2035年までにすべての車を環境対応車にすると打ち出した中国では、電気自動車(EV)の普及が進んでいる。2020年後半からは50万円を切る中国国産の格安EVが売れ始めており、EVの低価格化も進んでいる。
中国メディアの快資訊は3日、「中国のEV産業はドイツでも注目されている」と紹介する記事を掲載した。中国EVによる「世界征服」も夢ではないという。

 記事によると、中国のEV業界はドイツで高く評価されているそうだ。短期間での躍進に対し、ドイツメディアが「高速鉄道を思わせる飛躍ぶり」と伝えたと、誇らしげに紹介した。中国高速鉄道は、日本に遅れること40年余年ながら「あっという間に世界一になった」と成果を強調している。

 中国の自動車業界も、世界に先駆けてEVに力を入れたおかげで、あっという間に世界をリードする存在になったと伝えた。
「自動車で有名だった米デトロイトを負かした日本とドイツの自動車でさえ、EVでは中国に負けるのではないかと懸念しているほどだ」とうれしそうだ。もしEVで負けるなら、皮肉なことに「1980年代にはトラクターも製造できなかった中国に負けることになる」とドイツメディアは伝えたという。

 では、EVで自信を付けている中国の自動車業界は、今後どうなるのだろうか。記事はドイツメディアが「世界をリードしているのは中国のようだ」と報じたことを伝えている。中国には世界一の自動車市場があり、EVに限れば部品からほとんどすべてを中国国内で生産できる能力があり、次世代ネットワーク「5G」も追い風になると強気だ。「今後20年で世界の自動車製造大国になるかもしれない」と締めくくっている。


 新エネルギー車に将来性があるのは事実で、中国はEVにかなりの期待をかけているようだ。日本でも2021年に入り、中国製EVの輸入が急増しているという。世界の自動車メーカーの勢力図はこのまま変わってしまうのだろうか。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)