BLT Recordsに所属するアーティストによるライブイベント、その3回目にあたる「BLT LIVE BOOSTER vol.3」が、9月5日、Zepp Hanedaにて開催された。3年ぶりの開催となったBLTライブ。
過去2回は、PEOPLE 1とNEEの2マンライブとして開催されたが、今回は、2組の後輩にあたるトンボコープを加えた3マンライブとして開催された。この記事では、当日の模様をレポートしていく。

オープニングアクトを務めたのは、トンボコープ。1曲目は、「Freeedom!」。まずは、雪村りん(Vo・G)が「はじめまして、トンボコープです!」と高らかに自己紹介。林龍之介(Dr)による豪快なドラミングを受け、さっそく大きな手拍子が巻き起こり、そらサンダー(G)が台の上に上がってギターを弾き倒しながら幕開け直後とは思えぬほどの並々ならぬ高揚を生み出していく。そして、でかそ(Ba)が「今日は君の好きなバンド1個増やしにきました!」と大胆不敵に呼びかける。敬愛する2組の先輩を打ち負かしてやる、というチャレンジャーとしての熱き気概がギラギラと伝わってきた。

PEOPLE 1×NEE×トンボコープ、Zepp Hanedaに3組が刻んだ熱き存在理由


PEOPLE 1×NEE×トンボコープ、Zepp Hanedaに3組が刻んだ熱き存在理由


続けて、ライブ開催日の時点では未リリースの楽曲「MUNSELL」「囚人」を立て続けて披露。この2曲を含め、今回のセットリストは、10月リリース予定の1stメジャーアルバムの収録曲を軸としたもので、自分たちの最新のモードを示す意志をありありと感じた。なお、雪村は、「囚人」について、「PEOPLE 1とNEEと一番相性がいいと思う曲」と紹介していて、実際に同曲は、未リリースの楽曲にもかかわらず凄まじい熱狂を生み出していた。「PEOPLE 1ファンもNEEファンも、みんな音楽で一つになれるってことの証明の曲です」という雪村の言葉と共に届けられたのは、新たな代表曲の一つ「HEART BEAT」。
2組のファンをがっつり巻き込んでみせたロックアンセムとしての風格が、とても感動的だった。

PEOPLE 1×NEE×トンボコープ、Zepp Hanedaに3組が刻んだ熱き存在理由


PEOPLE 1×NEE×トンボコープ、Zepp Hanedaに3組が刻んだ熱き存在理由


「俺は今から本気で歌いたいと思います」「本当の君で聞いてください」という切実な呼びかけの後に披露された「レインコート」も深く胸を打つ名演だった。何のために、誰のために歌を歌い届けるのか。トンボコープの存在理由を、Zepp Hanedaに深々と刻み付けた同曲を経て、ラストの「彗星」へ。「誰観に来たとか関係ない、音楽なら一つになれるんだ!」「一つになろうぜ、BLT!」この日初めてトンボコープに出会った人も多かったと思うが、4人はそうした人たちのハートを見事に打ち抜き、がっつり震わせてみせた。最高のオープニングアクトだった。

次は、NEEのステージ。サポートギターなしの、3人のみの体制。1曲目は、新体制のNEEを象徴する楽曲にして、既に新たなライブアンセムと化している「マニック」。夕日(G・Vo)が「跳べますか、羽田!」と呼びかけると、観客は、揺れを起こすほどのジャンプを何度も繰り返して応えていく。そして、「月曜日の歌」のイントロが鳴り始めると、かほ(B・Vo)が「歌える人、一緒に歌ってください」と言い終わる前から、瞬く間に大合唱が巻き起こる。間奏では、かほが「みんな、台風の中ありがとうね」と感謝を告げる一幕もあった。


PEOPLE 1×NEE×トンボコープ、Zepp Hanedaに3組が刻んだ熱き存在理由


MCでは、夕日が、初期から共に歩み続けている盟友・PEOPLE 1に対する想いを語った。昨年6月の「東京、夏のサイレン」にゲストとして出演してもらったことなどを振り返った上で、「だから今日はいろいろな恩返しもこめて全力でやってやろうと思いますんで!」と力強く告げ、続けて、「そん中にトンボコープも入って新たに3組でスタートを切る。いい記念日になりそうで嬉しいね」と語った。

PEOPLE 1×NEE×トンボコープ、Zepp Hanedaに3組が刻んだ熱き存在理由


「NEEのファン、PEOPLE 1のファン、トンボコープのファン、全員で繋がって最高のイベントにしましょう!」。そう呼びかけた上で披露したのは、10月にリリースされるアルバムに収録予定の「熱暴走」。まさにタイトルどおりの、過激で過剰な怒涛のロックチューン。夕日、かほ、そして大樹(Dr・Vo)によるソロ回しも激烈だ。

PEOPLE 1×NEE×トンボコープ、Zepp Hanedaに3組が刻んだ熱き存在理由


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「ボキは最強」では、観客が仮面ライダー1号風の"ボキは最強ポーズ"をきめながらジャンプを繰り返し、その後も3人に負けじと歌声を重ねていく。ラストは、「不革命前夜」。「全力で盛り上げて、PEOPLE 1に繋げるぞ!」。夕日の呼びかけを受け、これまで何度も更新されてきたピークをさらに更新していく革命的な熱狂が生まれてゆく。あまりにも壮絶的だった。


トンボコープとNEEからの熱いバトンを受け取る形でこの日のトリを務めたのが、PEOPLE 1。Deu(Vo・G・B・Other)が、「BLTライブ、3年ぶりの開催。お久しぶりでございまーす!」と高らかに告げ、3人編成で「イマジネーションは尽きない」を披露。そしてサポートメンバーを迎えて「DOGLAND」へ。「トンボコープとNEEがあっためてくれたようですが、こっからさらに1個上にいきましょう」。Deuの呼びかけを受け、まるで地獄の底から沸き立つような猛烈な大合唱が轟く。温かなホーム感を味方に付けたからか、3人はいつも以上に伸びやかに解放されているかのよう。

PEOPLE 1×NEE×トンボコープ、Zepp Hanedaに3組が刻んだ熱き存在理由


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「スクール!!」を大々的にアレンジした「新訳:スクール!!」では、Takeuchi(Dr)が前の2組のライブパフォーマンスを称しつつ、「俺たちだって負けてねえ!」と叫び、ステージの縁ギリギリまで繰り出しながら熱烈なコール&レスポンスを指揮してみせた。ダンスタイムはまだまだ続く。Ito(Vo・G)が「みんな一緒に踊ろうよ」と呼びかけ、「DALMATIAN」へ。その情熱的なフィーリングは「銃の部品」へと引き継がれ、さらなる熱気が会場を満たしていく。MCパートでは、Deuが、2021年の1回目のBLTライブがPEOPLE 1にとっての初ライブだったことを感慨深そうに振り返り、そして、この日のオープニングアクトを務めたトンボコープのチャレンジャーとしての気合いと覚悟を称賛した。


PEOPLE 1×NEE×トンボコープ、Zepp Hanedaに3組が刻んだ熱き存在理由


ここからライブは後半戦へ。「クソ暑い夏を歌っていこうぜ!」というDeuの豪快な呼びかけから「夏は巡る」へ。「怪獣」の後に披露された「Deadstock」では、スペシャルゲストのきのぽっぽが「遊びにきたよ~! よろしく~!」とステージイン。Itoと向き合いながら美しいハーモニーを送り届けてくれた。続く「メリバ」では観客に愛のボディーブローをかましまくり、「常夜燈」では、観客がスマホの白い光を左右にウェーブさせながら3人の想いに懸命に応えていく。なんて美しい景色だろう。

PEOPLE 1×NEE×トンボコープ、Zepp Hanedaに3組が刻んだ熱き存在理由


いよいよ、この日ラストの1曲へ。Deu「最後1曲、我々らしからぬ大団円しましょう」。Takeuchi「特別な夜にふさわしい、特別なコラボ曲」。その言葉の後、トンボコープ、NEE、きのぽっぽをステージに迎えて、全員で「エッジワース・カイパーベルト」を披露。観客がタオル回しによってフロアを鮮やかに彩る中、一人ひとりが同曲の歌詞を歌い繋いでいく。まさにこの日だからこその特別なコラボレーションだ。
アウトロでは、夕日が渾身のギターソロをこれでもかと弾き倒し、圧巻の大団円。(ちなみに、ライブ後、Deu はXで「それと夕日にギターを弾かせたのはわたし←聴きたすぎて」「↑そんでめっちゃカッコよかった、羨ましいまである」と投稿していた。)3回目が終わったばかりであるが、既に4回目以降の開催への期待で胸が高まるような、最高の3マンライブだった。

Photo by masuda renzo

PEOPLE 1×NEE×トンボコープ、Zepp Hanedaに3組が刻んだ熱き存在理由


セットリスト

トンボコープ
1. Freeedom!
2. MUNSELL
3. 囚人
4. HEART BEAT
5. レインコート
6. 彗星

NEE
1. マニック
2. 九鬼
3. 月曜日の歌
4. 熱暴走
5. ボキは最強
6. こたる
7. DINDON
8. 最低の証
9. 不革命前夜

PEOPLE 1
1. イマジネーションは尽きない
2. DOGLAND
3. 新訳:スクール!!
4. DALMATIAN
5. 銃の部品
6. 夏は巡る
7. 怪獣
8. Deadstock
9. メリバ
10. 常夜燈
11. エッジワース・カイパーベルト
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