厚生労働省が2019年に発表した「国民健康・栄養調査報告」によると、肥満者の割合は成人男性が33.0%、女性は22.3%だった。この数字は10年ほど変わっていないようだが、中国は経済成長とともに肥満者が急増していて、成人の肥満率は半数を超えているという。
記事の筆者は日本に住んでいる中国人で、これまでの観察の結果として「日本人は食に関する知識がある」ことに気付いたそうだ。各自がこの知識に基づき、自分の「食べるもの」、「食べる量」、「栄養」の3つをコントロールしていると指摘した。レストランのメニューには、カロリーと塩分が表記されていることが多いが、これは中国ではあまり見られない。
食べる量についても、日本では昔から「腹八分目に医者要らず」と言われるが、中国では食後に「お腹いっぱい食べましたか?」と聞く習慣があるほど、食べる量をセーブするという考えがない。記事は、日本人は各自が自分の適量を把握しているので、レストランやスーパーでは小食の人に対応しており、お菓子やアイス、カップラーメンまで何でもミニサイズが売っていると伝えている。
では栄養面はどうだろう。日本には健康的な食べ物がたくさん売っていて、コンビニではサラダチキンや野菜などヘルシーなおかずが多いと紹介したほか、清涼飲料水やお菓子などでも、「低カロリー」を売りにしたものがあると驚いている。
「医食同源」は中国由来の考え方だが、日本でこそ実践されているようだ。中国では、太ってしまった人がまず考えるのは「ダイエット商品に頼る」ことのようだ。肥満率が高い中国では、飲むだけで痩せるお茶、身につけるだけで痩せるベルトなどが市場にたくさん出回っているが、根本的な解決策にはならないだろう。まずは各自が食への理解を深め、量やカロリーをコントロールする日本の方法を参考にしてみてはどうだろうか。