【画像】BABYMETALとSpiritbox
SU-METALが新たに挑んだ、語りかけるようなロートーンとハートを突き刺すハイトーンを巧みに組み合わせたボーカル・スタイルと、Spiritboxのコートニー・ラプラントによる破壊力満点のスクリームが絡み合うこの名曲のMVは、「チェスゲームのクイーンを奪い合う」というコンセプトで制作され、アルバムと同日に公開された。MV撮影は、BABYMETALが7月24日にロサンゼルス・ダウンタウンの由緒あるキャパ1100人のクラブ、The Regent Theaterで行ったシークレット・ライブの翌日に実施。なんとこのMV撮影の合間にLA現地でBABYMETALとコートニーの対談が実現。
BABYMETALは、今年5月にイギリス・THE O2アリーナを含むヨーロッパのアリーナ・ツアーと過去最大の北米ツアーを完遂。8月からはサマーソニックを含むジャパン・ツアーを展開し、11月にはLAとメキシコ・シティでのアリーナ公演も控えている。そんな世界のメタル・シーンを牽引し続けるBABYMETALと、グラミー賞に2度ノミネートされたSpiritboxのコートニーが、初めて「My Queen (feat. Spiritbox)」の楽曲とMVの制作秘話や、女性としてメタル・シーンをリードすることについて語り合った、エクスクルーシブなインタビューをお届けする。
ー「My Queen (feat. Spiritbox)」はタイトルからして象徴的ですが、初めてこの曲のデモを聴いた時、どんなビジョンが浮かびましたか?
SU-METAL:そうですね、最初に聴いたときに、こんなに重くて幻想的な曲はBABYMETALに今までなかったので、Spiritboxさんからデモが送られてきて、最初歌のメインメロとかも全然決まってなかったんです。どんな曲になるのか、自分の声がどういうふうにその曲にマッチしていくのかっていうのが全然見えなくて。だから何度も何度もレコーディングを重ねていく中で作っていった曲ですね。
ーどうやって最終的に今の曲のイメージに辿り着いたんですか?
SU-METAL:結局はある意味自分の一番の武器である、なんだろうな、強い声っていうか、強くてまっすぐとした声が逆にこの曲に入るなっていう、なんか凛々しく立っていようっていう風にたどり着いたっていう感じですかね。
ーコートニーさんはいかがでしょうか?
コートニー:私たちがこの曲を作っているときに、当時よく聴いていた大好きな曲がビヨンセの『Renaissance』に収録されている「Alien Superstar」だったの。今でも大好きな曲よ。
ビヨンセはあのアルバムを通して、新しい世代にハウス・ミュージックを美しい形で紹介した。ハウスを取り入れた、ある意味教育的な作品だったのよ。あのアルバムは、ハウスとダンス・ミュージックのジャーニーを描写しているんだけど、「Alien Superstar」を初めて聴いた時に私は完全に魅了されたし、異次元に連れて行かれた。私は今回のコラボで、そういう曲に挑戦してみたかったの。「Alien Superstar」にはダンスホールっぽいスネアが入っているんだけど、そういうスネアの音色を容赦ないくらいヘヴィな曲の中に取り入れたら面白いんじゃないかって思った。この曲のデモを聴いた時に何かが欠けていると思ったんだけど、それはボーカルだったの。だから、SU-METALが録ったボーカルを聴いて、この曲のエネルギーを発揮するために必要だったのは、まさにあなたのボーカルだということに気付かされたのよ。悲しさとナイーブさが歌詞にあったのも印象的だったわ。翻訳された歌詞を見せてもらう前から、人間の脆さを表現していると直感的に感じた。歌詞にはナイーブさと脆さが表現されていて、この曲にはそれが欠けていた。ただの激しさではなく、ヒューマンなエモーションをこの曲は必要としていたのよ。だから、あなたが参加することでこの曲はパーフェクトに仕上がったわ。
SU-METAL:ありがとう(笑)。
ー「My Queen (feat. Spiritbox)」の歌詞で表現したかった世界観やコンセプトについて教えてもらえますか?
コートニー:すごくヘヴィなサウンド、重厚な楽器編成を取り入れながら……キャッチーというと語弊があるけど、幅広く聴かれて、リスナーを旅に連れて行ってくれるようなサウンドを意識したわ。私たちは、この曲をリスナーが聴き終わったら、何度も再生ボタンを押して繰り返し聴きたくなるような曲にしたかった。コーラスは、ちょっとディスコっぽい雰囲気もあるしね。
SU-METAL:そうそう(笑)。
ー個人的にはインダストリアルな雰囲気も感じました。
コートニー:ディスコとインダストリアルには共通点があるのよ。私たちが大好きな時代のインダストリアル・バンドの代表といえばナイン・インチ・ネイルズだけど、彼らから直系で影響を受けているのがKORNで、私たちもよく聴いていた。その時代や音楽をノスタルジックなものとして捉えているというよりかは、何度も繰り返し聴きたくなる音楽だし、ずっと頭の中に残っている。私たちは、自分たちが聴きたい音楽を作りたいから、それがソングライティングに反映されているんだと思う。
ー歌詞はいかがでしょうか?
コートニー:私はBABYMETALの歌詞にインスパイアされたわ。BABYMETALが先にリリックを書いて、親切にも英語に訳して送ってくれたから、私は歌詞の内容を理解することができた。
ーSU-METALさんは、この曲の世界観やコンセプトについてはいかがでしょうか?
SU-METAL:この曲を何度も聴いていくうちに思ったのが、サビとかでクイーンとして立っている自分、それこそBABYMETALの活動を通してフロントマンとして立って歌っている自分がいて、でもAメロとかの部分で表現されているのは、なんか心の中のモヤモヤであったりとか、悩みであったりとか、弱い部分みたいなのが表現されているんです。そこの対比がすごくあるなって思っていて、ある意味、そこの対比が強ければ強いほどサビがすごく際立つと思いました。でも、Aメロとかで表現されているような内面に潜むもうひとりの自分っていうか。そこをうまく表現できたらいいなと思ってレコーディングしてました。
「女王」というテーマに対して、ボーカリストとして考えたこと
ー2人のボーカルはまさに”対極”という印象でしたが、レコーディングにおいてお互いに意識したこと、意図的にコントラストをつけた部分があれば教えてください。
コートニー:私からしてみれば、「歌はSU-METALに任せた」という感覚だったわ(笑)。私も歌うことは大好きだけど、私はとにかく長生きするよりも、短くても人生を楽しみたいというモットーで生きているから、とにかく楽しくてインパクトのある曲に仕上げたかった(笑)。
SU-METAL:私は先にレコーディングを終えて、コートニーの歌は後で聴いたので、レコーディングのときに意識してというところではなかったんですけど、でも自分がこういう重い曲を表現しようとしたときに、どうしても声を出すか潜めるかという対比しかできないっていうか、そういう表現になるなと思っていて。だから自分のレコーディングが終わって、コートニーさんのボーカルを聴いたときに、よりこの深さがすごく出たなって。なんかそこの深い表現ができるのは本当にすごいと思いました。だから、そこは違うタイプのボーカルだからこその表現方法で、さらに奥行きが出せたんじゃないかなと思ってます。
ー”女王”というテーマに対して、歌い手としてどうアプローチしましたか? 感情や力強さ、脆さなど、どんなバランスを意識しましたか?
SU-METAL:クイーンとして表に立っている姿、強さとそこに至るまでの裏の姿みたいなものとして自分と重ねて歌いました。特に最初の歌い出しは自分の影のようなイメージを持っていて、見えないけど存在する、離れられない、怪しさ、怖さを表現するために裏声の分量をかなり多めにしたり、感情をサビで爆発させるために淡々と歌ってみたりかなり工夫したところです。
コートニー:誰かの曲にゲスト参加するときに、自分のパートを作曲させてもらえる時はすごく嬉しい。しかも今回はBABYMETAL側がしっかりコンセプトを持ってきてくれたから、歌詞を書くことがすごくやりやすかったし、自分のパートのエモーションを軸にすることができた。今回の私のパートは、自分的には、もう生き延びるだけで必死な、限界まで疲れ切った頭がおかしくなった人、みたいなイメージだった。しかも、その人はこれまでの人生の選択に対する罪悪感をずっと背負っている。曲全体の雰囲気も、まるで別の時代からやってきたような、ロマンチックでゴシックな世界観だと私は捉えた。同じ時代じゃないかもしれないけど、エドガー・アラン・ポーをすごく思い出したわ。彼の「告げ口心臓」とか、ロマンチックでありながら不気味さもある作品を自然と連想した。そのイメージがあったから、歌詞も〈悪い想いや感情を埋めて、そこから逃げようとしても、まだ心臓の鼓動が聞こえてきて、ずっと私を追い詰めてくる〉という歌詞になったの。
ーコートニーさんから見たSU-METALのボーカルの魅力、凄さは?
コートニー:歌がうまいボーカリストはたくさんいるけど、歌の技術がありながらも、複数の言語で自分を表現できて、しかもそれを色々な大陸に向けて届けられる人はそういない。彼女は、それを実現できている本当にいい例だと思う。アーティストによっては、アメリカでブレイクしてもヨーロッパでブレイクしない人もいるし、南米でめちゃくちゃ人気が出ても、別の国ではなかなか足場を見つけられない人もいる。ネットで世界が繋がってるように見えても、文化的な理由で国によっては伝わらないメッセージもある。
ーSU-METALさんからみたコートニーさんのボーカルの魅力、凄さは?
SU-METAL:まずは強くて前に突き抜けるグロウルを持っていてすごくかっこいいなと思うんですけど、Spiritboxさんの曲を聴いた時にデスボイスの印象よりもコートニーさんの歌声の美しさの方が印象的で存在感があって、歌で主人公も背景も全て表現できるから、音数が少なくても歌の存在感で楽曲の世界を表現出来ているのが一番すごいんだと思います。
ー今まさに「My Queen (feat. Spiritbox)」のMV撮影中ですが、どんなシーンや演出が特に印象に残っていますか?
MOAMETAL:みんな一緒かもしれませんね(笑)。チェス板の上でチェスが揺らされて、みんなでシェイキングする。目が合いながらシェイキングされて、その瞬間心が一つになりました。
MOMOMETAL:そうだね(笑)。
コートニー:監督から「転んでもらえますか?」という指示が出たんだよね。
一同:そうそう(笑)
コートニー:私はどっちみち転んでしまったんだけどね(笑)。でもこれから撮影するシーンが一番楽しみ。みんなのダンスを見させてもらえるから! そこが絶対一番好き。
SU-METAL:ありがとう!
ー撮影中にBABYMETALとコートニーさんが絡むシーンは結構あったんですか?
コートニー:そうよ! 私たちはみんなチェス盤の上のポーン(歩兵)で、対決してるの(笑)。
SU-METAL:そうそう。
ーMOAMETAL・MOMOMETALのおふたりに伺います。「My Queen (feat. Spiritbox)」のパフォーマンスにおけるダンスや表現で意識していることがあれば教えてください。
MOAMETAL:SU-METALの存在を、声を、際立たせることを意識しています。SU-METALに王冠をつけるようなコレオだったり、SU-METALの影になるコレオだったり、SU-METALありきの振り付けになっているので、パフォーマンスにおいてはそこも見どころだとは思っています。絶対的存在のSU-METAL、そしてコラボしてくれたコートニー、2人ともこのメタル界のクイーンだと思うのでその声に仕えられて光栄です!
MOMOMETAL:最近では割と珍しいダークめな曲調なので踊りもスマートにクリアに見えるように無駄な動きをしないように意識しました!
(MOMOMETALに向かって)あなたのデスボイス素晴らしいわよ!(コートニー)
ー近年、BABYMETALやSpiritboxのような女性ボーカルのメタルアクトが世界中で台頭しています。お互いに共感する部分、刺激を受けたところはありますか?
コートニー:BABYMETALはどうだったか分からないけど、私が駆け出しの頃は、私がやりたい音楽をやっている他の女性アーティストを探していたけど、なかなか見つからなかった。当時女性アーティストの多くは、自分らしく自己表現することが難しかったと思う。「こうすれば認められるんでしょ?」みたいな固定概念をみんな持ってた。面白いことに、メタルというジャンルではみんなファッションとか、美学とか、服装なんかどうでもいいという雰囲気を出してる割には、ステージで決まったタイプのルックス、振る舞い方をしないと認めてもらえなかった。そういう振る舞い方をしないと、シリアスなアーティストとして受け入れてもらえなかった。私やその他の女性アーティストにとって、それはとてもきつい状況だったわ。私の場合は、男らしく振る舞いたい時もあれば、女性らしく振る舞いたい時もあるし、いわゆる「メタル」っぽい服装をしたくない日もあるわけで、そういう意味で自分らしく表現しづらいと感じてた。
BABYMETALを見た時、自分たちのなりたいイメージを体現しているグループだと実感したわ。自分たちのファッションと世界観を通してメッセージを伝えているのも素敵だと思った。私たちはお互いにスタイルが違うかもしれないけど、だからこそお互いにカッコいいのよ。BABYMETALの「Gimme Chocolate」を初めて見た時、自分たちをわかっている女性たちだと思った。誰か他の人の真似をしてるんじゃなくてね。それは私にとってすごく大事なこと。BABYMETALがステージに立って自分らしく表現することで、メタルは一つの固定されたイメージだけじゃないということを証明してくれた。みんなもそこを見習うべきだし、そうした方がこのシーンにダイバーシティが生まれるのよ。多様性があった方が、メタルというジャンルの強みになると思う。
SU-METAL:私が初めてSpiritboxさんを聴いて衝撃を受けたのは、ヘヴィメタルの重さみたいなのが今までのイメージだと、ギターがザクザク鳴っていて、ドラムがすごくドコドコ鳴っているというヘヴィメタルのイメージがあったんですけど、また違う重さを持ってるなって思いました。その中で女性ボーカルだから男性に比べて力がとかっていうのも全然変わってくると思うんだけど、その不安定な道をすごくきれいにしなやかに歩いてる感じがしました。そして、圧倒的な存在感っていうのを放っている。声ですごくそれが表現されてるっていうのが、自分にとってはすごく新鮮だったし、めちゃくちゃかっこいいなって思って、だからすごく尊敬してるし、リスペクトしてる部分ですかね。
MOMOMETAL:私はコートニーさんのデスボイスを初めて聞いたときに、女性でこうやってデスボイスをするのって「ヤバイ! めちゃくちゃかっこいい!」って思いました。私もデスボイスに挑戦中なんですけど、なんでこう、自分が少し殻を破れないというか、ちょっと遠慮気味にやっちゃってたんだろうと思って。私は、コートニーさんのように溢れ出る魂のデスボイスの表現を聴いて、私もそうやってデスボイスの中で表現ができるようになったら、もっとBABYMETALの曲の一つの武器にもなれるんじゃないかなってすごい刺激を受けました。
コートニー:あなたのデスボイス素晴らしいわよ! 私がいなくてもあなたたちだけでこの曲をライブで再現できそうだわ(笑)。
ー先ほど「Gimme Chocolate」の話が出ましたが、コートニーさんは、BABYMETALをどういうきっかけで知りましたか?また、BABYMETALの音楽を初めて聴いた時どう思いましたか?
コートニー:最初に「Gimme Chocolate」を見たとき、日本でのめちゃくちゃ大きなライブの映像だったと思う。だから、ただ単にBABYMETALを初めて見るってだけじゃなくて、BABYMETALがすでにめちゃくちゃ熱狂的なファンに愛されてるのを目の当たりにして衝撃を受けたの。観客がみんな叫んで踊ってて、もうエネルギーがすごくて、クレイジーだったわ。
ーBABYMETALがメタルと様々なジャンルをミックスしていることに最初から違和感はなかったですか?
コートニー:全然なかったわ。私が今まで作ってきた音楽とか、一緒に音楽を演奏してきたバンド仲間もみんな、色々なジャンルを混ぜていた。初めて弟と一緒に音楽をやっていた頃からもそうだったし、「My Queen (feat. Spiritbox)」を作曲した(Spiritboxの)マイケル(・ストリンガー)もそうだけど、私たちはジャンルを気にしたことがない。私が思うに、ヘヴィ・ミュージック・シーンから、少し楽しさが欠けていると思うのよ。ヘヴィでありながらも、楽しくて、なおかつ多面的な音楽は作れるの。そういう意味で、私はBABYMETALみたいな音楽に自然に惹かれるタイプで、逆にそういうスタイルを恐れるタイプではない。
ー確かにこのシーンでシリアスになりすぎている人は多いかもしれないですね。
コートニー:私が思うに、ジャンルっていうのは仲間を見つけたり、つながったり、音楽について学ぶためには役立つから、ちゃんとリスペクトして愛せるものだと思う。でも最終的に、自分だけのジャンルを作ることだってできるんだよね。
ーそれは間違い無いですね。今回のフィーチャリングの話をいただいた時は、どう思いましたか?
コートニー:BABYMETALが大好きだから、めちゃくちゃテンション上がったわ(笑)。リップサービスとかじゃなくて、本気で大好きなの。同じフェスに出た仲間のバンドは、「今日BABYMETALに会った?」とか、「一緒に写真撮ってもらった!」ってみんな大興奮してるわ(笑)。BABYMETALは本当に人間的にもクールだし、ライブも最高よ。だから今回は、そんなトップレベルのバンドの裏側を見れるのが本当にワクワクした。BABYMETALのMVってどう作られているのか、曲作りの現場ってどんな感じなのか、そういうのを間近で見れた。そこからめちゃくちゃ学ぶことが多かったし、本当に最高の経験だった。
ーメタルというジャンルで、自分のボーカル/マインド/表現を通じて世界にどう立ち向かっていると感じますか?
コートニー:私にとってスクリームは、感情を伝えるための強力なツールのひとつだと捉えてる。普段、人に直接話すときには言いづらい感情、例えば恥ずかしさとか、悔しさとか、悲しさとか、そういうのを表現できる武器みたいなものなのよ。スクリーム、クリーンボーカル、そしてあらゆるボーカル・スタイルを使えば、その感情を音としてぶつけられる。すごく生々しくて怖いサウンドであっても、その中に喜びや解放感もあったりするのよ。
SU-METAL:まずは「SU-METALとしてかっこよくありたい」と自分の中での理想のSU-METALがいて、SU-METALを好きでい続けるためにどうしたらいいかを考えています。メタルじゃなかったら、こんなに自分とSU-METALを切り離すことはなかったと思うんですけど、どんなステージでも立ち続けることが出来ているのはSU-METALという風に存在を分けているからだと思うし、メタルの強さが支えになる事もたくさんあります。
お互いのパフォーマンスから感じること
ーBABYMETALから見て、Spiritboxのステージやパフォーマンスから感じるものは?
SU-METAL:特に好きなのは「Black Rainbow」で、ライブの映像を見たのですが、コートニーさんの場を支配する力がすごいなと思って、ブレイクダウンのところは鳥肌がたちました。立ち姿、目力、視線の動かし方、一つ一つの動作がとても魅力的美しくて、激しさの中にあるとより美しくてかっこいいなって思います。
MOAMETAL:Spiritboxのステージを見て、シンプルなパフォーマンスで観る人を圧倒するポテンシャルの高さに毎度驚かされます。シンプルなのにとても洗礼されていて、バンドメンバーみんなそれぞれが力強いパフォーマンスをしますよね。ヘヴィな曲、歌で聴かせる曲、両方の要素を持ち合わせている曲、曲によって雰囲気が全然違うのに彼らがやるからSpiritboxになる。そして、どんなステージでも一瞬で彼らの空気に変えてしまう。シンプルだからそれぞれのメンバーに集中して観られて、音を聴けて、みんなが釘付けになる。穴が開くほど見てもそれぞれが完成されているからたまらない、だからこんなにも人気になったんだな、すごいな、と思っています。コートニーの低音スクリームと、華麗さはヒーリング効果もあるので、日本の人にももっとたくさんの人に聴いてもらいたいバンドです!
MOMOMETAL:ずっと観ていたいと思うステージです。心地の良いギターとコートニーの透き通る声、耳が本当にずっと気持ちいいです。煽りの声でさえ、めちゃくちゃいいかと思えば、ハードコアで激しい曲が始まって一緒に飛んだり頭を振ったり、セトリの組み方も勉強になります。
ー先日の英国のO2アリーナ公演をはじめ、BABYMETALは世界各地のフェスやアリーナに立っています。コートニーさんから見て、BABYMETALのライブパフォーマンスに感じるものは?
コートニー:私にとってBABYMETALのライブは、「やりたいことは全て形にできる」ということを証明している最高の例だと思う。演奏力や音楽性を見せながら、豪華で緻密なステージ演出もできるし、それが音楽性を損なうわけじゃない。むしろ、ファンを大切にしていることが伝わるし、「ライブに全力投球している」ことを示している。お客さんがライブに来たとき、高いレベルを期待していいということも伝えているし、チケット代をしっかり取るなら、それに見合うものを見せるべきだと思う。
BABYMETALみたいなバンドは、ヴィジョンや夢があればそれをちゃんと形にできるということを、私たちや他のバンドにも見せてくれた存在。そして、全部の演出を取っ払って曲だけ聴いても、その曲自体が光っている。だから、「やりたいことを全て形にできる」ということを証明してるのよ。表現力もあって、ライブ演出が曲のメッセージをさらに強くしていて、しかも演奏技術で圧倒できて、それを全部同時に叶えられるということよ。
ーBABYMETALとSpiritboxは長期ツアーをすることで知られていますが、長くツアーを続ける上で健康面、精神面を維持するために心がけていることは?
コートニー:私にとってルーティンを持つことは本当に大切。ほとんどは退屈なことばかりだけど、ボーカル休養を取ったり、ストレッチをしたりすることよ。自分がもう19歳じゃないということを自覚しないといけなかったわ(笑)。今36歳で、自分を大切にすることが、自分へのちょっとしたご褒美みたいになってる。たぶんBABYMETALもそうだけど、自分にすごく厳しかったり、完璧を求めたり、絶対いいパフォーマンスをしたいって思ってるはず。だから、ちゃんと食べて、たくさん寝て、声を休ませることで、「これからも頑張れるぞ」という気持ちになれる。
SU-METAL:温度・湿度の確認、あと自分の体の変化にはなるべく気がつけるように心がけています。精神面ではMOAMETALとMOMOMETALが大きな支えになっていて、本当に感謝しています。
MOAMETAL:うーん、難しいですね。健康面も精神面も運なところもあると思ってます。BABYMETALって、メンバーにもクルーにも恵まれてるなと思います。こんなにも人に恵まれていても、しんどい時はしんどいし、無理かも!ってなるときはもちろんあります。でも、待ってくれている人がいるとなぜかステージに立てちゃうんですよね。お客さんへの愛ですね(笑)。極力たくさん寝るようにして、メンバーみんなでごはんを食べて、たまに私が持ち運んでいる炊飯器でお米を焚いて日本食への欲を満たして工夫して過ごしています(笑)。あ、最近は3人でタコスにハマりました。アメリカ中のタコスを食べることを楽しみ日々過ごしています(笑)。楽しみがあると頑張る活力になりますね!
MOMOMETAL:とにかく、体力面では睡眠は大事だと思います。疲れた時に正直に疲れた!!って言える環境、メンバーとの関係もすごく大事だと思います。あとは、クルーのみんなと仲良く過ごすこと!
ー昨日はBABYMETALが1100人キャパのThe Regent Theaterでライブを行いましたが、ここまで小さい会場でやるのは珍しかったかと思います。昨日のライブはどうでしたか?
SU-METAL:ステージから見える景色が鹿鳴館に少し似ていたので、懐かしさを感じ、当時のことを少し思い出したりしながらライブをしていました。お客さんとの距離はもちろん、バンドとの距離もすごく近くて一体感がすごくて面白かったです!またこういうライブをやりたいなって思いました。
MOAMETAL:楽しかったです。終演後3人で、私たちはやっぱりこういうライブもこれからもやっていきたいよね、と話していました。大きい会場も好きですが、お客さんの顔がよく見える小さい会場もとても好きです。熱気もすごいし神バンドとも近いし、メンバー2人とも何度もぶつかりましたが、なんだか癒される時間でした(笑)。ぶつかって癒されるなんておかしいですね(笑)。ただ、あの空間はなんとなく、言葉では言い難い瞬間で、とても尊かったです。
MOMOMETAL:きっとお客さんにも伝わっていると思いますが、とにかくはちゃめちゃに楽しかったです! お客さんとの距離感や、ステージ内でのバンドとの距離感がとても近くてとてもホーム感があり、あっという間で、とっても濃い時間でした。また是非、こういうステージでのライブをやりたいです。その日限定の何かスペシャルなことをしたりしたいですね。
ー今年11月にLAでIntuit DomeでのBABYMETALの大規模なコンサートが発表されて話題になりましたが、どんなライブになりそうですか?
SU-METAL:今回アメリカツアーを回って、アメリカでの熱量が前よりも高まっているのを感じたので、Intuit Domeでまたアメリカに帰れることが今から楽しみです。アルバムがリリースされた後、初のアリーナ単独公演になるので、何かスペシャルなことが出来たらいいな!
MOAMETAL:どんなライブになるんでしょう。楽しみです! アルバムを発売して初のアリーナ公演になるので新曲をたくさん披露して一緒に盛り上がれたらいいですね。11月まで日本ツアーやアジアツアーもあるので、みんなで気持ちを高めていきましょう!
MOMOMETAL:まだ自分がステージに立つ想像が出来ないですが、すごく楽しみで、きっとまたBABYMETALの歴史においてとても大事で大切な日になると思いますので、皆さんに最高のステージを観てもらえるように頑張ります。
ー11月のLA公演の後はメキシコ・シティでもBABYMETALのスペシャル・アリーナ・ショーが予定されていますが、どんなライブになりそうですか?
SU-METAL:メキシコシティでのワンマンライブは約10年ぶりで、去年スリップノットのサポートアクトとしてパフォーマンスさせていただいた時も皆さんの熱気がすごいと感じたので、ワンマンライブだとどうなるんだろうというのが今からとても楽しみです! チケットも販売してすぐにソールド・アウトしたと聞いて、それだけ皆さんが楽しみに待っていてくれているんだと思うとより待ちきれない気持ちになっています。
MOAMETAL:まずはソールド・アウトしたことにとても驚いています。こんなにも待っててくれたんだ、期待してくれているんだ、と嬉しくなりました。個人的には、せっかくのメキシコで死者の日も近いのでガイコツのペイントをしてマリアッチしたいです。私たちはやれない可能性が高いのでお客さんだけでもやって私たちにメキシコ気分を味わわせてくれたら嬉しいです(笑)。今からとても楽しみです!
MOMOMETAL:きっとまためちゃくちゃ熱いライブになると思います! 熱気に包まれた会場の雰囲気を味わえるのが今からとても楽しみです。
ーSpiritboxの今後の予定について教えてもらえますか?
コートニー:私たちはツアーをやる上で、ただあちこち回るんじゃなくて、ちゃんとしたツアーを実現させたい。ずっと夢見てきた場所、まだ実現してない場所にも行きたい。だから来年は特に、日本でライブできたら本当に光栄だと思ってる。
ーまだ日本に行ったことはないんですか?
コートニー:Spiritboxではないわ。昔やっていたバンドで一度だけ行ったことがあって、それが本当に人生で一番楽しいツアーだった。2012年のことで、「次いつ来れるかわからないから、今この瞬間をちゃんと焼き付けよう」って思ってたのを覚えてる。また日本に行きたいけど、誰が私たちを待ってくれてるのかはわからない。
ーきっとファンはたくさんいると思いますよ。
コートニー:そうだといいわ。だからBABYMETALのファンが私たちをどう思ってくれるのか、すごく楽しみなの。絶対日本に行きたい。でもこういうのって、実際にブッキングしてみないとわからないのよね。とにかく行って、試すしかない。だから本当に近いうちに行けたらいいなって思ってる。
ーBABYMETAL × Spiritboxというコラボレーションを通じて、ファンに届けたいメッセージがあればお願いします。
コートニー:BABYMETALは数多くのバンドとコラボレーションをしているけど、私たちはみんな同じ気持ちよ。BABYMETALのヨーロッパとかアメリカのライブを見たことがない人に言いたいんだけど、BABYMETALはファンだけじゃなくて、BABYMETALが共演するバンドにも本当に愛されてる。BABYMETALがライブをやる時は、共演するバンドはみんなめちゃくちゃ喜んでるし、光栄に思っているのよ。そして、バンドもファンもみんなBABYMETALを各地で観たがっているし、みんな大好きなのよ。BABYMETALのメンバーはみんな優しい人たちだけど、高いクオリティのパフォーマンスをみんなに届けるために、裏でこの子達がどれだけ努力をしているかもみんな知っている。だから、ライブを見ている日本のファンなら知っているけど、全員に分かっておいて欲しいのは、彼女たちは世界中でツアーをしているメタル・バンドのライブのハードルをめちゃくちゃ高くしている(笑)。そして、私たちはそのハードルを越えるためにみんな頑張っている。BABYMETALはハードワークに関しては、全てのメタル・バンドの本当に高い水準を設定してくれたわ。
MOAMETAL:SpiritboxとBABYMETALは、流動的なのがすごく私たちの共通点だなぁと思っていて、ある意味いろんなものを吸収して、お互いが流動的に動いてきたからこそ、これが王道になればいいなと思うし、私たちがシーンを引っ張っていく代表にお互いになっていけばいいなと思ってます。そして、Spiritboxさんはグラミー賞に2回もノミネートされていて、私たちも今頑張っている最中なので、一緒に高め合っていけたらいいなってすごく思っています。
コートニー:グラミー賞、次はあなたたちよ!
3人:ワー!!!!
KOBAMETAL:次はステージで一緒に共演できたらいいですね。
コートニー:待ちきれないわ。早く実現させたい。絶対いいライブになるわ!
3人:ありがとうございます!
@babymetal_japan Watch the full "My Queen" music video now! Don't miss out on the epic visuals and powerful performance! BABYMETAL YouTube Channel #BABYMETAL #NewAlbum ♬ オリジナル楽曲 - BABYMETAL_JAPAN

BABYMETAL
『METAL FORTH』
発売中
【日本盤形態・価格・収録内容】
◾️METAL FORTH 【通常盤】UICC-10058
価格:3,000円+税
仕様:ジュエルケース
◾️METAL FORTH 【デラックス・エディション】UICC-90016
価格:4,000円+税
仕様:7インチ紙ジャケット / ジャケット・ステッカー3枚&フォトカード6枚封入 / ポスターブックレット(歌詞掲載)
試聴・購入はこちら:https://umj.lnk.to/BABYMETAL_METALFORTH
=収録曲=
1. from me to u (feat. Poppy)
2. RATATATA (BABYMETAL x Electric Callboy)
3. Song 3 (BABYMETAL x Slaughter to Prevail)
4. Kon! Kon! (feat. Bloodywood)
5. KxAxWxAxIxI
6. Sunset Kiss (feat. Polyphia)
7. My Queen (feat. Spiritbox)
8. Algorism
9. メタり!! (feat. Tom Morello)
10. White Flame -白炎-
<ライブ情報>
BABYMETAL WORLD TOUR 2025-2026
SPECIAL ARENA SHOW IN JAPAN
LEGEND – METAL FORTH
2026年1月10日(土)OPEN 16:00/START 17:30
2026年1月11日(日)OPEN 14:00/START 15:30
会場:さいたまスーパーアリーナ
「BABYMETAL WORLD TOUR 2025-2026 SPECIAL ARENA SHOW IN JAPAN LEGEND – METAL FORTH」特設サイト https://babymetal.com/legend-metalforth
BABYMETAL Official Website http://www.babymetal.com