現地時間10月6日に亡くなったエディ・ヴァン・ヘイレンを、オジー・オズボーンが追悼。二人の初邂逅は1978年、ブラック・サバスがヴァン・ヘイレンを前座に迎えたときのこと。
若きカリフォルニアのギタリストが放つエネルギーに惹きつけられたオジーは、そこから彼のプレイを高く評価してきた。故エディがどれだけの才気を放っていたのか、いかにオリジナルな存在だったのか、オジーが振り返ってくれた。

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今日、たまたま携帯電話を見ていたら、エディ・ヴァン・ヘイレンが亡くなったというニュースが飛び込んできて「なんてこった」と思ったよ。ショックだった。彼が病気と闘っていたのは知っていた。俺と主治医が一緒だったんだ。彼女を介してエディにメッセージを送っていたんだが、彼女は病状については何も教えてくれなかった。「何か伝えたいことは?」と聞かれたときも、「よろしく言っておいてくれ」とだけ答えていた。だから心底ショックだな、あいつはいい奴だったから。本当にいい奴だったんだよ。

そういう男が死んでしまうのは悲しいものだな。マイケル・ジャクソンが亡くなったときみたいだ。
最初は信じられなかった。マジでファッキンな喪失感だよ。

エディ・ヴァン・ヘイレンという「先駆者」

エディとは長いことじっくり過ごす機会がなかったが、ちょくちょく見かけたりはしていた。最後に濃密な時間を分かち合ったのは、1979年に(オジー脱退前の)ブラック・サバスが行った最後のツアーだった。彼らは俺たちのためにオープニングアクトを務めてくれた。みんないい奴らだから、あの時は楽しかったよ。エディ・ヴァン・ヘイレンはいつだって面白い奴だった。

今でも覚えてるよ。エディは指で(弦を)叩いていたけど、あんな演奏はそれまで見たことがなかった。ギターが行き詰まって、エキサイティングな楽器ではなくなりそうな時に、ああいう才能が出てくるんだ。彼もその一人だった。

80年代には、ヘアメタルのバンドがみんなタッピング奏法をやっていたよな。
でも、先に「マスター」の演奏を見てしまったら、他の連中はみんな後発組にならざるを得ない。俺が知る限り、エディ・ヴァン・ヘイレン以降のギタリストは誰もが「二番手」だったよ。他にも良いプレイヤーは何人かいたし、かなり巧いプレイヤーもいたけど、あいつはただ楽器を演奏するだけじゃないんだ。エディの演奏には感情が込もっていたし、彼は全てを持ち合わせていた。それに、いとも簡単そうにやってのけるんだ。

何をやったらあんなに巧くなるのか

俺がエディを愛する理由の一つは、いつだって大きな笑顔を浮かべていて、ステージにいる時間をずっと楽しんでいるように見えたことだ。それがクソッタレなショーマンシップであろうとなかろうと——俺はそうではないと思うが——彼はいつも人生で最高の時間を過ごしているように見えた。

それにヴァン・ヘイレンは、他の追随を許さない力を持っていた。生半可なバンドでは彼らについていくことはできない。ある時、サンアントニオでギグをやった時のことを覚えている。会場は混雑していて逃げ場はなかった。あいつらは恐れず突き進み、みんな吹っ飛ばしてしまった。
俺たち(ブラック・サバス)の出番はそのあとだったんだ。要するに、俺たちにとってはかなりハードなギグだった。ヴァン・ヘイレンの後に出ていくのは「マジで勘弁してくれ」って感じだった。そのツアーの後、彼らは飛び立ったんだ。

彼らは本当に素晴らしいバンドだった。モンスターズ・オブ・ロックに出演して、俺がヴァン・ヘイレンとAC/DCのオープニングを務めたこともあったな。あの時はお返しができたよ。当時の俺はタバコを吸っていて、彼らは俺の後に続かなければいけなかった。因果応報ってやつだな。

エディ・ヴァン・ヘイレンのギタープレイは一日中見ていられたよ。ギタリストとして非常に面白い。彼は自分のプレイを簡単そうに見せてくれた。
それがナチュラルなことであるかのように見せていた。他の誰もがエディ・ヴァン・ヘイレンになろうとしていたけど、エディ・ヴァン・ヘイレンは一人しかいない。本当に眩しかったよ。何をやったらあんなに巧くなるのか……神のみぞ知る、だな。

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From Rolling Stone US.
この投稿をInstagramで見る@EddieVanHalen was one of the nicest guys I ever worked with and we shared so many laughs together.   His influence on music and especially the guitar has been immeasurable.  He was an absolute legend.  Eddie, Ill see you on the other side, my friend.  Love, Ozzy. Ozzy Osbourne(@ozzyosbourne)がシェアした投稿 - 2020年10月月7日午前10時37分PDT
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