ダンス&ボーカルグループ、iScreamが今年発表した1stアルバム『i』のスペシャルエディション『i -Special Edition-』をリリースした。既発の13曲に加え、シングル曲「Catwalk」とカップリング曲「恋するプラネット」、さらに今回新たに録音された新曲3曲も追加。
初の有観客ワンマンライブ「i2022」に続く、東名阪でのリリース記念ライブ「iScream LIVE i2023」も決まった彼女たち。着実にステップアップしているRUI、YUNA、HINATAにインタビューした。またRSJ公式TikTokでは「Silent Night」のアカペラ動画を公開中なので、そちらも併せてチェックしてもらいたい。

【動画を見る】「Silent Night」をアカペラで歌うiScream

—『i』は今年の春にリリースされたアルバムなんですよね。冬にこうしてあらためて注目してもらえる機会ができてよかったですね。

YUNA:iScreamでは、夏ソングなら「himawari」があったので、今回冬ソングが新たに加わって、どの季節でも楽しめるアルバムになったのかなと思います。


—新録した3曲について聞きたいのですが、1曲目「ホワイト・ラブ」は透明感のある直球のバラードポップスですよね。バラードはiScreamの得意な分野だと思うんですけど、この曲に関してはどういうところを意識しましたか?

RUI:夏のバラード曲「himawari」をRolling Stone JapanのTikTokで歌わせてもらったように、冬の曲といえば「ホワイト・ラブ」ってファンの方に思ってもらえるように、それと同時に、日本の冬ソングの定番の一つになることを目標にしているんです。透明感があってストレートな歌詞だからこそ、iScreamを知らない方でも、冬ソングや恋愛ソングとして聴きやすくなってると思います。この曲のダイナミックさや透明感を素敵だなって私たちも思ってるからこそ、たくさんの方に聴いていただきたいです。

YUNA:「ホワイト・ラブ」では、初恋の初々しさがゆっくり降り積もる雪に似ていることを歌詞で表していて。日常の幸せとか、普段は気づかないような当たり前のことが幸せだなってことを気づかせてくれます。


HINATA:「ホワイト・ラブ」の歌詞を書いてくださったJuli Shonoさんが、細かい風景や物語を文にして送ってきてくださったんです。それを3人で読んで、Juliさんが書いたことをそのまま表現したいねって話して。物語の1ページ目みたいな、何かの始まりをイメージしました。「himawari」の時もそうだったんですけど、そういう場合、小説のような長文で送られてくることが多いのですが、今回もその世界観をどれだけ忠実に伝えられるかってことを考えて歌いました。

—歌詞だけではわからない物語の背景を知ることができるんですね。

HINATA:そうですね。
「ホワイト・ラブ」の歌詞には出てこない気持ちや感情も書かれているので、すごく面白いです。

—作詞家のJuliさんとは、今回が初ですか?

HINATA:はい。同じ長文でも、「himawari」の作詞家の里苑百湖さんとは書き方が違うと思いました。「himawari」では比喩表現の素敵さが印象的だったのですが、今回はストレートで身近な言葉をたくさん使っているイメージで、そのぶん理解度も深かったと思います。

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「茉莉花 -Jasmine-」や「つつみ込むように…」でグルーヴを学んだ

—RUIさんは、ボーカル面においてYUNAさんとHINATAさんの変化が感じられたと特典映像のインタビューで語ってましたよね。レコーディング中にそれは実感したんでしょうか?

RUI:そうですね。
基本的にレコーディングする時はRUI、YUNA、HINATAの順番で、それぞれのRECが終わった後のまとまった状態のラフを聴くのは、私が最初なんです。今までも「himawari」「茉莉花 -Jasmine-」とか、バラードは歌ってきましたが、そのなかでも今回は曲の雰囲気や歌詞の力を借りながら、前より深みが出たと思いました。例えば「himawari」の時だったら、みんな今よりも声が若くて、フレッシュでまっすぐな感じ。それはそれで透明感があったんですけど、「茉莉花 -Jasmine-」や「つつみ込むように…」でグルーヴを学んだことや、洋楽のアカペラの練習もしたことで、切ないけど寂しいだけじゃない……という深みを今回出せたんじゃないかと個人的には感じていて。それは新録曲の「夢色Tear Drops」でも感じました。

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—YUNAさんとHINATAさんは、レコーディングの際はRUIさんのボーカルがガイトラインになるわけですね。


YUNA:「こういうふうに仕掛けてきたか」って思うことが多いです。レコーディングまでに3人揃って楽曲を練習することはあんまりなくて、どちらかというと3人それぞれのボーカルレッスンで自分の出したい色を出していくので、レコーディングの時に「あ、RUIはこういう感じで歌うんだ」みたいな発見がある。この順番で歌録りするのも、レコーディングをしてくださる方はすごく意味があることだと考えてくれているので、合わせたいところは合わせますし、自分の個性を出したいところは出すっていうようにやってます。

HINATA:私は2人の声が入った状態でやるので、やりやすい部分もありつつ、仕上げになってくるなとも思っていて。自分が最後にぐっと引き締める役目ができたらいいなと思いながら、いつもレコーディングしてます。

—仕上げっていう点で言うと、「ホワイト・ラブ」に関してはどうでしたか?

HINATA:今回は自分たちが頭で考える風景と作詞家さんから送られてきたメッセージが同じだったので、最初から統一感があったと思います。
サウンドも歌詞も切なくてきれいだからこそ、きれいに歌いがちなんですけど、メッセージ性がすごく強い楽曲なので、「届けたいって想いを声に出した方がいい」ってアドバイスをいただいて。遠くの人に語りかけるイメージで歌うことを意識しました。

—では新録2曲目「夢色Tear Drops」に関しては、どんなスタンスで歌に臨みましたか?

RUI:初のR&B調な曲だったので、大人っぽさをどうやって声で表したらいいんだろうって、レコーディングブースで3人それぞれが葛藤した楽曲だと思います。でもさっきも言ったように、「茉莉花 -Jasmine-」「つつみ込むように…」で学んだグルーヴ感が体に浸透しているからこそ、これまでの作品で得たものを調合して、そのなかからこの楽曲に合う色気、艶をうまく出せたかなと想います。

YUNA:私はこの楽曲をレコーディングする時、最初は余裕だと思ってたんですけど、自分の声質からは出しにくいキーだったので、歌ってみるとめちゃくちゃ難しくて。あと、最初はあまり風景が想像できずに、どちらかというとサウンド感とかテクニカルな部分ばかりを考えていたんです。でも歌詞に込められた意味を聞いた時に、切なさだけじゃない女性の失恋の美しさが垣間見えて。自分の声に迷いながらレコーディングしたんですけど、逆にそれが楽曲に合ってたかなって思います。その時には見つけられない何かを完成後に見つけることもできたので、私的には新しい発見がたくさんあった楽曲でした。

—自分の成長を改めて感じられた?

YUNA:そうですね、成長ももちろんそうですけど、弱点も見つけられました。

HINATA:これまでの曲とは全然違ったリズム感ですごく難しかったんですけど、RUIも言ったように「茉莉花 -Jasmine-」や「つつみ込むように...」で培ってきたグルーヴ感が、今回の「夢色Tear Drops」で表せたんじゃないかなって思います。失恋ソングだけど悲しいだけじゃなくて、こんなことあったなって思い出も振り返りながら、結果的には前向きになれる楽曲だと思います。

—YUNAさんのラップパートもありますよね。ラップもうまくなってきたなって。

YUNA:ありがとうございます、うれしいです。ラップパート歌いたいなって思いながら歌割りの連絡が来るのを楽しみにしてたんですけど、振り分けられててめちゃくちゃうれしかったです(笑)。

ー作詞家のYVES&ADAMSさんとは、ディレクションのやり取りはあったんですか?

YUNA:ディレクションに来てくださって、私たちと一緒にレコーディングをしてくださいました。曲を一番理解している方なので、楽曲に関していろんなアドバイスをいただいたり、自分たちの歌がもっとよくなるようなアドバイスもいただきました。

—ボーカルの表現に関してのアドバイスもあったんですか?

YUNA:そうですね。歌い回しや表現の部分どちらもディレクションしてくださってます。例えば、歌詞の”夢色”って何なんだろう?という分かりにくい部分をそれぞれ自分で解釈して、歌に反映したりしました。

—はっきりした答えを見せるというよりは。

YUNA:夢色っぽい雰囲気を、自分で表現した感じがあったなって思います。

—こういう曲って、作曲した方が歌ってくれたりするんですか?

RUI:仮歌を入れてくださる方がいて、その状態の曲を聴くことが多いです。実際に自分たちで歌ってみると、もっと細かくフェイクを入れなきゃいけなかったり、ニュアンスが難しかったです。そういう部分のディレクションをたくさんしてくださいました。

iScreamが語る、ウィンターソングへの想い、この一年の成長と進歩

RUI(Photo by Mitsuru Nishimura)

3人それぞれの色を活かしたボーカル・ディレクション

—仮歌にどれだけ寄せるのか、もしくはどれだけ自分のカラーに変えるのかってバランスも難しいですよね。そう考えると、iScreamの曲に最初に命を吹き込むのはRUIさんといっても過言ではないですね。

RUI:そうかもしれないです。私の場合、歌の出だしとサビの頭を担当することがほとんどなので、その時は何も考えずに歌ってます。バラードであれ、ビートが刻まれた楽曲であれ、自分が出したいアクセントをまずは自由にそのフレーズに入れ込んでいく。もしそれが強かったとしても、曲のインパクトとして花を咲かせてくれたり、逆にナチュラルすぎたなって思っても、次に歌うYUNAがすっごい渋みを出して歌ってくれたり、私たちが柔らかすぎた部分をHINATAがキュって締めてくれたりするので、何もない状態で歌うことが、今はとてもやりやすいです。

—最初に歌うことの緊張もありますか?

RUI:そもそもこの曲がiScreamに合うか合わないかを試されてる感じもして、緊張はするんですけど、でも歌う前に3人でいろいろ話し合うので、それを思い出しながら、自分のパートだけ全うして、あとは2人に頼れるというか。きっと2人もいい表現をしてくれるから、自分もどんどん出してこうって思える安心感はある気がします。

—そう考えると、ソロのシンガーさんの心境とはまったく違うんですね。

RUI:そうですね。自分のパートが全部じゃなくて、ちゃんと3分割されてるからこそ、各々のパートで全部出し切っていいって思える部分があるし、それによって曲も盛り上がって聴いていて飽きない音楽になる、ってことを最近感じています。

—新録3曲目の「Xmas A Cappella Medley (Silent Night-This Christmas)」はRolling Stone JapanのTikTokで「Silent Night」を披露してもらいましたけど、クリスマス曲のメドレーなんすよね。

RUI:皆さんにiScreamを知っていただけるきっかけになっているアカペラを、こんなにも早く音源という形にできてうれしいです。クリスマスになると皆さんがよく聴く曲たちだと思うんですけど、日本人でまだ10代の私たちがリスペクトを持ちながら、私たちだったらどんなアカペラになるかを考えて、今までやってきたアカペラから自信をもらいながら挑みました。

—アカペラのアレンジ面で何かポイントはありますか?

YUNA:アカペラや「つつみ込むように...」の時にお世話になっている先生がいらっしゃるんですけど、その方がアカペラの構成のベースを作ってくださって。ゴスペルをはじめ、音楽について深く学んでる先生なので、このコードはこういうコードだよとか、そういう細かいことまで教えてもらいながら、神経を使って練習しました。オリジナルの楽曲とは違ったので、すごく難しかったです。

HINATA:レコーディングでも、一人ひとりブースに入って顔が見えない状態でアカペラするのが初めてだったので、自分たちの歌のスキルや表現できる幅が広がったなって思います。

iScreamが語る、ウィンターソングへの想い、この一年の成長と進歩

YUNA(Photo by Mitsuru Nishimura)

クリスマスソングの思い出とリリース記念東名阪ライブ

—ところで、3人にとって「我が家のクリスマス」といったら何ですか?

HINATA:クリスマスは毎年家族でケーキを食べてたんですけど、チキンとかじゃなくて、ケーキとお寿司っていうのが家族の定番でした(笑)。

YUNA:私はケンタッキーを頼むとしたら、骨付き・皮付きのやつを頼んでました。クリスピーではない、一番ノーマルなやつ。家族全員好きで。

RUI:私は実家にいた頃、毎年ホームパーティをしてたわけではないんですけど、クリスマスツリーだけは絶対に家に飾るっていう、ちょっと不思議な風習がありました。チキンやケーキを食べたりはしないのに、ツリーだけはちゃんとあるっていう家庭でした(笑)。

—クリスマスソングと言えばこれ!っていう曲は何かあります?

YUNA:back numberさんの「クリスマスソング」です。私が中学生の時にリリースされた楽曲なんですけど、その時から季節問わずに聴いてます。ずっと大好きで、今日も来るときに聴いてきたんですけど(笑)。

RUI:もうクリスマスムード。

YUNA:私、クリスマスがほんとに大好きなんです(笑)。クリスマスソングってどちらかというとハッピーな曲が多いと思うんですけど、この曲は、好きな人のことを思いながら1人ポツンと過ごしている感じが、切ないけどいいなって思います。

HINATA:私はクリスマスソングだったら、アリアナ・グランデの「Santa Tell Me」です。街で流れてても一番クリスマス感を感じるので、自分のなかでベーシックなクリスマスソングです。

RUI:E-girlsさんの「Merry × Merry Xmas★」です。自分が小学生~中学生の時にリリースされた楽曲なんですけど、ずっと憧れの存在で。クリスマスの衣装を着てライブとかでパフォーマンスしてる姿がめちゃくちゃ可愛くて、自分もいつかガールズグループとしてデビューしたら、超フリフリのサンタコスをして歌いたいなって想像をしてました。今でもちょっとしたいと思ってるんですけど、その曲を聴くと夢見てた頃を思い出して、キラキラした女の子の姿とか、自分がなりたい像を思い出させてくれます。

YUNA:もう、MVが本当にかわいい。

HINATA:かわいい~!

RUI:めっちゃかわいいよね。夢だったなぁ。

HINATA:EXPGのクリスマス会とかパーティで、生徒の誰かが必ず歌ってる曲でした。

RUI:あと(E-girlsの)「Mr.Snowman」も私はセットで聴いてましたね。

—サンタコス、iScreamで今年はしないんですか?

RUI:サンタコス、するんじゃないですか?(笑)

HINATA:個性豊かなサンタコスで、今年のクリスマスは過ごします。去年はみんな赤と白のベーシックなコスをしたので、今回はちょっと違うクリスマスコスにしようってなりました。

RUI:いつかライブとかで、クリスマスシーズンになったら自分たちの楽曲で可愛らしくやってみたいです。

HINATA:いいね!

iScreamが語る、ウィンターソングへの想い、この一年の成長と進歩

HINATA(Photo by Mitsuru Nishimura)

—そして2023年はリリース記念ライブが決まりましたね!

RUI:前回のライブは横浜だけだったので、各会場を回れることが本当に嬉しいです。前回から半年後という短いスパンのなかで、リリースを経て今回ライブをさせていただくわけですけど、私とYUNAは名古屋と大阪がそれぞれ地元なので、初めての凱旋ライブになりますし、自分たちの成長を見せられたらうれしいです。このツアーは自分たちのなかで「約束の場所」というテーマを掲げていて。これからもっと大きなステージに行きたい気持ちもあるので、だからこそ今回のライブが皆さんとiScreamの決起集会というか、私たちと皆さんの団結力を高められるような、あったかい”約束の場所”としてのライブを作り上げられたらなって思っています。3カ所3公演を大切に噛み締めてライブをしたいなと思ってます。

—横浜のライブでは、3人から積極的に意見を出してステージを作り上げていったんですよね。

YUNA:はい。今回も自分たちの意見を取り入れつつ、第三者の目線が必要だと思うので、スタッフさんのご意見をいただいて。ファンの方は自分たちと同じ世代の方も多いので、例えばどういうグッズだったら可愛いって思ってもらえるだろうとか、そういう点も意識して取り組んでいます。曲数が増えたこともありますし、今回の制作でも自分たちが気づいていなかった点や新しい成長を感じることができたので、また新しいステージを作ることができるんじゃないかなって思っています。

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『i -Special Edition-』
iScream
LDH Records
発売中

『i -Special Edition-』リリース記念ライブ
iScream LIVE i2023

2023年1月21日(土)
NAGOYA CLUB QUATTRO(名古屋市中区栄 3-29-1 名古屋パル東館 8F)
17時30分 開場 / 18時00分 開演
問い合わせ先:サンデーフォークプロモーション TEL:052-320-9100 (12:00~18:00)

2023年1月28 日(土)
Music Club JANUS(大阪市中央区東心斎橋 2-4-30-5F)
16時30分 開場 / 17時00分 開演
問い合わせ先:サウンドクリエーター TEL:06-6357-4400 (月~金 12:00~15:00 ※祝日を除く)
メールでのお問い合わせ https://www.sound-c.co.jp/contact/

2023年2月25日(土)
duo MUSIC EXCHANGE(渋谷区道玄坂 2-14-8 O-EAST ビル 1F)
16時00分 開場 / 17時00分 開演
問い合わせ先:キョードー東京 TEL:0570-550-799(平日/11:00~18:00 土日祝/10:00~18:00

チケット料金:¥6,600 *整理番号付/ドリンク代別
年齢制限:6 歳以上有料、5 歳以下入場不可
・一般発売:2023年1月7日(土)

▼一般発売
・ticketbook
https://e-ticketbook.com/

・ローソンチケット
https://l-tike.com/ldh/

▼ticketbookリセールサービス
https://e-ticketbook.com/resale/



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