日本ではほとんど見かけなくなった「サンルーフ」付きの車だが、中国ではサンルーフの人気が高く、かなりの確率でサンルーフ付きの車を見かける。中国メディアの快資訊は15日、「日本にあまりサンルーフ付きの車がない理由」を分析する記事を掲載した。


 日本でもサンルーフが人気だった時期はある。車内が明るく、開放的になるサンルーフはデートカーとして愛され、換気ができると喫煙家にも好評で、1980年代から90年代には「豪華装備」として憧れの存在となっていた。現在の中国で人気なのも、同様の理由からだろう。記事は「サンルーフと本革はメンツの証」と紹介している。

 では日本のサンルーフ離れにはどんな理由があるのだろう。記事は「日本の車は小型車が多いためではないか」と指摘している。サンルーフは後部座席の圧迫感を軽減してくれるが、日本では1人または2人での乗車が多いので、必要性があまりないとした。

 また「倹約」志向の日本人は、必要最小限の装備で満足するもので、購入費と維持費が余分にかかるサンルーフを付ける人は少ないと説明した。さらに記事では指摘していないが、喫煙者の減少も関係していると言われている。

 サンルーフからは、日本人の消費概念の変化を感じることができそうだ。中国はいまだに「メンツ」で選ぶ傾向が強いが、記事は中国の消費者もそのうち「実用重視」に変化していくのではないかと期待を寄せている。とはいえ、日本でもコロナ禍で移動中に換気ができる、とサンルーフを見直す人も出てきているようだ。
日本人が車に求めるものは、時代とともにさらに変化していくのかもしれない。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)
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