ベトナムでは人びとの交通手段としてバイクが普及している。道路がバイクで埋め尽くされる光景は圧巻で、「バイク天国」と言われるほどだ。
しかも、ベトナム人が乗っているバイクの多くが日本メーカーの製品であり、中国メーカーを見かけることはほとんどない。

 中国メディアの網易はこのほど、「ベトナムで見かけるのは日本のバイクばかりで、中国ブランドをほとんど見ないのはなぜか」と問いかけ、記事の中国人筆者がベトナム旅行へ行った際に現地の人から聞いた理由を伝えている。

 記事の中国人筆者は、旅行でベトナムを訪れた際、現地のベトナム人に「安い中国製バイクに乗らず、日本メーカーのバイクに乗る理由」を尋ねてみたそうだ。すると、「中国のバイクと日本のバイクとでは品質の差があまりに大きい」との答えが返ってきたという。

 このベトナム人によると、かつて中国メーカーがベトナムで大々的に宣伝をしていたので、「試してみるか」と中国ブランドを購入したベトナム人は多かったという。ところが実際に乗ってみると、運転中にチェーンが外れる、フレームが折れるなど品質に深刻な問題があることに気づき、中国製バイクは信頼を失ったと述べたそうだ。


 この説明を聞いて中国人筆者が調べてみたところ、ベトナム人の発言に「嘘はなかった」そうだ。中国メーカーは広告に力を入れたものの品質をおろそかにし、シェアを獲得するために価格競争路線をとったため、品質は落ちる一方で結局ユーザーにそっぽを向かれてしまったことが分かったという。この点で日本メーカーは価格を下げることなく高品質を保持したので、ベトナム人ユーザーの信頼を勝ち得ることができたとしている。

 記事の中国人筆者は、メーカーは価格競争をするとしても品質と安全性を落とすべきではないと指摘した。そうでないと、販売数が増えても口コミですぐに淘汰されてしまうと警告している。品質を落として安さで勝負するというのは、バイクに限らず中国では多くの製品に共通する傾向と言える。
しかし、長期的には賢明な戦略ではないと言えそうだ。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)