アジア人で唯一、オリンピックの陸上トラック種目で金メダルを獲得したのは中国の劉翔氏で、アテネ五輪の110メートルハードルで金メダルを獲得した。ハードル走は長らく中国の得意種目でアジアトップのレベルを維持してきたが、最近その地位が「日本人選手によって脅かされている」と感じているようだ。
中国メディアの網易はこのほど、ハードル走で中国が日本に追い越される可能性について分析する記事を掲載した。

 記事は、2021年4月に広島で行われた陸上の織田幹雄記念国際大会の男子110メートルハードル決勝で、金井大旺選手が13秒16の日本新記録で優勝したことを紹介した。この記録は、現在の中国のエースである謝文俊選手の最高記録を0.01秒上回っており、劉翔氏が持つ12秒88に次ぐアジア歴代2位の記録だと伝えた。

 この結果に、多くの中国人ネットユーザーが反応を示し、「複雑な気持ちだ」、「110メートルハードルでの中国の覇者としての地位が危ぶまれる」、「日本の進歩がこんなにも速いとは思わなかった」など、危機感を示すコメントが多く出ているという。

 しかも、日本には金井大旺選手のほかに高山峻野選手と泉谷駿介選手という実力者もいると指摘した。一方の中国は、若い曾建航選手が怪我で戦線を離脱しているため、今のところ謝文俊選手の1人しか有力選手がいないそうだ。

 しかし記事は、中国のエースである謝文俊選手は経験を積んでいま最も安定した選手となっており、以前は大きな試合になると実力を発揮できなかったのが、最近では大きな試合でも結果を残すようになったと指摘した。それで、東京五輪でも謝文俊選手の活躍が期待できるので心配はいらないと読者を安心させている。

 これまで110メートルハードルは日本であまり注目されていなかった種目かもしれないが、中国の得意種目だったので中国では非常に注目されているようだ。東京五輪では日本人選手の活躍に期待したい。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)
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