ØMIとHYBE LABELS JAPANが共同プロデュースを手がける「世界を目指すガールズグループ」ことMOONCHILD。そのポテンシャルは2nd EP『Friends Are For』でもいかんなく発揮されている。
【写真をすべて見る】MOONCHILD
—9月に我々が開催した「Rolling Stone Japan LIVE」、MOONCHILDにも出演者として出てもらいました。韓国でのWeverse Con Festival以来の音楽フェス出演だったと思いますが、どうでしたか?
一同:楽しかったです!
UWA:たくさんの思い出でいっぱいです。
MIRANO:花道も歩けて幸せでした。
UWA:(SNSで)コラボしたMAZZELのTAKUTOくんは、昔同じMVのバックダンサーとして一緒に踊ったことがあったり、他にも私がダンサーだった時に同じ場所にいた人たちとアーティストとして再会してコラボできたので、感慨深いものがありました。それこそ事務所の先輩(GENERATIONS)とも、初めてコラボさせてもらって。自分たちにとってRolling Stone Japan LIVEは、本当に、すごく思い出に残っています。
ANRI:さいたまスーパーアリーナが私たちにとって憧れの場所なので、そこに立てたこと自体も光栄なことでした。Rolling Stone Japan LIVEは観客の皆さんも温かい雰囲気で迎えてくださったし、自分たちも「こう見せたい」というイメージが出来上がっていた時期だったので、今までで一番パフォーマンスしていて楽しかった。観客の方との一体感や、見えた景色を今でも鮮明に覚えています。
HANA:私は、ファンの人たちが一番盛り上がってくれたライブだったなと感じていて。
一同:(笑)。
HANA:最高が詰まった日ってことです。お弁当も美味しかったです。
ANRI:美味しかったね~! 3つぐらい食べたもん。
HANA:パフォーマンスもいつも以上に手応えを感じられました。
UWA:たまアリパワーだ。素晴らしい。
HANA:気持ちよかったですね。最高です。
—では2nd EP『Friends Are For』の話をしたいのですが、MOONCHILDの音楽プロデューサーのALYSAさんに以前インタビューした際、ヒットソングに必要な要素という話になって、「K-POPだったら、いかに耳に残る音を探すかをもうずっとやっています」と言っていて、タイトル表題曲「Friends Are For」はサビで鳴っている音とかがクセになりますよね。いろんな点で、すごく耳に残る一曲だなと思いました。
MIRANO:今までラップを担当させていただいた曲の中で、「Don't Blow It!」が一番ラップしていた感覚があって。これまでは自分をどれだけ強い人間に仕立てられるかを考えてラップしていたんですけど、今回の「Friends Are For」は等身大で飾らない、それこそ私たちみたいな10代の少年少女に共感してもらいたい楽曲だなと歌詞やEDテーマとして使っていただいているTVアニメ『七つの大罪 黙示録の四騎士』を通して感じたので、ありのままの自分が一番ハッピーだと感じる時の声色を意識して歌いました。それは2nd EPの中で大きな挑戦だったなと思います。プロデューサーのØMIさんやALYSAさんに「ちょっとかわいくラップしてみよう」と初めて言ってもらったレコーディングだったので、新しい自分を見つけられた作品だったなと思います。
—その”ハッピーだったと感じる時”って、どういうことを思い出しながら歌ったんですか?
MIRANO:メンバーとおいしいご飯を食べている時とか、メンバーでディズニーランドに行った時が楽しかったので。
UWA:そうだねえ。
MIRANO:そんな風景をなんとなく思い浮かべながら。友達がいることの無敵さを語っている歌詞なので、「私たち最強だしかわいい」って、そういう魅力を伝えたいなと思いながら歌いました。
UWA:この曲は全体的にワクワクするような楽しい楽曲になっているから、個人的にはラップの部分はカッコよく「抑える」ことを意識しました。サビでは後ろで4人の”You and me yeah”とガヤも入っていたり、みんなで楽しんでいる部分が一番盛り上がっていて。サビで盛り上がって、”Do it do it~”のところでクセになる表現をしたり、1曲の中にいろんな表現があって楽しめるように意識しながらラップをしました。
—ANRIさんはどうですか? この曲もANRIさんだけが歌うパートがありますが。
MIRANO:スーパーANRIタイム。
ANRI:今回もいただいております(笑)。でも曲に対してのアプローチは変えるべきだと思ったので、かわいさ重視、はっちゃけ重視で歌いました。例えば前回の「Don't Blow It!」は、より威圧感を与えるようなイメージで、声をちょっと太めに意識して歌ったりしたんですけど、「Friends Are For」はテンションを高めに、自分のかわいい部分を出していけるようなイメージだなと思っていて。太い声というよりは、口角を上げながら楽しげに歌う感じをイメージしていました。
ANRI
ボーカルの「個性」を楽曲に馴染ませる
—「Warning」はクレジットにXanseiさんの名前が入っていますよね。ヒップホップのシーンから出てきて今ではXGの楽曲にも携わっているプロデューサーですが、この曲もこれまでのMOONCHILDにないタイプですよね。
HANA:女性視点の歌詞なんですけど、女の人は愛しているのに相手の男の人はそれに伴った行動をしてくれなくて、サビで「これが最後だよ」と警告しています。愛しているのに変わらないから、ついに「警告」という曲にしちゃったみたいな。
一同:(笑)。
HANA:テイラー・スウィフトさんみたいな。
UWA:好きすぎでしょ、テイラー・スウィフトさん。
—歌詞もすべて英詞だから、より細かいニュアンスの表現が求められたのではないですか?
MIRANO:私はデビューEPではラップを担当させてもらうことが多かったんですけど、「Warning」のサビでボーカルパートをHANAと担当させてもらうことになって。今までR&Bは”聴き専”だったというか、好きな音楽として聴いていて、自分がそれを表現する機会はあまりなかったんです。でも今回自分が歌うことになって、R&Bの奥深さに触れられたというか。フェイクのかけ方だったりアクセントの付け方だったりを、たくさんのR&Bシンガーの方の歌声から研究して、R&Bについて深く学べたのが楽しかったです。ラップのパートもいただいていますが、そこでは普段のラップのテイストとは違って、メロウラップっぽいグルーヴ感を出すのが難しくて。オートチューンも、どう発声したらうまくエフェクトがかかるかを考えてみたり、レッスンをしていただく中で、プロの方に細かいアクセントを教えていただいて、積み重ねて練習できたのがいい経験だったなと思います。
MIRANO
ANRI:発音だけでなく、リズム感やニュアンスとかグルーヴ感を出すのが重要かなと思っていて、メロディやリズムにちゃんと声が乗るように、浮かないようにする点で自分の中で苦戦しました。フェイクが入ってくると本当に難しかったので、先生と何時間も練習して。自分の中に落とし込むまでに時間がかかりました。
—英語の発音は、ØMIさんやALYSAさんも意識的に取り組んでいる部分ですもんね。こういう静かな曲だとさらに難しそうです。
ANRI:おっしゃる通りで、すごく難しかったです。例えば「r」の発音は、短ければ気にならないけど、伸ばすところに「r」が入ってくるとすごく目立つんです。基礎から自分の発音を矯正する必要があるなと思って、ネイティブの先生とずっと練習しました。
—チルな曲だけどR&B×J-POPなフィーリングもなんとなく漂うし、LDHの遺伝子を感じられる曲でもありますよね。
UWA:自分たちもめっちゃ好きな楽曲ですね。
「歌い上げる」と「歌で伝える」の違い
—「Lonely」はiCON Zのオーディションで歌っていた曲ですが、こういうふうにアコースティックバージョンで、ピアノをバックにして歌うとまた印象が変わりますし、久々にこの曲をやってみてどうでしたか?
MIRANO:この曲はオーディションの頃から何回も歌い続けている、すごく思い入れがある楽曲です。今回はアコースティック・バージョンということで、ピアノの素敵なアレンジを加えていただいて、キーも上げています。
ANRI:アコースティック・バージョンで後ろの厚みがない分、自分たちの声がより繊細に聴こえるんですね。出来上がったものを聴いても、目の前で歌っているような生感のある歌声になっていると思いますし、歌うにつれて自分たちの歌詞に対しての切実さや思い入れは、より一層大きくなっていくと思います。私たちの想いやバックグラウンドを知らない人が聴いても、「気持ちがこもっているな」と伝わるものがある曲になったんじゃないかなと思っているので、ぜひ聴いていただけたらうれしいです。
UWA:自分はオーディションでもずっとラップを担当していたので、「Lonely」は歌の部分で頑張らなきゃと苦手意識があって。今回のアコースティック・バージョンでは、テンポもスローに下がっていたので、個人的には歌いやすかった部分もありますし、完成したものを聴いて、オーディションから知ってくれている人には成長した姿を見せられたかなと思いました。デビューしてここまで来られたことを考えると、レコーディング中は自然と涙が出てきて(笑)。バレないように歌ったんですけど、募る想いがありすぎて、その日は泣きながらレコーディングしましたね。声が震える寸前まで泣いて切り替えてを繰り返しやっていました。
UWA
HANA:私も泣きました。
UWA:そうだよね。レコーディングブースから出てきて抱き合いましたもん。わかるよ、って。
HANA:最近学んだこととして、「歌」はその人に響かせたいと思うと、歌い上げちゃうんですよ。歌としてただ音程を合わせているだけみたいになって、歌詞がちゃんと伝わっているかどうかが分からなくて。今、私が一番苦戦していることは、話すように歌うことなんです。それがすごく難しくて。この曲では話すように歌うことを意識したんですけど、まだ完全にはできませんでした。バランスが難しいです。
HANA
2024年に向けて
—今回のEPをリリースした後、すぐに年末を迎えるわけですが、2023年を振り返ってみてどうでしたか?
UWA:まだデビューしてから半年ですけど、あっという間の1年でした。オーディションでみんなと出会ってから2年経つことを考えると、デビューするまでの期間もすごく濃くて。このメンバーでデビューして、自分たちが見たいと思っていた景色を見させてもらって、いろんなことをみんなで支え合って乗り越えてきたので、本当に一瞬でした。来年も濃い1年にしたいです。
ANRI:周りの世界がガラッと変わった1年で、1~2年前の自分には想像できない世界が見られましたし、でもそれは自分1人の力だけでは絶対に見られなかった景色だったと思います。「Friends Are For」の歌詞にも繋がるんですけど。
UWA:来年HANAとMIRANOはラストJKじゃないですか。ANRIも大学生になりますし、私も20歳になりますし。
MIRANO:すごい節目だね。
ANRI:まだまだレベルアップしちゃうよ。
UWA:まさに「Friends Are For」だよ、もう最高だね。
一同:(笑)。
—ちなみに今年よく聴いていた曲とか、刺激をもらったアーティストなど、教えてもらってもいいでしょうか。
ANRI:私は親の影響でずっと洋楽ばかり聴いてきた人生だったんですけど、大学受験で知り合った友達がめちゃくちゃJ-POP好きな子で。その子から影響を受けてJ-POPを聴くようになったのが、大きな出来事です。millennium paradeさん、King Gnuさんとか、その良さに気づき始めています。
UWA:私は今までグループの方たちのライブを観に行く機会が多かったんですけど、それこそRolling Stone Japan LIVEでSKY-HIさんのライブを初めて生で観させていただいて、一人で会場を巻き込んで、SKY-HIさんの空気にしてしまうっていう部分で刺激をもらったのと、そのときに心が動いて、初めて人のライブを観て泣いたんですよ。アーティストとしても勉強になりました。あと最近一番ライブに行きたい人は、Daichi Yamamotoっていうラッパーの人です。昔から大好きでずっと曲を聴いているので、Daichi Yamamotoさんは今後ライブに行きたいなと思っているアーティストさんです。
MIRANO:藤井風さんは、この1年を通してすごく聴いていたアーティストでした。私たちは、誰かに夢を与えるとか、キラキラした女性になるとか、そういうアーティスト意識が自然と楽曲やパフォーマンスを通して生まれると思うんですけど、藤井風さんはいい意味で飾らなくて人間味がある。好きなアーティストさんは数え切れないくらいいるんですけど、藤井風さんは誰かの隣に寄り沿う歌を歌われる方だなと思って、心に響く楽曲をたくさん聴かせてもらって、刺激や元気だったり落ち着きをもらった方でした。
HANA:今年もテイラー・スウィフトさんです。たくさん楽曲があると思うんですけど、今年はテイラーズ・ヴァージョン(過去作の再録)がいっぱい出ているんですよ。過去昔の曲は全部聴き慣れているんですけど、何年も経って成長したテイラーさんの声と聴き比べるのがすごく楽しい。あと、5年ぶりに日本にライブで来てくれるんで(「Taylor Swift | The Eras Tour」)。
—行くんですか?
HANA:行きます!
ANRI:ずっとかわいいもんね、テイラーさん。
UWA:HANAの方がかわいいよ。
一同:(笑)。
<INFORMATION>
2nd EP『Friends Are For』
MOONCHILD
ソニー・ミュージックレーベルズ
発売中
M1. Friends Are For
M2. Warning
M3. Lonely -Acoustic-
M4. Friends Are For -Instrumental-
2nd EP「Friends Are For」
https://moonchild-jp.lnk.to/ik5XSD
配信リンク:
https://moonchild-jp.lnk.to/TGP6FDTC
強度の高いビートと彩り豊かなサウンド、ボーカルの表現もカラフルに仕上がった大胆なタイトル表題曲をはじめ、繊細な響きの「Warning」、iCON Z Girls Group Auditionのファイナルミッション課題曲を新録した「Lonely -Acoustic-」。これらの曲に込めた想いをANRI、UWA、HANA、MIRANOに聞いた。
【写真をすべて見る】MOONCHILD
—9月に我々が開催した「Rolling Stone Japan LIVE」、MOONCHILDにも出演者として出てもらいました。韓国でのWeverse Con Festival以来の音楽フェス出演だったと思いますが、どうでしたか?
一同:楽しかったです!
UWA:たくさんの思い出でいっぱいです。
MIRANO:花道も歩けて幸せでした。
UWA:(SNSで)コラボしたMAZZELのTAKUTOくんは、昔同じMVのバックダンサーとして一緒に踊ったことがあったり、他にも私がダンサーだった時に同じ場所にいた人たちとアーティストとして再会してコラボできたので、感慨深いものがありました。それこそ事務所の先輩(GENERATIONS)とも、初めてコラボさせてもらって。自分たちにとってRolling Stone Japan LIVEは、本当に、すごく思い出に残っています。
ANRI:さいたまスーパーアリーナが私たちにとって憧れの場所なので、そこに立てたこと自体も光栄なことでした。Rolling Stone Japan LIVEは観客の皆さんも温かい雰囲気で迎えてくださったし、自分たちも「こう見せたい」というイメージが出来上がっていた時期だったので、今までで一番パフォーマンスしていて楽しかった。観客の方との一体感や、見えた景色を今でも鮮明に覚えています。
HANA:私は、ファンの人たちが一番盛り上がってくれたライブだったなと感じていて。
うちわもたくさん見えて、あんなに温かい会場に立てたことが夢みたいだったし、たくさん学べて、最高詰まりの日でした。
一同:(笑)。
HANA:最高が詰まった日ってことです。お弁当も美味しかったです。
ANRI:美味しかったね~! 3つぐらい食べたもん。
HANA:パフォーマンスもいつも以上に手応えを感じられました。
UWA:たまアリパワーだ。素晴らしい。
HANA:気持ちよかったですね。最高です。
—では2nd EP『Friends Are For』の話をしたいのですが、MOONCHILDの音楽プロデューサーのALYSAさんに以前インタビューした際、ヒットソングに必要な要素という話になって、「K-POPだったら、いかに耳に残る音を探すかをもうずっとやっています」と言っていて、タイトル表題曲「Friends Are For」はサビで鳴っている音とかがクセになりますよね。いろんな点で、すごく耳に残る一曲だなと思いました。
皆さんはこの曲に関してはどういう意識で臨んだのでしょうか?
MIRANO:今までラップを担当させていただいた曲の中で、「Don't Blow It!」が一番ラップしていた感覚があって。これまでは自分をどれだけ強い人間に仕立てられるかを考えてラップしていたんですけど、今回の「Friends Are For」は等身大で飾らない、それこそ私たちみたいな10代の少年少女に共感してもらいたい楽曲だなと歌詞やEDテーマとして使っていただいているTVアニメ『七つの大罪 黙示録の四騎士』を通して感じたので、ありのままの自分が一番ハッピーだと感じる時の声色を意識して歌いました。それは2nd EPの中で大きな挑戦だったなと思います。プロデューサーのØMIさんやALYSAさんに「ちょっとかわいくラップしてみよう」と初めて言ってもらったレコーディングだったので、新しい自分を見つけられた作品だったなと思います。
—その”ハッピーだったと感じる時”って、どういうことを思い出しながら歌ったんですか?
MIRANO:メンバーとおいしいご飯を食べている時とか、メンバーでディズニーランドに行った時が楽しかったので。
UWA:そうだねえ。
MIRANO:そんな風景をなんとなく思い浮かべながら。友達がいることの無敵さを語っている歌詞なので、「私たち最強だしかわいい」って、そういう魅力を伝えたいなと思いながら歌いました。
UWA:この曲は全体的にワクワクするような楽しい楽曲になっているから、個人的にはラップの部分はカッコよく「抑える」ことを意識しました。サビでは後ろで4人の”You and me yeah”とガヤも入っていたり、みんなで楽しんでいる部分が一番盛り上がっていて。サビで盛り上がって、”Do it do it~”のところでクセになる表現をしたり、1曲の中にいろんな表現があって楽しめるように意識しながらラップをしました。
—ANRIさんはどうですか? この曲もANRIさんだけが歌うパートがありますが。
MIRANO:スーパーANRIタイム。
ANRI:今回もいただいております(笑)。でも曲に対してのアプローチは変えるべきだと思ったので、かわいさ重視、はっちゃけ重視で歌いました。例えば前回の「Don't Blow It!」は、より威圧感を与えるようなイメージで、声をちょっと太めに意識して歌ったりしたんですけど、「Friends Are For」はテンションを高めに、自分のかわいい部分を出していけるようなイメージだなと思っていて。太い声というよりは、口角を上げながら楽しげに歌う感じをイメージしていました。
ANRI
ボーカルの「個性」を楽曲に馴染ませる
—「Warning」はクレジットにXanseiさんの名前が入っていますよね。ヒップホップのシーンから出てきて今ではXGの楽曲にも携わっているプロデューサーですが、この曲もこれまでのMOONCHILDにないタイプですよね。
HANA:女性視点の歌詞なんですけど、女の人は愛しているのに相手の男の人はそれに伴った行動をしてくれなくて、サビで「これが最後だよ」と警告しています。愛しているのに変わらないから、ついに「警告」という曲にしちゃったみたいな。
一同:(笑)。
HANA:テイラー・スウィフトさんみたいな。
UWA:好きすぎでしょ、テイラー・スウィフトさん。
「Friends Are For」もそうなんですけど、「Warning」はかっこつけた強気な曲というより、R&Bっぽい、今までにないような落ち着いた楽曲になっていて。レコーディングでもやりすぎず、100%で声を張るのではなくて60%にしたり、ブレスの成分を多めにしたり。優しい歌詞ではないと思うんですけど、この楽曲のリズムや音に合った声質にするためにØMIさんやALYSAさんが、「もうちょっと抑えてもいいかも」とアドバイスをしてくれました。みんなそれぞれ声色の個性が強いので、一曲を通して聴いた時に一人だけ強調されていたら、違和感になるじゃないですか。それが良い場合もあるんですけど、この曲は馴染んでいた方が聴きやすいというか。そういう部分で、いい具合にみんなのパーセンテージを抑えて合わせたから、個性はあるけど一つの曲としてまとまったんだと思います。
—歌詞もすべて英詞だから、より細かいニュアンスの表現が求められたのではないですか?
MIRANO:私はデビューEPではラップを担当させてもらうことが多かったんですけど、「Warning」のサビでボーカルパートをHANAと担当させてもらうことになって。今までR&Bは”聴き専”だったというか、好きな音楽として聴いていて、自分がそれを表現する機会はあまりなかったんです。でも今回自分が歌うことになって、R&Bの奥深さに触れられたというか。フェイクのかけ方だったりアクセントの付け方だったりを、たくさんのR&Bシンガーの方の歌声から研究して、R&Bについて深く学べたのが楽しかったです。ラップのパートもいただいていますが、そこでは普段のラップのテイストとは違って、メロウラップっぽいグルーヴ感を出すのが難しくて。オートチューンも、どう発声したらうまくエフェクトがかかるかを考えてみたり、レッスンをしていただく中で、プロの方に細かいアクセントを教えていただいて、積み重ねて練習できたのがいい経験だったなと思います。
MIRANO
ANRI:発音だけでなく、リズム感やニュアンスとかグルーヴ感を出すのが重要かなと思っていて、メロディやリズムにちゃんと声が乗るように、浮かないようにする点で自分の中で苦戦しました。フェイクが入ってくると本当に難しかったので、先生と何時間も練習して。自分の中に落とし込むまでに時間がかかりました。
—英語の発音は、ØMIさんやALYSAさんも意識的に取り組んでいる部分ですもんね。こういう静かな曲だとさらに難しそうです。
ANRI:おっしゃる通りで、すごく難しかったです。例えば「r」の発音は、短ければ気にならないけど、伸ばすところに「r」が入ってくるとすごく目立つんです。基礎から自分の発音を矯正する必要があるなと思って、ネイティブの先生とずっと練習しました。
—チルな曲だけどR&B×J-POPなフィーリングもなんとなく漂うし、LDHの遺伝子を感じられる曲でもありますよね。
UWA:自分たちもめっちゃ好きな楽曲ですね。
「歌い上げる」と「歌で伝える」の違い
—「Lonely」はiCON Zのオーディションで歌っていた曲ですが、こういうふうにアコースティックバージョンで、ピアノをバックにして歌うとまた印象が変わりますし、久々にこの曲をやってみてどうでしたか?
MIRANO:この曲はオーディションの頃から何回も歌い続けている、すごく思い入れがある楽曲です。今回はアコースティック・バージョンということで、ピアノの素敵なアレンジを加えていただいて、キーも上げています。
レコーディングでは、上がったキーとピアノのメロディに合う繊細な歌声を出すためにはどうしたらいいかを考えました。実際にパッケージとして出来上がった時に、みんなの発声や表現が活きているなって思ったと同時に、繊細な歌声の中に今までの経験だったり感謝の気持ちだったり、決意が詰まった楽曲になったなと感じました。オーディションから歌い続けているので、私たちが歌っている歴は長いんですけど、これからもたくさん愛してもらえる楽曲になるように大切に歌い上げていきたいです。
ANRI:アコースティック・バージョンで後ろの厚みがない分、自分たちの声がより繊細に聴こえるんですね。出来上がったものを聴いても、目の前で歌っているような生感のある歌声になっていると思いますし、歌うにつれて自分たちの歌詞に対しての切実さや思い入れは、より一層大きくなっていくと思います。私たちの想いやバックグラウンドを知らない人が聴いても、「気持ちがこもっているな」と伝わるものがある曲になったんじゃないかなと思っているので、ぜひ聴いていただけたらうれしいです。
UWA:自分はオーディションでもずっとラップを担当していたので、「Lonely」は歌の部分で頑張らなきゃと苦手意識があって。今回のアコースティック・バージョンでは、テンポもスローに下がっていたので、個人的には歌いやすかった部分もありますし、完成したものを聴いて、オーディションから知ってくれている人には成長した姿を見せられたかなと思いました。デビューしてここまで来られたことを考えると、レコーディング中は自然と涙が出てきて(笑)。バレないように歌ったんですけど、募る想いがありすぎて、その日は泣きながらレコーディングしましたね。声が震える寸前まで泣いて切り替えてを繰り返しやっていました。
null
UWA
HANA:私も泣きました。
UWA:そうだよね。レコーディングブースから出てきて抱き合いましたもん。わかるよ、って。
HANA:最近学んだこととして、「歌」はその人に響かせたいと思うと、歌い上げちゃうんですよ。歌としてただ音程を合わせているだけみたいになって、歌詞がちゃんと伝わっているかどうかが分からなくて。今、私が一番苦戦していることは、話すように歌うことなんです。それがすごく難しくて。この曲では話すように歌うことを意識したんですけど、まだ完全にはできませんでした。バランスが難しいです。
HANA
2024年に向けて
—今回のEPをリリースした後、すぐに年末を迎えるわけですが、2023年を振り返ってみてどうでしたか?
UWA:まだデビューしてから半年ですけど、あっという間の1年でした。オーディションでみんなと出会ってから2年経つことを考えると、デビューするまでの期間もすごく濃くて。このメンバーでデビューして、自分たちが見たいと思っていた景色を見させてもらって、いろんなことをみんなで支え合って乗り越えてきたので、本当に一瞬でした。来年も濃い1年にしたいです。
ANRI:周りの世界がガラッと変わった1年で、1~2年前の自分には想像できない世界が見られましたし、でもそれは自分1人の力だけでは絶対に見られなかった景色だったと思います。「Friends Are For」の歌詞にも繋がるんですけど。
UWA:来年HANAとMIRANOはラストJKじゃないですか。ANRIも大学生になりますし、私も20歳になりますし。
MIRANO:すごい節目だね。
ANRI:まだまだレベルアップしちゃうよ。
UWA:まさに「Friends Are For」だよ、もう最高だね。
一同:(笑)。
—ちなみに今年よく聴いていた曲とか、刺激をもらったアーティストなど、教えてもらってもいいでしょうか。
ANRI:私は親の影響でずっと洋楽ばかり聴いてきた人生だったんですけど、大学受験で知り合った友達がめちゃくちゃJ-POP好きな子で。その子から影響を受けてJ-POPを聴くようになったのが、大きな出来事です。millennium paradeさん、King Gnuさんとか、その良さに気づき始めています。
UWA:私は今までグループの方たちのライブを観に行く機会が多かったんですけど、それこそRolling Stone Japan LIVEでSKY-HIさんのライブを初めて生で観させていただいて、一人で会場を巻き込んで、SKY-HIさんの空気にしてしまうっていう部分で刺激をもらったのと、そのときに心が動いて、初めて人のライブを観て泣いたんですよ。アーティストとしても勉強になりました。あと最近一番ライブに行きたい人は、Daichi Yamamotoっていうラッパーの人です。昔から大好きでずっと曲を聴いているので、Daichi Yamamotoさんは今後ライブに行きたいなと思っているアーティストさんです。
MIRANO:藤井風さんは、この1年を通してすごく聴いていたアーティストでした。私たちは、誰かに夢を与えるとか、キラキラした女性になるとか、そういうアーティスト意識が自然と楽曲やパフォーマンスを通して生まれると思うんですけど、藤井風さんはいい意味で飾らなくて人間味がある。好きなアーティストさんは数え切れないくらいいるんですけど、藤井風さんは誰かの隣に寄り沿う歌を歌われる方だなと思って、心に響く楽曲をたくさん聴かせてもらって、刺激や元気だったり落ち着きをもらった方でした。
HANA:今年もテイラー・スウィフトさんです。たくさん楽曲があると思うんですけど、今年はテイラーズ・ヴァージョン(過去作の再録)がいっぱい出ているんですよ。過去昔の曲は全部聴き慣れているんですけど、何年も経って成長したテイラーさんの声と聴き比べるのがすごく楽しい。あと、5年ぶりに日本にライブで来てくれるんで(「Taylor Swift | The Eras Tour」)。
—行くんですか?
HANA:行きます!
ANRI:ずっとかわいいもんね、テイラーさん。
UWA:HANAの方がかわいいよ。
一同:(笑)。
<INFORMATION>
2nd EP『Friends Are For』
MOONCHILD
ソニー・ミュージックレーベルズ
発売中
M1. Friends Are For
M2. Warning
M3. Lonely -Acoustic-
M4. Friends Are For -Instrumental-
2nd EP「Friends Are For」
https://moonchild-jp.lnk.to/ik5XSD
配信リンク:
https://moonchild-jp.lnk.to/TGP6FDTC
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