中国では自動車のボディを手で押してみて「鋼板が凹むかどうか」といった単純な事象で「車の安全性」そのものを判断しようとする消費者が今も少なからず存在する。

 ボディの表面に使われている鋼板だけで車全体の安全性が分かるはずがないのだが、「日系車はボディの鋼板が薄いので、安全性に劣る」といった「間違った噂」も存在している。
こうした噂に対し、中国メディアの快資訊は23日付で、ボディの鋼板で安全性を判断しようとする中国人消費者は「完全に間違っている」とし、そうした認識は「非常に愚か」であると説明した。

 中国のネット上では、日系車が「自転車」と衝突した時にボディが大きく凹んだり、バンパーが壊れたりした事故の写真が広まっているが、記事はこうした写真が写す光景は「ごく当たり前のこと」だと指摘。自動車のバンパーは衝突時のエネルギーを吸収するために通常、樹脂性のものが使用されているが、これは歩行者などの安全を考えて、あえて壊れやすい樹脂性のバンパーを使っているのだと強調した。

 そして、もしフロントバンパーが金属であった場合、衝突時に自動車本体に生じる傷はいくらか減るかもしれないが、衝突された人間が受けるダメージは極めて大きくなると指摘した。また、ボディの鋼板がどれだけ厚くても事故の際の安全性にはほとんど影響を及ぼさず、安全性は車体構造そのものに左右されることを指摘した。

 結論部で、自動車は中国全土に普及しているが、自動車についてきちんと理解している中国人は多くはないと指摘している。フロントバンパーに関する知識もその1つだが、中国人のカーオーナーの中にはこうした知識がないためにフロントバンパーを改造して硬くする人もいるようだ。記事は「無知は本当に恐ろしい」と表現し、自動車を正しく理解することの必要性を強調した。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)
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