貧富の差が極めて大きい中国では、都市部と農村部の格差がよく問題視される。だが、ごく一部ではあるものの豊かな農村もあるのも事実であり、中国の動画サイト西瓜視頻はこのほど、中国には「まるで日本のような農村」があると紹介する動画を配信した。
配信者が紹介したのは、浙江省杭州市の郊外にある農村だ。動画を見ると、中国都市部にある高層マンションは見られず、戸建て住宅が並んでいる。狭いながらも清潔な道路の両側には比較的新しい住宅が並んでおり、どの家にも自動車があって、木造住宅ではなく3階建てや4階建ての家が多いことを除けば、その様子は確かに日本の住宅街に似ている。
浙江省杭州市は上海にも近い中国沿岸部の都市で、中国のなかでも全体的に発展している地域だ。沿岸部から先に発展が始まった中国では、内陸部と沿岸部の発展格差が非常に大きい。動画で紹介したような農村は内陸部ではまず見ることのできない光景といえる。
この動画を見た中国のネットユーザーからは「これって本当に我が国の農村なのか」と驚きの声が上がった。そして、日本によく似ていると感じた中国人も多かったようで、「ここって日本人が戦後に残した場所か? それとも日本人がまた投資しているのか?」、「なぜ日本のように清潔なのだろう」などのコメントが寄せられた。
ほかにも「今どきの農村は見ていて心地よくなるね」などの感想もあった。確かにこれだけきれいで整備された農村部なら、移り住みたいと考える中国人がいても不思議ではない。このような農村部は「新農村建設」と呼ばれる中国政府による計画の一環であり、新しい農村の姿を模索する、いわばモデル地区なので新しくてきれいな農村なのだ。このような農村が中国全土に広がるには、まだまだ時間がかかると言えるだろう。