記事はまず、世界市場でも日本の空調メーカーは世界一だと紹介した。空調業界で世界一の売り上げを誇るのは日本企業のダイキンであり、ベトナムではダイキンに加えてパナソニックが圧倒的な競争力で「選ばれている」という。記事によると、パナソニックは地域により25%から30%のシェアで1位、ダイキンは19%で2位なので、シェアの約半分はこの2社で占められていることになる。
この2社のベトナムでの成功について、記事は「現地のユーザーのニーズを良く理解している」と高く評価している。都市部と地方ではニーズが違うが、日本ブランドは主に健康志向の強い都市部の消費者に選ばれているようだ。そのため、急速冷却、空気清浄、湿度調整、さらには最近人気のインバーター機能や、スマホで遠隔操作できるシステムなどを導入し、差別化を図っているとした。特に、「空気清浄の技術」は普通の空調メーカーにはないため、日本ブランドは有利だという。
もちろん、日本ブランドが選ばれるのは「信頼性の高さゆえ」でもある。最近では、新型の半額ほどで済む中古エアコンを選ぶベトナム人も増えているが、上手に選んだものは5年ほど使えるので、「日本の中古のエアコンを買う」ことにしている人も多いと伝えている。
中国にも多くの空調メーカーがあり、2020年には家電メーカーのハイセンスがベトナムに進出しているが、存在感はほとんどないようだ。日本のほか、タイ、韓国、米国、そして現地・ベトナムなど多数の国の企業がしのぎを削るベトナムで圧倒的な競争力でシェアを獲得しているのが日本メーカーだ。