中国メディア・新華網は20日、中国で6~17歳の青少年の5人に1人が肥満であることが調査によって明らかになったとし、その大きな要因について紹介する記事を掲載した。
 
 記事は、先日発表された「中国居民膳食指南科学研究報告」において、中国国民の栄養状態や体格が顕著に向上したことが明らかになり、5歳以下の発育遅延率、低体重率が2020年の計画で設定した目標をすでに達成したと紹介。
児童や青少年の貧血率、ビタミンA不足率も顕著に低下し、国民の栄養摂取状況が大きく改善されたと伝えた。
 
 また、栄養水準の改善により6~17歳の児童、青少年の身長が顕著に伸びており、この30年で10年ごとに平均3センチ身長が高くなったとする一方で、「身の回りの肥満児も増えた」と指摘。同報告のデータで、6歳以下の乳幼児の肥満率が10.4%、6~17歳の肥満率が19.0%に達したことが明らかになったとし「小中学生・高校生の5人に1人が『おデブ』ということだ」と紹介している。
 
 その上で、中国の青少年の肥満率が上昇している要因として、運動不足に加えて加糖飲料の多量摂取があると解説。砂糖入りの飲料あるいは乳飲料の児童、青少年による消費率が30%前後であり、糖分の過剰摂取が青少年の肥満のみならず、将来的な糖尿病を引き起こす危険因子になっていると伝えた。
 
 中国では加糖飲料がポピュラーで、ペットボトルのお茶にも砂糖が入っているというのはもはや有名な話。健康志向の高まりとともに無糖飲料も増えているようだが、それでも甘ったるいペットボトル飲料の人気は根強い。かつて知り合いの中国人は「お茶にまで砂糖を入れるのは、貧しい時代に甘いものが飲み食いできなかった反動」と説明していた。急発展によって豊かになった中国で今後、砂糖がたっぷり入った清涼飲料は淘汰されていくことになるのだろうか。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)
編集部おすすめ