中国では「防災」という考え方はほとんど普及しておらず、日頃から防災を意識している人はほとんどいない。一方、日本は災害の多い国だけあって、防災に無関心という人はあまりおらず、防災グッズも非常に充実している。
それだけに中国人からすると日本の防災グッズは目新しいものばかりのようだ。中国メディアの快資訊は7日、「日本の防災グッズ」を紹介する記事を掲載した。

 記事はまず、新型コロナ感染拡大で「災害時こそ、国力がはっきり分かる」のを痛感したと伝えている。中国はコロナ対策で厳しいロックダウンを実施し、一時は日常生活が「パニック状態」に陥るほど混乱した。日本でもマスクや消毒液などが店頭から消えたが、日ごろから防災グッズを準備していた人は多少なりとも助かったはずだ。

 記事の中国人筆者は「頭の中に防災の意識がまるでなかった」というが、日本の防災グッズを知る機会があり、「別世界への扉が開いた」と感動を伝えている。日本人が用意している防災グッズについて、記事は「身を守るもの」と、「避難先で使うもの」の2種類に大別できると紹介した。

 「身を守るもの」としては、水、食料品、電池、包帯、地図、マスクなどのように、災害発生直後に必要になるものがあると伝えた。「避難先で必要になるもの」はまた違っていて、一定期間の滞在を想定したものだ。防災グッズのなかには、中国人として「意外」に感じるものがたくさんあったそうで、ラジオや軍手、サランラップの用途を知って「なるほどと感心してしまった」と伝えている。サランラップは止血や保温に使えるほか、場合によってはお皿として使ったり、紐のようにして使ったりと、災害時にはさまざまな用途で活躍してくれる。

 もちろん、防災グッズは使う機会がなければそれに越したことはないが、備えあれば患いなしだ。
中国語にも同じ意味の「有備無患」という言葉があるが、天災に対しては実践されていないのが現状だろう。記事の筆者は、中国人には「災難が自分の上に降りかかることはない」という根拠のない先入観があると自戒し、日本人の「いつ災害が自分に降りかかるか分からない」という考え方にシフトチェンジすべきだと指摘している。まずは手近なところで、「日本の防災グッズ」を参考に準備を始めてみてはどうだろうか。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)
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