中国を代表する「名刺」であるとして、多くの中国人が誇りにしている「高速鉄道」は、2020年末の時点で営業距離が3万8000キロにまで達したという。しかし、「100%国産化」にはまだ手が届かないようだ。
中国メディアの百家号は28日、「中国高速鉄道の国産率化は97%」と紹介する記事を掲載した。なぜ100%ではないのかを分析している。

 記事はまず、中国高速鉄道は中国人の自尊心を満たしてくれていると主張し、中国を代表する「名刺」として、世界に胸を張って主張することができるが、そのすべてを中国国内で生産できないのが残念なところだという。残りの3%は「中国の研究開発の現状を暴露している」と悔しがっている。

 では、この3%とは、どの部分なのだろうか。記事はこれまで日本など海外に頼りきりだった基幹部品は「車輪、パワー半導体のIGBT、トラクションモーター、ベアリング」の4つだったと紹介した。このうち、車輪は半分が国産できるようになり、IGBTは海外企業を買収することで技術を得て、トラクションモーターも徐々に国産化を進めているので、将来的には完全な国産化も夢ではないという。ただ「唯一、ベアリングだけが完全に輸入しており、これが残りの3%だ」と最大の難関だと伝えている。今は国産化に向けて開発を進めているところで、テスト段階だという。

 中国の科学技術は、月の土壌を採取したり、宇宙ステーションを建設したりするほど、高い実力を誇っている。それなのに「名刺」の一部が日本など他国頼みというのは、メンツに関わる問題なのだろう。記事に対して、「研究開発しないのではない。
できないのだ」という声や、「中国国産といっても、部品を作る設備は海外製」といった、厳しい意見が飛び交っていた。

 たった3%とはいえ、97%と100%との間には大きな隔たりがある。あるユーザーは、「人間の脳の重さも2ー3%ほどだが、重要度は9割」と指摘しており、別の人は「これまでは30%の力で97%に達したが、残りの3%を自分のものにするには70%の力が必要」と論じていた。中国高速鉄道が完全な国産化に達するまでには、まだまだ時間がかかりそうだ。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)
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