プリント基板は、家電やスマートフォン、自動車など、電気を使うもののほとんどに入っており、これには兵器も含まれる。中国はプリント基板産業の分野で高い競争力を持つようになり、影響力を増しているようだ。
記事は、米国のF35ステルス戦闘機のプリント基板に中国製が使用されていたとのニュースは多くの人に「衝撃」を与えたと伝えた。これは、F35にプリント基板を供給する英企業を中国企業が買収していたためで、この企業はほかにも攻撃ヘリ・アパッチやF16などにもプリント基板を提供していたという。それで「中国のプリント基板分野での実力は、世界トップレベルだと言える」と主張している。
記事によると、プリント基板の生産量は2006年に日本を超えたという。2019年のプリント基板の世界売上高は合計613億ドルだったが、このうち329億ドルは中国での製造だったと伝えた。しかし、記事では指摘していないが、これは日本や台湾などの海外メーカーが中国の工場で生産しているためで、中国メーカーの世界シェアはそれほど多くはない。
さらに記事は、プリント基板を加工する工作機械などにおいても中国製品は相当高い実力を有しており、「世界をリードしている」と主張した。しかし、プリント基板製造に際して使用するソフトウェアの分野ではいまだに海外製に頼っているのが現状だと指摘し、「この分野では、中国はまだ遅れていると認めざるを得ない」としている。
とはいえ、中国はプリント基板の製造量で世界一であり、英企業を買収するほどの実力があり、F35にも供給するほどであることから、「中国のプリント基板は国内外でよく売れており、多くの国に認められている」と自賛して記事を結んだ。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)