11月5日、東京・Spotify O-WEST。CORTISの日本初となるショーケースは、単なるデビュー記念イベントではなかった。
それは”アーティスト”としての誕生を証明する夜だった。CORTIS The 1st EP『COLOR OUTSIDE THE LINES』のタイトルが示すように、彼らは既存のK-POPシーンの内側に収まる気はなさそうだ。制作から振り付け、映像制作までを自ら手がける5人は、音も身体もすべてを自分たちの表現手段として鳴らしていた。

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1曲目「GO!」が鳴ると同時に、会場の空気が跳ねた。浮遊感漂うシンセに軽やかなトラップが重なり、熱量が一気に上がる。MARTINのカリスマ性とJAMESの躍動的なエネルギー、JUHOONの瑞々しさとクールさ、SEONGHYEONの透明感あふれる歌声、KEONHO爽やかな笑顔のバランスが見事に噛み合い、コンパクトなステージを最大限に使い切る。”ファンと一緒に楽しみたい”という想いが視線や動きのひとつひとつに宿っていて、デビュー約3カ月とは思えない余裕すら感じられた。

CORTISが東京で証明した"クリエイター集団"としての誕生

(P)&(C)BIGHIT MUSIC

MCではリーダーのMARTINが「みなさまに会えてうれしい。今日は一緒に楽しみましょう」と流暢な日本語で挨拶した。続けてJUHOONが「初めての日本でのショーケース、ドキドキする」、JAMESが「今日は安全第一。気を付けながら楽しみましょう」と観客に呼びかけ、フロアは和やかな雰囲気に包まれた。

続く「JoyRide」では、KEONHOの澄んだ声が心地よいギターリフに溶け、夏の記憶を呼び戻す。
自然体の笑顔と軽やかなステップで、互いにアイコンタクトを交わしながら音と空気を楽しむ姿が印象的だった。会場の熱はそのままに次の曲「What You Want」では、一転ブームバップとロックの要素が交錯する、どこか懐かしさも感じるエッジの効いたサウンド。MARTINが放つロックスターのようなオーラに視線が釘付けになる。CORTISはK-POP的な構築美とアーティスト的な生々しさ、その両方を自在に行き来しながら”新しいボーイズポップ”の形を作り上げていた。

CORTISが東京で証明した"クリエイター集団"としての誕生

(P)&(C)BIGHIT MUSIC

MCでは、制作過程にまつわるトークも。MARTINは「アメリカと韓国を行き来しながら、300曲以上を作りました。その中から一番”自分たちらしい”曲を選んだ」と語り、JAMESは「振り付けでは”真似したくなるポイント”を意識して作っている」と話す。いわゆる偶像的なアイドルではなく、明確な意志を持ったヤング・クリエイター集団としてステージに立つ彼らの姿は、まさに”COLOR OUTSIDE THE LINES”を体現していた。

ラストスパートの「FaSHiON」では、照明とストロボが弾け、メンバーの掛け声に反応してフロアが揺れる。SEONGHYEONの透き通るようなハイトーン、JUHOONの繊細な表情、JAMESの圧倒的なフィジカル。それぞれの個性がぶつかり合い、解け合う。

アンコールの「FaSHiON」再演と「What You Want」では、MARTINとJAMESが肩を組む瞬間も。
その光景はまるで青春映画のラストシーン。爽やかで、観客の胸を熱くした。「東京、叫べ!」と叫ぶ彼らの声に呼応するように、ファンのジャンプがステージと一体になる。音と光と汗、すべてが”今”を刻むようだった。

当初の予定ではここで終了だったが、メンバーが「One more?」と聞くと、熱狂するフロア。追加で「GO!」が再演され、熱狂の中でショーケースは幕を閉じた。

ヒップホップでもポップスでもロックでもない、ジャンルを横断するサウンド。そして、制作も振り付けも自らの手で担うセルフメイドな姿勢。彼らが描く”線の外側”には、次世代のポップが生まれる自由の色があった。
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