中国のポータルサイト・網易に24日、「紆余曲折だらけの東京五輪、日本はどうしてそれでもやろうとするのか」とする記事が掲載された。
記事は、開幕まで1カ月となった東京五輪・パラリンピックはさまざまな障害に妨げられており「新型コロナのような天災、福島第一原発の汚染処理水放出問題という人災により、各界から大会開催に対する疑問が噴出している」とした。
そして、日本が今回の五輪・パラリンピックを誘致し、開催する大きな目的は国際的イメージの向上と、経済の活性化にあることは広く知られていると説明しつつ「日本のイメージは原発問題で大きく下落し、経済回復も新型コロナによって観光収益が見込めなくなっている状況であるにもかかわらず、日本はどうしてそこまで大会開催に固執するのか」と疑問を呈している。
その上で、日本が大会開催の姿勢を崩さない根本的な理由が「損を減らすため」であると指摘。これまでに大会開催に向けて2兆円以上の資金を投じる一方で、放映権やスポンサー収入、チケット収入、観光収入などが見込めず、すでに大きな損が出る見込みである中、中止や再延期となれば巨額な違約金の支払いが生じるため、「やらないよりはやったほうがいい」状況なのだと伝えた。
また、大会の開催は政治的な要素も絡んでおり、日本の現政権が大会開催を大きな「政治的成果」にしようとしていると解説。この期に及んで中止や再延期となれば、政権や与党にとって大きなマイナスになるばかりか、野党を勢いづかせることになるとした。
記事は「準備期間の大量投資、政党の利益といった理由から、日本政府は五輪・パラリンピック開催にしがみつかざるを得ないのだ」とした上で、「しかし、日本が再び国のイメージを向上させ、『失われた30年』を取り戻すのに、五輪・パラリンピックの『一点買い』を頼みにするのはあまりにも理想化しすぎている」と評した。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)