中国のポータルサイト・百度に14日、「日本の伝統的なグルメであるおでんが、中国では『イマイチ』な理由」とする記事が掲載された。記事によれば、使われる食材や調理の手間、日本人のと中国人の味覚の違いといった点が要因のようだ。
記事は、中国で「関東煮」と呼ばれているおでんは日本の関東地方をルーツとする料理であり、日本国内では特に人気の高い食べ物だと紹介。おでんは日本統治時代に台湾にも伝わり、20世紀末には中国大陸にも伝わったとし、現在では中国のコンビニでも「関東煮」が「標準装備」というべき存在になっていると伝えた。
一方で、コンビニでは当たり前の存在でありながらも中国では日本ほど人気が高くないと指摘。その理由について3つの点から考察している。
まずは、使われる食材やかける手間の違いを挙げた。日本のおでんは具材とスープ両方にこだわりがあり、こんにゃく、大根、ちくわ、さつま揚げ、煮卵などバラエティ豊かな具材を、魚介でとった出しや醤油によってできるスープで丁寧に煮込んでいると説明し、食材がスープや他の食材の旨味を十分に吸い込み、互いに邪魔し合うことなく煮込むほどにどんどん旨味を増していくのだと紹介した。
一方で中国の関東煮にはそこまでの「こだわり」は感じられず、具材は冷凍食品の魚のすり身団子などで、スープは火鍋の素を水で薄めて作ったようなものであり「低スペック版の麻辣湯」レベルなのだとしている。
次に、日本人と中国人の味覚的な好みの違いに言及。日本人は薄味で、食材本来の味を活かすような味付けを好むためにおでんのような料理が人気を集めるのに対し、中国人は濃い味付けが好みであるため関東煮よりも麻辣湯を愛好するのだと伝えた。価格面についても言及し、具材が串に刺さっている関東煮は数串選んだだけで数十元という値段になってしまうのに対し、麻辣湯は十数元もあれば腹いっぱい食べられるのだと説明した。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)