経済産業省は6月27日、半導体産業向けの工場セキュリティ対策指針を「半導体デバイス工場におけるOTセキュリティガイドライン(案)」として取りまとめ、日本語版・英語版ともに60日間のパブリックコメントを開始すると発表した。

 同ガイドライン(案)は、主に半導体デバイスメーカーの製造部門(実務者レベル)向けに、「生産目標の維持」、「機密情報の保護」、「半導体品質の維持」を守るべき対象として、最も高度な攻撃者(国家の支援を受けたAPTグループ等)を想定した対策レベルを実現するために必要な工場セキュリティ対策の指針を示すもので、SEMI策定のE187/E188規格や米国立標準技術研究所(NIST)のCybersecurity Framework 2.0(NIST CSF 2.0)などの各種セキュリティ規格と整合している。


 同ガイドライン(案)は、工場のセキュリティ対策を進めるための一般的なプロセスで、リスクベースのサイバーセキュリティフレームワーク(サイバー空間とフィジカル空間を統合的に保護するための基本原則と具体的な指針を定めた「サイバー・フィジカル・セキュリティ対策フレームワーク」(CPSF)及びNIST CSF2.0)を活用したリスク分析や、具体的な対策を検討する際などでの活用が想定されており、示す対策項目としては、大きく下記2点。

・半導体デバイス工場のリファレンスアーキテクチャに基づき、リスク対策フレームワーク(CPSF及びNIST CSF2.0)を活用して洗い出された、半導体デバイス工場の特徴を踏まえたリスク源(脅威、脆弱性)に対応するセキュリティ対策項目

・Purdueモデルで分類したファブエリア、ファブシステムエリア、外部サービス及びIT/OT DMZ(ネットワーク間の緩衝領域)、組織・ヒト側面についての対策項目

 意見募集の対象は、「半導体デバイス工場におけるOTセキュリティガイドライン(案) 日本語版」「半導体デバイス工場におけるOTセキュリティガイドライン(案) 英語版」で、同省ホームページで公開されている。意見募集は2025年6月27日から2025年8月26日必着で電子政府の総合窓口「e-Gov」で受け付けている。

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