1231482736335941634


小原が「ありがとうございました、Tempalayでした」とさらっと本編を締めると、アンコールの手拍子がすぐに起こり、再び暗転。初公開となる新MV「大東京万博」の一部が流れ、さらに6月22日(月)東京・Zepp DiverCity Tokyo公演〈大覚祭〉が開催されることが発表された。本公演は、Tempalayにとって初のZeppワンマンとなる。

Tempalay、東名阪ツアー初日で魅せた「えげつない熱量」


メンバーが再登場すると、小原が「新曲聴いてもらったと思うんですけど、来週公開されるMVはえげつない熱量なので楽しみにしていてください! アンコール出てきて新曲やると思うっしょ? やりますわ」と前振りをすると、インストゥルメンタル・バンドNRQから二胡奏者の吉田悠樹を紹き、「大東京万博」を初披露。二胡がオリエンタルな響きを醸し出す中、Tempalayらしいサウンドに乗せて「ラッセラー」という青森ねぶた祭の掛け声も使われ、摩訶不思議な魅力を持った楽曲だった。披露後メンバーは、ツアーを回りながら作り込んでこの曲を育てていきたいとコメント。バンドにとって大事な1曲になっていきそうだ。

「エモいこと言わなあかんみたいな雰囲気がこの辺で大体あります(笑)。不思議なもんで、ものすごく、もっといけそうなんですよね。
めちゃくちゃ楽しいっていう感情しか今はないので。今日は、ありがとうございました。これから大阪、名古屋、赤坂BLITZと〈TOUR 2020〉やります。そして、6月に初めてZEPPでやらせてもらいますんで、Tempalayをこれからもよろしくお願いします!」と小原が語り、そこから、さらにアンコール楽曲を披露し本公演は終了。MCでは”おめかし”という単語を用いていたが、まさしく完璧に作り上げた作品として映画を見ているような濃厚な2時間だった。ツアー、そして2020年最高のスタートを切ったTempalay。ここからさらにバンドが成長した時、どんな景色を作り出していくのか、期待が高まる。

Tempalay、東名阪ツアー初日で魅せた「えげつない熱量」


Photo by 大橋祐希

Tempalay
「TOUR 2020」
2020年2月21日(金)東京・渋谷O-EAST
=セットリスト=
1. 人造インゲン
2. SONIC WAVE
3. Austin town
4. のめりこめ、震えろ。
5. 脱衣麻雀
6. JOE
7. 未知との遭遇
8. my name is GREENMAN
9. どうしよう
10. Festival
11. San Francisco
12. made in JAPAN
13. 革命前夜
14. TIME MACHINE
15. 新世代
16. 革命
17. テレパシー
18. Oh.my.god!!!
19. New York City
20. そなちね
En1. 大東京万博
En2. おつかれ平成
En3. Last Dance

<イベント概要>

『大覚祭』
2020年6月22日 (月) Zepp DiverCity
時間: open 18:30 / start 19:30
料金:前売り 1F スタンディング 3,800円 2F 指定席 4,300円(共に税込・1 ドリンク代別途)
URL:https://w.pia.jp/t/tempalay/

公式HP:https://tempalay.jp/
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