AP通信によると、このギターは、レイクプラシッドブルーと呼ばれる色の1969年製Fender Competition Mustangで、現在はNFLインディアナポリス・コルツのオーナー、ジム・アーセイ氏が所有するロック記念品コレクションの一部となっており、NFLチームのメンタルヘルス啓発キャンペーン「Kicking The Stigma」のために競売にかけられる予定だという。このオークションは、カートの遺族の全面的な協力のもとに行われると、アーセイ氏は述べている。
このギターは、カートがバンドの大名曲「Smells Like Teen Spirit」のビデオで使用したことで知られている。カートが所有するギターのなかでも特にお気に入りだったと言われており、それゆえにスタジオ以外ではほとんど使わなかったそうだ(1991年9月にシアトルで行われたインストアライブで数曲演奏しており、1991年秋から1993年初頭にかけてのライブで使用されたことが多くのファンサイトによって記録されている)。
「世界中のあらゆるギターで一番好き」
いわゆる「Competition Stripe」のバリエーションは、ムスタング・ギターとベースの両方に用意されており、ショートスケールの愛好家の間で非常に人気がある楽器。60年代と70年代のオリジナル・モデルは、定期的に数千ドルの価格で売られている。
「世界中のあらゆるギターの中で、Fender Mustangが一番好きだ」と、コバーンは1991年のGuitar Worldのインタビューで語っている。「安物で全く効率が悪いし、音もクソみたいだし、すごく小さいし」
Fender Mustangに加えて、コバーンはもう一つのFenderオフセットであるJaguarに頻繁に惹かれていた。JaguarとMustangの両方への愛着から、コバーンは1993年にフェンダー・カスタムショップと共同でハイブリッドJag-Stangを製作し、このモデルは今日まで生産され続けている。
入札は、5月20日~22日までNYタイムズスクエアにあるハードロックカフェで行われる。ただ、グランジの歴史の一片を手に入れるために、苦労して稼いだお金を払おうとしているファンは、運が悪いと思うかもしれない。AP通信によると、アーセイはこのギターの所有権を維持するために、200万ドルで入札するつもりだという。
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From Rolling Stone US.