これまで、中国製品は「安かろう悪かろう」のイメージが強かったが、最近では品質向上に力を入れるようになっており、以前と比べて質が良くなったと感じている中国人は多いだろう。

 品質向上という点で中国は日本の例が参考になっているという。
中国メディアの快資訊はこのほど、「メード・イン・ジャパンだってかつては粗悪品の代名詞だった」と驚きを示しつつ、「どうやって高品質へと転換させたのか」と問いかけ、その秘訣について考察する記事を掲載した。

 中国には「一分銭一分貨」という言葉がある。これは、値段と品質は比例しているという意味で、安物はそれなりの品質だが、値段が高ければ相応の高品質になるという意味だ。実際、中国では今でも安い粗悪品が多くある一方で、値段の高い製品はまずまずの品質を確保している。

 記事は、日本製品も終戦直後のころは品質が悪く、欧米ではメード・イン・ジャパンと言えば価格は安いものの粗悪品というイメージだったと指摘した。では、日本はいかにして品質向上を実現したのだろうか。記事は、米国の統計学者ウィリアム・エドワーズ・デミング博士の影響が大きかったと分析した。品質管理という概念を学んだことで品質が大幅に向上したという。それで記事は「日本は米国の技術と経験を使って米国を負かした」と論じている。

 このほか、日本の成功は新技術を生み出すというより、現有の技術を更に改善し、他国が生み出した新技術を導入し応用することに長けていたと分析した。例えば、デジタルカメラは米国が発明したが、大きく発展させたのは日本だと指摘している。それで、日本の成功は「イノベーションというより、集中して継続し、細部にこだわること」のおかげだと説明した。


 この発展モデルは、品質向上を目指す中国にとっては大いに参考になっているようだ。しかし、品質管理の重要性を理解しても、その実践において中国はなかなかうまくいかないようで、これはおおらかな国民性ゆえに細部をおろそかにしがちだからなのかもしれない。日本のように値段が安くても質が高いというレベルに達するのは、現状ではまだ難しそうだ。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)
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