jo0jiと梅津和時。その年齢差はちょうど50歳。
2人はまるで祖父と孫のような関係性にある。

11月13日にリリースされたjo0jiの最新曲「雨酔い(うすい)」に、梅津和時がサックスで参加。jo0jiといえば、5歳のときに初めて観たライブがRCサクセションだというほど小さい頃からRCサクセションや忌野清志郎を愛し、今もその血は彼の音楽と身体の中心に流れている。そして梅津和時といえば、清志郎の隣でサックスを吹いてきた人物。jo0jiは今年、『オハラ☆ブレイク』や『SWEET LOVE SHOWER 2025』のRCサクセション/忌野清志郎トリビュート企画でボーカルを務め、名曲たちを歌い継いできた。さらに、このインタビューを行った数日後に開催されたjo0jiのワンマンライブには梅津がゲスト参加し、「雨酔い」を披露するだけでなく、RCサクセションの「スローバラード」まで堂々とカバーしてみせた。その恐れのない堂々とした佇まいに、あの場にいた人たちはみな息を呑み、過去と現在を融和させる音に心を震わせた。

この対談では、「雨酔い」のことだけでなく、音楽や生き方にまつわる大切な話がいくつも語られている。最後のほうに語られた、レコード会社が海外展開に注力しなかった時代を生きた梅津が今の音楽シーンに思うこと、そして楽しく生き続けるための秘訣などまで、多岐にわたるテーマの言葉を味わい尽くしてもらえたら幸いだ。

―「雨酔い」は、2022年3月にデモがYouTubeにアップされていて、これまでのライブでも演奏されていた曲ですが、なぜこのタイミングで梅津さんに入ってもらって完成させたいと思ったのかということから聞かせてもらえますか。

jo0ji:この曲は自分の中でも好きな曲だったのでずっと出したかったんですけど、なんとなく「今じゃないな」と思いながらタイミングを見ていた中で、今年の1、2月頃にようやく録ろうと思って。今ならできるんじゃないかと思って、満を持して作り始めた感じでした。
もともとこの曲の編曲のイメージは、RCサクセションの「いい事ばかりはありゃしない」のライブバージョンで、その曲で梅津さんがサックスを吹いている映像をずっと見て育ったので、「こんなサックスを入れたくて」ということをマネージャーさんに相談したら……「本人に聞いてみようか?」って言われて。

―(笑)。

jo0ji:それで梅津さんに連絡してもらったんですけど、たまたまそのメールを送った日が(忌野)清志郎の誕生日だったんです。

梅津:いつも誕生日は(清志郎関連の)イベントが必ず入っていて家にいなかったんですよ。今年に限って何もないなと思っていたら、そのメールが来て。そのときはまだ「いい事ばかりはありゃしない」がイメージにあるという話は全然知らなかったんですけど、ああ面白そうだなと思って。しかも「明日からツアーに行くので、すぐには会えないんですけど」って言ったら、そのツアー先に住んでいる人だったんですよ。

jo0ji:メールを送った2、3日後に「鳥取に行くんですよ」って言われて。

梅津:それでライブに来てくれて。そこで「いい事ばかりはありゃしない」を私が歌って吹いたんですけど、それを観て「実はこの曲なんですよ」って言われて、「なんだそれは」とびっくりして。

jo0ji:それで「レコーディングお願いします」ってなったんですけど、レコーディングの日が……。

梅津:清志郎の命日。


―すごい重なりですね。本当に、清志郎さんに導かれているかのような。

梅津:誕生日の前にお墓参りへ行ったんですけど、そのあとにメールが来てこうなったので、清志郎に操られている感じです。自分の意思じゃない感じでした。ちょっとありえない偶然がありすぎて、びっくりしちゃってました。ちゃんと感謝しろよって言われている気がします。

jo0ji:清志郎がつなげてくれているのかなと思いましたね。今年は、清志郎のデビュー55周年で『オハラ☆ブレイク』『SWEET LOVE SHOWER 2025』(それぞれのフェスでのトリビュート企画)に呼んでもらったりもしたので、本当に全部がつながっている感じがします。梅津さんに頼んだタイミングがよかったなって、本当に思いますね。

jo0ji×梅津和時対談 RCサクセション奏者が語る、昨今の音楽とjo0jiの現在地


過去と今、日本語の扱い方の変化

―改めて、jo0jiさんにとってRCサクセションや忌野清志郎とはどういう存在なのか、という話を聞かせてもらえればなと思います。「影響を受けている」どころか、音楽を作る上での指針になっているような存在だとは思うんですけど。

jo0ji:影響というか、自分の一部ですね。
物心がつく前のちっちゃい頃からずっと聴いていて、当たり前に日常にあった音だったので、本当にDNAの1個ではあると思います。

梅津:どうやら5歳くらいのときに観にきてくれていたみたいで。

jo0ji:清志郎の『GOD』というアルバムのツアーで米子に来ていて、それを家族で観に行ったんですよ。初めて観たライブがそれで、そこで梅津さんのことも観ているので、梅津さんは「人生初めてのライブで観た人」。そのときの景色もすごく覚えていますね。清志郎がチャリンコで舞台に入ってくるんですよ。そしたらでっかい風船が飛んできて、清志郎が客席に蹴っ飛ばしてくるんです。そういうのを色々、すっごく覚えてます。

―5歳で観た風景を今も記憶しているって、よほど強烈な印象だったんですね。

jo0ji:そうですね。車でずっと『GOD』のCDがかかっていたんですよ。保育園に行くときとか、母親の実家へ行くために往復2時間とか乗ったりしている中でもずっと流れていて。
だから「車で聴く人が目の前にいる!」みたいな感じだったんです。実在するのかしないのかいまいちよくわかってない人たちが目の前にいるっていうのが、すごく印象に残ったんだと思います。

梅津:そのツアーのことも、米子に行ったことも覚えてます。でもjo0jiに「この曲はRCのこの曲が土台になってます」みたいなことを言われるときはあるんですけど、全然そうは聴こえなくて。

jo0ji:ええ! そうなんですか!(笑)

梅津:まったく別な曲に聴こえます。

jo0ji:それこそ「条司」は『GOD』というアルバムのホーンセクションの感じとかを踏襲して作って、梅津さんにもそう伝えていたんですけど(笑)。

梅津:もう全然違うところからのアプローチになっていると思うし。彼の中では一緒なんでしょうけど、こちらから見ると全然新しい人の曲だという感じがするので、それがまた面白くて「わーい」と思いながらやってます。清志郎のアレンジみたいな中にポッと入るんだったらそれほど新鮮に感じないかもしれないですけど、完全に違うものだというふうに思っているので、すごく新鮮にやらせてもらっています。

jo0ji:「梅津さんのサックスの音って、本当に梅津さんの音でしかなくて」という話をしたときに、jo0jiは誰でもない声をしているし、誰でもない曲を作っているからいいと思うんだよね、みたいに言ってもらったのはすごく嬉しかったですね。

―梅津さんのその視点がすごく興味深いなと思うのは、私もそうですし他のメディアの人たちも、RCサクセションや清志郎さんの文脈でjo0jiさんを捉えていると思うし、リスナーの中にもjo0jiさんの佇まいに清志郎さんを重ねている人もいると思うんです。でも梅津さんがそうおっしゃるのはすごく鋭いというか。
歌い回しや、日本語ロックやフォークにホーンをどう混ぜるかというところとかはRCや清志郎さんの音楽から影響を受けているとは思うけど、もちろん他の時代や全然違うジャンルの音楽も吸収されているから、梅津さんがはっきりと「新しく聴こえる」と斬られるのはすごく面白いです。

梅津:そうかそうか。私が新しい人の音楽をあまり知らないからだと思います(笑)。我々の世代の人間とはまた全然違うので、「誰みたい」とは表現できない感じで。私が今まで一緒にやってきた歌手とは全然違うなと思うので、すごく面白いです。詞の情報量も多いもんね。でも今テレビとかを見ているともっと言葉が早くて「ついていけないな」と思ったり、「何語だかわかんないな」って思ったりする曲もあるけど、jo0jiはわかる。

jo0ji:よかったあ。

―今の時代で、どちらかといえば日本語が1文字1文字はっきりと伝わる歌の表現を、jo0jiさんは選ばれているなと思いますね。

jo0ji:洋楽のリズムに日本語をはめる感じでやってる人や、「お」を「うぉ」って言ってみたりする人もいますもんね。

桑田佳祐さんがやられたような日本語を英語っぽく歌うスタイルとはまた少し違う形で、そういうことをトライしているアーティストが今増えているのかなとは思います。

梅津:そういうのをやるのは我々の時代では桑田が一番早かったんですけど、そのときも最初は違和感あったのにだんだんとあれが当たり前になってきて、今は違和感も何も感じなくなってきましたし。
逆に清志郎は日本語を大切にする人で、発音もイントネーションも大切にしていて。でもずっとそれでいいってわけでもないんだろうし。どっちにも対応できなきゃな、みたいなところはあると思うんですけど。

jo0ji:どちらかというと、俺も言葉を大切にするほうですね。そのようにずっとやっていこうかなとは思っていますけど。

梅津:彼の歌は、今のようなしゃべり方に近いので違和感がないんですよね。曲の中で「ここで4分の2が入るんだ」「変拍子が入ってくるんだ」っていうのがあるんですけど、しゃべり方に近いから違和感がない。それが面白くて好きです。

jo0ji:ありがとうございます、嬉しい。歌詞先行でメロを作ってしまうので、字余りとか小節余りが起きるっぽくて。楽器を弾く人たちには「ここでいきなり4分の2が出てくるの?」みたいに言われるんですけど、それは無意識で、俺にとっては自然なんですよね。

レコーディングで起きた奇跡

―「雨酔い」のレコーディングは、一緒にスタジオに入って作り上げていかれたんですか?

jo0ji:そうです、バンドと一緒にせーので録りました。一発目に合わせた瞬間から現状に近いものができていて。

梅津:スタジオでギター、キーボード、ドラムも一緒に、わりとライブな感じでレコーディングしたのでバンドとして楽しい感じで入れましたね。

jo0ji:「こことここで、とにかく思いっきり吹いてください」とだけ言って、あとはお任せします、という丸投げな感じだったので、結構難しかったかもしれない(笑)。
梅津:いやいや、丸投げのほうがいいです。ありがたいです。

―1番が終わったあとの梅津さんのサックスが入ってくる8小節はもう、鳥肌が立ちます。

jo0ji:梅津さんが吹き始めた瞬間、キーボードの(Koki)Furukawaくんとか泣いちゃったらしくて。本当に「レジェンドが来た」っていう感じになって、スタジオが湧きましたね。イントロとかで流れている雨の音は、本当にレコーディングの日に降っていた雨を録って入れているんですけど、その日、雨の予報ではなかったのに大雨が降ってきたんですよ。みんなで音を出し始めたらへんから雨が降り始めて、梅津さんが「清志郎が見に来てるね」って言ってブースに入っていったので、全員で「かっけえ」ってなりました(笑)。

梅津:いわゆるスタジオっぽいところではなく民家みたいなところでやったので、それもあって「お仕事でレコーディングをしている」という感じではなかったですね。すごく楽しかった。

jo0ji:泊まれるレコーディングスタジオだったので、俺らは2泊3日で、梅津さんは2日目から来てくれたんですよ。前日にバーベキューして、一緒にお酒飲みながらおしゃべりして、次の日にレコーディングして、という感じでした。なので遊びに近かったですね。本当に楽しかったです。

―めちゃくちゃいい時間の中でレコーディングされたんですね。1stアルバム『あえか』(2025年7月リリース)に入っている「onajimi」もライブ感のある音にしたいと思っていたという話をしてくれましたけど、さらにレベルアップした音を「雨酔い」で作れたとも言えそうですね。

jo0ji:本当にそうですね。「onajimi」を録った次の日に、梅津さんと「雨酔い」を録ったんですよ。なので「onajimi」でバンドとして一体感ができた状態で梅津さんと一緒にやれたので、一気に飛び級できた感じがありました。何かを掴んだ感じは自分の中でもあったし、多分バンドのみんなにもあったと思うし。それを保ったままライブもやれているので分岐点になったなと思います。

―梅津さん含むバンドの一体感は「雨酔い」のミュージックビデオにも映っていますけど、やっぱりMVには絶対に梅津さんにも出てほしかった?

jo0ji:この曲のMVは物語を見せるより、音楽で色々想像してもらって各々の人生に照らし合わせてほしくて。ただひたすら演奏しているもののほうが入り込めるかなと思ったので、梅津さんにも出てほしいなと思って。俺と梅津さんがパンッて出てくる瞬間が、「俺らです」みたいな感じで一体感が出ていて嬉しいですね。

最後に付け加えた4行の意味

―2022年3月にアップされているデモには最後の合唱がないですよね。今回そこを付け加えたのは、どういう想いからだったんですか?

jo0ji:梅津さんと一緒に録ったときにもなかったんですよ。みんなでやったとき、バンドの演奏が合唱しているように俺は思ったんです。特にアウトロは、全員の楽器が何かしら歌っているというか。ここにみんなで歌えるものを入れたら、ライブのときに全員が歌っている状態にできるのではないかというふうに思って。合唱パートをつけたらよりみんなの歌になる気がして、合唱パートを追加した感じですね。

―じゃあ梅津さん的には、歌がないと思って吹いたところが、あとから仕上がりを聴いたら「歌が入ってるじゃん」ってなったということですか?

梅津:そうなりますね(笑)。

jo0ji:でもそれがなんかいいんですよね。各々の楽器が好きなように歌っている中に、それを包むような感じの合唱があればいいなと思っていたので、バッチリだったと思います。

―その合唱パートに乗っている歌詞がまた素敵なんですけど(〈窓の外が流れる、ただ流れている/雨の先にだけ 虹は待っている/僕等には まだ光がある/僅かだけど 確かにある〉)、これはどんなことを考えて書いたものだったんですか?

jo0ji:この曲は3年前くらいに友達が失恋したのがきっかけで作ったものなんですけど、そのときに思ったのが――その子は落ちるところまで落ちちゃって、どん底ではあるんだけど、でもすごく吹っ切れていて。そこがかっこいいというか、強さをすごく感じたんです。土砂降りの中で電話がかかってきて、まず「今どこで電話をかけてる?」っていう質問をしたくらい、台風の最中に電話をかけてきてんのかなって思うようなノイズが乗っている中で、「ダメになっちゃったみたい」みたいなことを言われて。そういう言い草ではあって大丈夫じゃないんだけど、大丈夫そうだなっていうふうに思って。絶望なんだけど希望がある感じにも見えたので、そういう強さみたいなものを曲にしたくて。

追加した4行は、その友達と電話で「合唱パートを入れたくて」ということをしゃべって、3年前の話をしながら「じゃあこんな歌詞かな」みたいな感じで一緒に作りました。〈窓の外が流れる〉っていう歌詞は――そもそもこの曲は、その子が男の子を追いかけて鳥取から大阪へ行って、ダメになっちゃって、親に鳥取に連れて帰られるときの曲なんですよ。そのとき、車の後部座席に無理やり押し込められて帰る感じだったらしくて。それが『千と千尋の神隠し』の最初のシーンの、千尋が後部座席で花束を持って寝ているのと同じ状態だったらしいんですよ。後部座席で寝ていたら窓が頭側にあって、「自分には何もなくなった」っていう虚無の状態で、本当に、悲しみも嬉しさも希望も絶望もまったくなくて無だったらしいんです。ただ、ぼーっと窓の外が流れていただけだったらしくて。そういう話を聞いて、「無駄に希望を見せるような曲ではない気がするんだ」っていう話もされて、だったら「絶対にいい未来が待っている」というような締め方はせず、「でも何かいいことがあるんじゃないか」っていう予感だけはするような歌詞にしたほうがいいのかなっていうので、こういう歌詞にしました。絶望の中にもある多少の光に気づけるような曲になればいいなと思って。

―やれることはやったし、もうどうしようもできない、みたいな気持ちだったんでしょうね。でも明日も生きなきゃいけないし。

jo0ji:やれることはやったんでしょうね、本当に。そう言ってました。でもダメになっちゃって、無気力だったと思うんですけど、それでも息はするし心臓は動くわけだし。別に何を見ているわけでもないけど、何かは見えちゃうわけですしね。そういう感じがあったと言っていたので、それをそのまま歌詞にしてみました。

梅津:その女の子にも会わせてもらったんですよ。「あ、この人なんだ」と思いながら、わりと普通の人だったけど、普通の人にもいろんなストーリーがあるわけだから。

―ああ、「普通の人にもストーリーがある」というのは、jo0jiさんの音楽の核にあるものを表現してくださる言葉ですね。その子に会ったというのは、あえて梅津さんに会ってもらったということですか?

jo0ji:いや、たまたまですね。「駄叉」の子にも一緒に会ってるんですけど。

―「駄叉」も友達が失恋したときに作った曲で、もしかして「雨酔い」と「駄叉」は同じ子なのかなと思っていたんですけど、別の子なんですね。

jo0ji:そうなんです。梅津さんがライブで鳥取に来ていた日の翌日に神社で餅まきの祭りがあって、「梅津さんが餅まきしてるらしいよ」って(スタッフから)聞いて、「じゃあ行くか」って。そこで一緒に餅まき見ながらしゃべってました(笑)

梅津:こちらの故郷の方たちとすごく仲良くなっちゃった(笑)。

jo0jiは「孫」

―すごくいい時間を何度も過ごした上で、この曲ができあがっていたんですね。

jo0ji:本当に、今年は梅津さんとの思い出がたくさんありますね。
梅津:孫かなと思うくらい。

jo0ji:(jo0jiより)1歳上のお孫さんがいるんですよね?

梅津:そう。孫の年代の人たちと会うことはあまりなかったので、一緒にできるのがすごく嬉しいし、気が楽です。フェスのときも、孫が歌っているような気持ちで「しっかりやれよ」と思いながら見てました。

―(笑)。

jo0ji:本当に、孫みたいな感じでいるかもしれない。俺も梅津さんとしゃべるとき、近所のおじちゃんとしゃべっている感じにマジで近くて。『オハラ☆ブレイク』の打ち上げのときも、周りがレジェンドすぎるから(他の出演者は甲本ヒロト吉川晃司など)、俺は梅津さんを頼りにしてずっと横でご飯食べてました。

―気を使わない関係性というのは、年齢のことだけじゃなくて、お二人の人間性ゆえでしょうし、それが「雨酔い」で梅津さんとjo0jiバンドが馴染みまくっている雰囲気を生んでいるのだなと思いました。

jo0ji:本当にそうですね。バンドメンバーともふざけた感じでしゃべってますもんね(笑)。

―だからこそ、梅津さんとやっても「清志郎を受け継ぐぞ、背負うぞ」みたいに気負うこともなくやれている感じですか?

jo0ji:身軽にやってますね。それでいいとは思いつつ、でも清志郎を好きだった人たちからすれば、今年これだけいっぱいトリビュートとかをやらせてもらって、しかも梅津さんとやらせてもらったので、重ねて見てもらっているところもあると思っていて。気負わず、でもちゃんと気は引き締めて、という感じでやれたらいいなと思っています。

jo0ji×梅津和時対談 RCサクセション奏者が語る、昨今の音楽とjo0jiの現在地

『jo0ji 1st album tour 2025 「あえかなる」』東京・EX THEATER ROPPONGIにて

梅津が説く、楽しく続けるための秘訣

―50年後、jo0jiさんが梅津さんの年齢になったとき、自分も音楽をやっている想像は付きますか? アルバムのインタビューでは「アルバムを出せたことで『俺、よくやったな』『人生頑張ったな』ってすでに思っちゃうんですよ。俺の地元は本当に田舎の何にもないところなので、こうやって東京で音楽をやって、雑誌に載せてもらって、記事を書いてもらってみたいなことって本当にありえなくて、満足しているというか」という話をされていましたよね。

jo0ji:ずっと音楽はやっているんだと思いますよ。楽しいから。事務所に入ってプロという感じでやれているかどうかはわからないですけど、音楽を作るのは好きだし、嫌いになることはないなっていうのはもうわかったので、ずっとやっていきたいなと思います。こうやって梅津さんに会えたり、いろんなことがあるから、音楽はずっと続けたいと思いますね。直近だと、武道館でライブをしたいというのが目標ですね。

―梅津さんとしては、この先jo0jiさんにどういうふうに過ごしてほしいなと思いますか?

梅津:もう自由に! そんな、孫のことをいちいち言えませんから(笑)。海外戦略とかも色々考えていたりするのかなとも思うし。先行きは絶対に大丈夫だと思っているけど、どういうふうになっていくのかなっていう興味はありますね。

jo0ji:こうやっていろんな人と一緒に音楽やって、自分のありたい像がなんとなくできてきているので、それに近づけるように頑張ります。より日本的な存在になりたいなとは思っていますね。洋楽とかいろんな音楽を吸収しつつ、「日本人だからこういう音楽をやっているのだろうな」みたいな、ちゃんと出自がわかる音をこれから先もずっとやりたいかなとは思っています。

梅津:自分のバンド(ドクトル梅津バンド)はインストだったから、海外で売りたかったんですよ。おかげさまでヨーロッパとかも随分回ったんですけど、日本のレコード会社にいくら言っても海外では売ってくれなかった。それで、「じゃあ自分でやろう」ってなったんです。RCサクセションにも散々「(海外に)行かないの?」って言っていたんですけど、レコード会社としては日本だけでレコードが売れればいいという状況だったから全然動いてくれなくて。そしたらYMOがパンッと海外に出たので「やられちゃったじゃん」と思ったし。だから今、藤井風くんとか海外でちゃんとやっているのを見ると、レコード会社や周りがちゃんとそういう見方をするようになってくれたんだなと思って。もしかしたら今だったら、そういうことができるのかもしれないなと思ったりもします。

―そのお話はすごく興味深いです。

梅津:でも今の自分でかなり満足しているんですよ。海外でめちゃくちゃ有名だったわけではないけど、100人くらいのところではいっぱい(ライブが)できてすごく楽しかったし、それがあって今の自分がある状態なので。だからある意味、海外で大ヒットを出すことに関しては全然ダメだったけど、逆にそれでよかったと思うところもあるから……何がどうなれば「いい」になるのか、ちょっとわかってないんですよ。

―梅津さんを見ていると、幸せな音楽活動を長く続けるには、というかむしろ幸せに生きるために大切なこととは何かを教えられますね。

梅津:こうやって会えるのも嬉しいし。孫の世代と一緒にやれたっていうのは、私にとってはものすごく大きな事件で。このまま自分の世代の人間としかやらなくなっちゃうと先はなくなっていくから、どうすればいいのかなと思っていたところで、jo0jiとやったり『SWEET LOVE SHOWER 2025』があったりしたことがすごく大きくて。それで、なんだかまだまだ楽しくやれそうだなって思いました。まだ「やれることないかな」「人がやってないことないかな」と思っていますね。まだ面白いことはいっぱいありそうで、考えなきゃいけないことがたくさんある。

jo0ji:びっくりしたんですけど、梅津さん、左手でご飯を食べてたんですよ。「あ、梅津さん左利きなんですか?」って聞いたら「60歳を超えてから、右手でご飯を食べるのに飽きたから左手で食べ始めた」みたいなことを言ってて(笑)。

梅津:なんか(左手が)もったいないなと思って……。

jo0jii:(笑)。だから退屈しない人なんだろうなって思いますね。

Edited by Yukako Yajima

jo0ji×梅津和時対談 RCサクセション奏者が語る、昨今の音楽とjo0jiの現在地

jo0ji『雨酔い』
配信中
https://jo0ji.lnk.to/Usui

jo0ji tour 2026「よあけまえ」
2026年5月10日(日)愛知県 Zepp Nagoya
2026年5月16日(土)大阪府 Zepp Namba
2026年5月22日(金)東京都 Zepp Haneda

FC先行受付期間:2025年12月1日(月)12:00~2025年12月21日(日)23:59
jo0ji

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入会受付中:https://smam.jp/jo0ji/
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