そのなかでも今回問題になっている、2012年からスタートしたR&B部門「最優秀アーバン・コンテンポラリー・アルバム賞」の名称が変更。新たな名前は「最優秀プログレッシブR&B・アルバム賞」となる。レコーディング・アカデミーは声明の中で「R&Bにおける、よりプログレッシブな要素を含むアルバムにスポットライトを当て、ヒップホップ、ラップ、ダンス、エレクトロニック・ミュージックの要素を含んだもの」と述べている。
「グラミー賞が包括的で音楽業界の現状を反映したものであることを保証するために、私たちは常に賞のプロセスを評価し、それを進化させています」。メイソン・ジュニアは、ルール変更に伴う発言の中でこう語る。「毎年、アーティスト、プロデューサー、ソングライターからプロセスの再評価を求める多数のルール変更の提案を受けています」」とチーフアワードオフィサーのビル・フライマス氏は付け加え、過去12カ月以内の出来事に細心の注意を払っているという。
「アーバン・コンテンポラリー」の変更は、ブラック・ライヴズ・マター関連のイニシアチブ「ブラックアウト・チューズデー」や「#TheShowMustBePaused」の結果として、音楽業界内で起きた最近のやり取りを反映しているようだ。
先週、何人かの黒人経営者が、「ブラック・ミュージック」の同義語としてマーケティングだけでなく、従業員や部署の肩書にも登場する「アーバン」という言葉は、特にヒップホップやR&Bが音楽の中で最も支配的なジャンルの一つである時期には、時代遅れであり、大げさであり、不適切であると指摘しています。これまでの「アーバン・コンテンポラリー」部門の受賞作には、2019年のLizzoの『Cuz I Love You』、2018年のビヨンセとジェイ・Zの『Everything Is Love』、2017年のザ・ウィークエンドの『スターボーイ』、2016年のビヨンセの『レモネード』などがある。
しかし、この言葉がグラミーから完全に取り除かれたわけではない。グラミー賞では、新たにラテン系のカテゴリーとして名付けられた「最優秀ラテン・ポップ/アーバン・アルバム」など、他のカテゴリーでも「アーバン」という言葉が使われている。「このカテゴリーの修正案が今年初めに出された時点では、ラテン音楽の特定のジャンルを分類する際に『アーバン』という言葉を使うことは広く受け入れられていました」とメイソンはローリングストーンに語る。
【動画】マライア・キャリーの感動パフォーマンス15選