カーネーションの10thアルバム『LOVE SCULPTURE』(2000年リリース)発売20周年を記念して、同年に発売されたシングル盤CD、アナログ盤に収録のはっぴいえんどカバーが初の12インチ・アナログ化、12月9日に発売される。
現在は入手困難なトラックとなっている「春よ来い」、「はいからはくち」、「抱きしめたい」の3曲に、本作のために録り下ろされた新録カバー「かくれんぼ」を追加収録したスペシャルEPだ。
収録曲はいずれも和製ロック・クラシックとして名高いオリジナル曲を忠実に再現しながらも、よりサイケデリック/ガレージ感のあるアレンジでカーネーションらしさも楽しめる傑作カバーに仕上がっている。
特典として「かくれんぼ」のダウンロードコードを封入。カーネーションファンはもちろん、はっぴいえんどファンともに必携の一枚だ。
なお、本作はアナログ盤のみでのリリースとなり、CDなど別フォーマットでの発売は予定していないという。

今年、2020年は『LOVE SCULPTURE』発売20周年にあたる年。その記念に何かできないかと思ってはいたのだけれど、新型コロナウィルス感染症の流行で何もできず、それならばと企画が上がったのが『カーネーション sings はっぴいえんど EP』だ。
1999年11月9日。カーネーションは川勝正幸さんのお声がけで松本隆 作詞活動30周年記念ライブ “風待ミーティング” に出演した。場所は渋谷ON AIR EAST。ぼくたちはその2日間に渡るイヴェントのトップバッターだった。披露したのは、はっぴいえんどの「春よ来い」「抱きしめたい」「12月の雨の日」「はいからはくち」の4曲だった。
カーネーションはアルバム『LOVE SCULPTURE』の録音中だったこともあり、ある日、ひと通りの作業を終えた後「せっかくだから、この間やったはっぴいえんども録音してみよう」となった(「12月の雨の日」は録音せず)。
はっぴいえんどがぼくたちの音楽性のルーツにあることはもちろんだが、カーネーションの90年代後期、5人時代の熟しきった演奏をダイレクトに記録できたこのカバー音源を再び『LOVE SCULPTURE』発売20周年記念のアナログ盤としてまとめるアイデアは悪くないと思った。ただしやるなら新録音もという条件付きで「かくれんぼ」に挑戦した。前回のように勢いだけではなく、スティーヴン・スティルスばりの大瀧詠一氏の声色を意識しつつ、譜割りを完全に踏襲して歌ってみた。カーネーションのいまのところ一番新しい音がこれになる。ドラムスは張替智広。GOKの近藤祥昭によるアナログ録音でミックスは原真人。シンプルで余裕のあるたっぷりとしたサウンド、この久しぶりのスタジオ作業の手応えが今後のサウンドにどう繋がってゆくのかが自分でも楽しみだ。
そして、ぼくたちはこの33回転4曲入りのアナログ盤やいくつかの新曲と共に東阪ツアーに出る。タイトルは『LOVE SUITE』(愛の組曲)。