中国高速鉄道は、2020年末の時点で営業距離が3万8000キロにまで達し、路線建設はさらに続いている。中国メディアの快資訊は27日、「新幹線と中国高速鉄道は、どちらのほうが先進的か」と問いかけ、比較する記事を掲載した。
記事は、営業距離だけで言えば断トツで中国が世界一だが、高速鉄道というシステムそのものについて「日本と中国どちらのほうが先進的か」となると、「どちらとも言えない」との見方を示している。一言で高速鉄道といっても、分野によって日中それぞれ得意分野が違うとしている。
例えば、「技術で言えば日本の方が少しリードしている」が、「建設コストでは中国の方が有利」と伝えた。中国はほかにも、「市場規模が大きい」ので、新技術をすぐに実用化できる強みもあるとした。
ただ、車両のなかでも特に精密さを要する箇所の「部品」については、まだ中国には作れないものもあるため日本から輸入しているほか、中国では「駅」が不便な場所にあることや、「駅弁」でも日本に完敗している、と日本の強さを認めた。さらに、新幹線は路線建設に慎重で、現地の自然環境や経済効果を念入りに調査すると称賛している。これは、社会主義国と民主主義国との違いかもしれない。
中国では営業距離や最高速度など、中国高速鉄道の強みばかりがクローズアップされがちだが、この記事では比較的冷静に分析しているようだ。日本の新幹線にも、中国の高速鉄道にも、それぞれに良さや強みがあるということだろう。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)