88risingから世界デビュー、「オトナブルー」が大バズりと、”青春日本代表”として個性と自由で世界にはみ出しまくっている新しい学校のリーダーズが5年ぶりにサマソニに凱旋! クリエイティブにおける変化、フェイバリット・ミュージック、ロザリアとのコラボなど、様々なことを語った。

※本記事のインタビューは今年6月初旬に実施

−88rising主催の「Head In The Clouds」(今年5月にNYで開催)に出演したばかりですが、どうでしたか?

KANON:思ったより人が集まってくれて、登場した時から最後までずっと歓声で耳がちぎれそうでした(笑)。


SUZUKA:お客さんが「オトナブルー」の歌い出しを歌ってくれて、そこで終わるかと思ったらその次のフレーズも歌ってくれて驚きました! みんな踊ってくれて、一体感がすごかったです。

MIZYU:フェスであそこまで歌ってくれて、ちゃんと振りも踊ってくれたのは初めてでしたね。

KANON:いろんな国のお客さんが日本語を歌う光景がすごかったよね。

MIZYU:ね! セーラー服やグッズを身に着けてくれてたり、リーダーズを見る準備をしている人がたくさんいたので「景色が変わったな」って思いました。

RIN:ライブ後にいただいた花束の中に千羽鶴が入っていて、日本人じゃないのに折り紙で鶴をたくさん折ってくれてたことにびっくりした。

SUZUKA:想いが重い!

YOASOBI × 新しい学校のリーダーズ
IDOL @hitcfestival in LA @YOASOBI_staff @japanleaders pic.twitter.com/gKiiINZ46T— ATARASHII GAKKO! - 新しい学校のリーダーズ (@japanleaders) August 7, 20238月6日にはLAで開催された「Head In The Clouds Los Angeles」に出演、YOASOBIとの共演パフォーマンスも話題となった

−「オトナブルー」は3年前にリリースされた曲ですが、それがバズっていく流れをどう捉えてますか?

SUZUKA:「歌謡曲とナウなディスコの化学反応をいろんな人が楽しんでくれるんじゃないかな」って思ってリリースしたんですけど、最初はライブで「一緒に首振ろうぜ!」って言ってもやってくれる人が少なくて。でもスタメンとしてライブでやっていく内に、徐々に中毒性が広がっていった感じです。私の印象としてはめちゃくちゃ激しかったり、変なことをやってるわけじゃなくて、ちょうど良い曲。そうしたら本当にちょうど良かった(笑)。TikTokで振りが広がっていったのも大きかったですね。

RIN:今年の頭に出た歌番組の切り抜き動画をファンの方がTikTokに投稿してくれてからすごく伸びたよね。インフルエンサーの方が踊ってくれたりして。


KANON:俳優さんやお笑い芸人の人たちに広がったり、TWICEがライブ中に踊ってくれたりして

MIZYU:ライブでやり続けてよかったよね!

@japanleaders
−リーダーズとロザリアが「Suki Lie」を踊ってるTikTok動画にもびっくりしました。

RIN:ロザリアは日本のカルチャーが好きだから、セーラー服を着てたりする私たちの日本っぽさを気に入ってくれたみたいで、ホテルに会いに行きました(笑)。

MIZYU:「HENTAI」っていう曲があったり、日本のアニメが好きだったり、ロザリアの曲にはいろんなところに日本のエッセンスがあるよね。それで、せっかくだったら「一緒に動画を撮ろう」ってなってその場で振付を教えました。

SUZUKA:うちらの「Free Your Mind」のスペイン語バージョンをロザリアの前で歌って、「いつかスペインのフェスに一緒に出られたらいいね! その時はステージで一緒に踊ろうね」って話もしたね。

−ロザリアはスペイン語で歌い続けているにもかかわらず、世界中で支持されています。リーダーズが日本代表として海外進出している姿勢と通じるものを感じますが。

SUZUKA:スペイン語は理解できないけど、ロザリアの曲は音としてめっちゃ気持ち良いんですよね。音楽って音の気持ち良さから入って、その次に「どういう歌詞なんやろ?」っていう段階に進むんやなってことを再認識しました。私たちは海外でも日本語で歌ってるので、鳴りが良ければ歌詞の意味が伝わらなくても気に入ってもらえることを体験しているし、プラス、パフォーマンスで中毒性をもたらしてるんだなって。

環境とクリエイティブ面の変化

−振付は自分たちでやられてますが、他のアーティストの振りを参考にしたりするんですか?

RIN:私たちの曲は昭和歌謡もあれば、ロックもあれば、打ち込み系もあってバラバラなので、その曲ごとに参考になる動画をみんなでシェアして、「こういう感じ!」っていう共通認識を持った上で、振りを膨らませていくことは多いです。


MIZYU:明確なイメージが共有できていると、「これよりちょっと強めの振りかな」とか、すり合わせがしやすいよね。

KANON:4人で同じモチーフを共有すればするほど、「ああいう感じね!」っていう風に膨らませやすい。映画とか誰かのライブとか人の仕草とか、本当にいろんなものからインスピレーションをもらいます。

SUZUKA:『一時帰国』(今年4月リリースの最新EP)に収録されている昭和歌謡っぽい「乙女の美学」は、中森明菜さんが「DESIRE -情熱-」を歌っている動画を見て、そこで一緒に踊ってらっしゃったダンサー4人のテンション感とバランス感を参考にして振りを考えましたね。

RIN:あと、「青春を切り裂く波動」は間奏でオタ芸をやっていますけど、「オタ芸をやろう」って決めてすぐにKANONがいろんな動画を検索して、それを見て「オタ芸って伝統があるんだな」ってことを知ってから、「こう足を開いて、そのまま曲げないで内股ぐらいの気持ちでやるんだよ!」とか言いながら振りを付けていきました。

−海外でのライブが増えたり、「オトナブルー」がバズったりと、環境はどんどん変わって行ってますが、ライブとの向き合い方は何か変わりましたか? 少し前、SUZUKAさんは「リードボーカルとしてもっと歌を聞いてほしい」と言ってましたが。

SUZUKA:「歌を聞いてほしい」っていう気持ちの前に「いい歌を歌わなきゃいけない」っていう気持ちがあったので、最近の曲は歌に真剣に向き合った上で、「こいつ、気持ち良く歌ってるなあ」っていうことがお客さんに伝わってる実感がありますね。自分の声を大事に愛して、それが伝わっていけばいいなあと思います。

KANON:「乙女の美学」も歌を聞かせる曲だよね。

MIZYU:振付も昔よりは歌っている人がフォーカスされるようなものを心がけるようになったよね。昔は歌っている人が下を向いていたり、後方にいたりしたけど(笑)。踊りのアプローチも変わってきてるのかもしれない。


−歌を聞かせるところとアグレッシブな踊りで見せるところとのコントラストが絶妙ですよね。

MIZYU:踊りを見せるために踊りを削れるようになったよね。前は「踊りたいし歌いたい! 全部やりたい!」みたいな感じだったけど、良いバランスを考えられるようになってきました。

−『一時帰国』はサウンドがより幅広くなっていますが、どんなイメージで制作したんですか?

SUZUKA:日本人制作以外の候補曲もあったんですけど、結局日本人の曲だけのEPになりました。2021年にリリースしたEP『SNACKTIME』をLAでマニー・マークと一緒に作った経験とかがあったからこそ、改めてリーダーズが日本の音楽エンターテインメントのあるべき形を追求した作品だと思います。新鮮な気持ちで楽しく挑戦できた気がする。海外でも日本語の曲がちゃんと盛り上がることを知ったから、世界にはみ出す上で日本人らしさをより大事にしたいなって感じましたし。

RIN:海外デビューするきっかけも、88のCEOのショーン(・ミヤシロ)が「恋ゲバ」のパフォーマンスを見て好きになってくれたからで。その「恋ゲバ」を一緒に作ったH ZETT Mさんと「踊る本能001」を作れたし、「オトナブルー」を手掛けてくれたyonkeyさんともまた一緒にできました。加えて、さらにJ-POPとして挑戦をするために、初めてjon-YAKITORYさんや松隈ケンタさんとご一緒することもできて、日本らしさが詰まりに詰まってる感じがします。

サマソニに向けて、4人の音楽テイスト

−サマソニの「Spotify RADAR: Early Noise Stage」への出演も決まりました。楽しみにしていることというと?

SUZUKA:2018年に出た時は(「SPACE ODD STAGE」の)キャパに対して全然お客さんが少なかったから、今回はどんな状況になるか楽しみですし、成長した姿を見せたいですね。


MIZYU:そうだよね。個人的には同じ日本発で世界で活躍している女子であるBABYMETALさんのライブが楽しみです。目に焼き付けたいし、BABYMETALさんにも私たちのライブを焼き付けてほしい(笑)。

SUZUKA:ブラーとは出演日が違うけど、ゴリラズが好きだからデーモン(・アルバーン)を生で見たい! 『時計じかけのオレンジ』をオマージュした「The Universal」のMVがめっちゃ好きなんです。

KANON:私はラウヴが見たい。あと、BIGBANGのSOL! 昔BIGBANGのライブに行ってたので。

RIN:私は初めてソロで踊った曲がWILLOW(ウィロー・スミス)のキッズ時代のデビュー曲「Wip My Hair」なんです。どんどんすごいアーティストになってるから生で観たいです。あと88のレーベルメイトのMILLIちゃん。この前NYで会った時に「サマソニでも会えるね」って話をしました。

−いろんなアーティストの名前が出ましたが、そもそも皆さんどんな音楽が好きなんでしょう?

SUZUKA:(スマホを見ながら)私の最近のスタメンは……美空ひばりさん、電気グルーヴコールドプレイ、ジェフ・ミルズ。ジェフ・バックリィからは歌の概念の影響を受けてますね。
映画を見た後、そのサントラを聞いて余韻を引きずることもよくあります。

RIN:私は両親がヒップホップとR&Bが好きな影響で、小さい頃からローリン・ヒルとフージーズをよく聞いてます。最近だとローリンにも通じるリトル・シムズ! ケニー・ビーツの去年出たアルバム『LOUIE』にもハマってます。日本人だとEVISBEATSさんが好きですね。

KANON:私はあまり音楽を聞かないんですけど、さっき言ったラウヴの曲を聞いたり、最近フェスで観たハルカミライさんのライブ映像を見ています。

MIZYU:私はジブリのサントラを聞いたり、久石譲さんのオーケストラの映像を見るのが好きです。浄化されたい時は薬師丸ひろ子さんの歌声を聞きます。あと、たまが苦しくなるほど好きです(笑)。

−(笑)かなりバラバラですが、4人共通で好きなアーティストはいますか?

SUZUKA:アーティスト単位はいないかな。曲だったら、ORANGE RANGEさんの「SUSHI食べたい(feat.ソイソース)」は4人ともめっちゃ好き!(全員で踊りながら歌い出す)

−(笑)既に広範囲にはみ出してるリーダーズですが、今後挑戦したいことはありますか?

SUZUKA:先日、みんなでシルク・ドゥ・ソレイユを観に行ったんですけど、私たちって振りに組体操や肩車を取り入れてるじゃないですか。でも、シルク・ドゥ・ソレイユはそういう概念を超えていて。

KANON:私たちの肩車は上に来るSUZUKAを肩に座らせてるけど、シルク・ドゥ・ソレイユは人が肩に立っていて、その上にまた人が乗ってと三段構造になってるんですよ。


RIN:叫びながら見てたよね(笑)。私たちもよく「人間ができる首の振り方をしてない」って言われるけど、それどころじゃなかった(笑)。上には上がいる。

MIZYU:ね。どこまでも行けることを知ってしまったから、私たちももっと行かないとね。

SUZUKA:エンターテインメントとしてめっちゃ感動したので、私たちももっと私たちにしか届けられないエンターテインメントを追求していきたいと思います!

SUMMER SONIC 2023
2023年8月19日(土)、20日(日)
千葉 ZOZOマリンスタジアム&幕張メッセ / 大阪 舞洲SONIC PARK(舞洲スポーツアイランド)
※新しい学校のリーダーズは8月19日(土)大阪会場、20日(日)東京会場に出演
公式サイト:https://www.summersonic.com/

新しい学校のリーダーズが語るサマーソニック、世界にはみ出していく4人の挑戦

新しい学校のリーダーズ
ニューEP『マ人間』
2023年8月16日(水)リリース

新しい学校のリーダーズ・アリーナ公演
10月29日(日)東京体育館 *SOLD OUT

新しい学校のリーダーズ公式サイト:https://leaders.asobisystem.com/
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