【写真ギャラリー】『RYUJI IMAICHI ~ANNIVERSARY STAGE 2024~ "R" in 武道館』(全10点)
ライブはアルバム『R』のオープニングを飾る、「RED」からスタート。三代目 J SOUL BROTHERSでのメンバーカラーである赤をタイトルに用いた楽曲を、赤いライトに照らされながら、赤い衣装をまとって歌い踊る。彼自身を表現したナンバーをトップバッターに投下し、余すことなく今の今市隆二を見せていくという意志を高らかに表明した。「RHAPSODY」では伸び伸びとした高音を響かせ、「Catch my Light」ではファンキーなビートを身軽に乗りこなし、「TUXEDO」では滑らかな指さばきで鍵盤を弾く。楽曲に合わせて瞬時にリズムの感じかたや喉をチューニングしていく様は、まさにプロフェッショナル。それでいて、ステージに立つ彼は極めて自然体なのだ。いくらだって表情を作りこめるだろうに、世界観を表現する曲を除いては、フラットな今市隆二として音楽を伝え抜いていく。「Angel」で”愛してる Love you”と客席に手を差し伸べる姿は、心から愛をファンへ送っているようだった。

先ほどの”愛してる”を引き継ぐかのように、愛を軸としたセクションへ突入。
素のままで魅せる力も楽曲の世界観を繊細に伝える表現力も持ち合わせている、今市隆二。そんな彼を語るうえで、カバー力の高さも忘れてはならない要素の1つだろう。センターステージに置かれた椅子に腰をかけて、たっぷりと歌い上げられた「レイニーブルー」の鮮やかさよ。マイクへ確実に声を落としこみながらも、フレーズによってはビブラートも駆使。

すでにライブは終盤に差し掛かり、少しくらいバテていても不思議ではないものだが、今市の勢いはまだまだ止まらない。「FUTURE LOVERS」でキレのいいダンスを披露し、会場の熱をさらに引き上げる。お客さんと一緒に踊ったりクラップを巻き起こしたりしながら、「Kiss&Tell」「Talkin' bout love」「THROWBACK pt.2」と駆け抜け、場内を盛り上げ尽くした。本編のラストを飾ったのは、三代目J SOUL BROTHERSのアルバム『PLANET SEVEN』に収録され、今市隆二にとって初のソロ楽曲となった「All LOVE」。”信じ続けよう”と伝え抜く背中が、なんと凛々しいことか。スクリーン歌詞が表示される演出も相まって、彼から放たれる言葉たちが一段と重みを持って降り積もっていた。
その後、ほどなくして始まったアンコールでは「Dont Give Up」と「RE:MIRACLE」をパフォーマンス。”奇跡がここにあること”と力強く刻み、さらには多幸感あるシンガロンを生み出し、晴れやかにエンディングを結んだのだった。

ストーリー仕立ての『RYUJI IMAICHI CONCEPT LIVE 2024 RILY'S NIGHT/LOST”R”』とパフォーマンスに重点を置いた『RYUJI IMAICHI LIVE TOUR 2024 ”R”ED』を経て、開催された『RYUJI IMAICHI ~ANNIVERSARY STAGE 2024~ "R" in 武道館』。2つのライブをミックスさせた内容で本公演が行われたのは「どちらの側面も今市隆二だ」と提示したかったからなのではないだろうか。楽曲に没入して演じるように歌を紡ぐこともあれば、飾らぬ佇まいでステージに立って人間性の溢れる歌やダンスで魅了することもある。相反するような魅せかたであってもシームレスに繋ぎ、エンターテインメントとして昇華していくのが、彼らしさなのだと。そんなチャレンジングなコンセプトにも臆することなく挑戦し、楽しんでしまうのが今市隆二なのだと、示唆していたように思えてならない。「”R”OAD」という自分探しの旅を通して、改めて自分と向き合った彼が、これからどんな表現を届けてくれるのか楽しみだ。