遅咲きのカントリー・シンガー、スタージル・シンプソンが「変身」できる理由
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高校卒業後、米海軍に入隊し、横須賀基地で勤務。ミュージシャンに転身後は東京でミュージックビデオを撮影するなど、日本とゆかりのあるカントリー・シンガー、スタージル・シンプソン。グラミー賞受賞歴を持つ彼が語った最新アルバム『The Ballad of Dood and Juanita』、マーティン・スコセッシ監督のウエスタン映画への出演、俳優としての次なる展開とは?

スタージル・シンプソンはキッチンカウンターに寄りかかり、動物の形をしたクラッカーを頬張っている。横では妻のサラが、夫が落馬して危うく死にかけたエピソードを披露する。シンプソンは、マーティン・スコセッシ監督の新作映画『Killers of the Flower Moon』のオクラホマで行われる撮影を前に、乗馬を再開することにした。全速力で走らせている時、彼は馬がバランスを崩すのを感じた。そのまま落ちて馬の下敷きになるか、結果はどうあれ、アーチ型の馬の首にしがみついて着地を試みるかを、一瞬のうちに判断しなければなかった。シンプソンは咄嗟に、後者を選択した。

「まるでダービー馬のように全速力で駆けている時に、馬がひっくり返ったんだ」と言いながら、デニムのシャツとジーンズに身を包んだシンプソンは、長椅子の上の靴やバックパックを押しのけて座る場所を確保した。「馬の尻が北極星を向いた時に思った。”ここで飛び降りなければ、500kgもあるこのウサちゃんに押し潰されちまう”ってね。だから俺は鞍から飛び降りて、石ころのように地面に転がったのさ」と言う。サラは当時を思い出して顔をしかめた。彼女はシンプソンが馬に乗ると聞いただけで、ナーバスになる。「あなたの両手は商売道具ですからね。反射神経がよくて助かったわ」と彼女は言う。彼女曰く、7歳を筆頭に3人いる夫婦の息子たちは皆、父親の奇跡的な直感力を受け継いでいるという。おかげで子どもたちは骨折してもおかしくないような状況でも、青あざ程度で済んでいる。

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