中国メディア・北京晩報は23日、東京五輪について「日本の文化を展示するチャンスを逃しており、ちょっと残念だった」とする記事を掲載した。
記事は、東京五輪のプレスセンターが設置された江東区の東京ビッグサイトについて「全世界からやってくるメディアに対し、大きなオフィスとしてしか機能せず、五輪を利用して開催国・日本の文化を伝えようという積極的な姿勢が見られなかったのは、正直ちょっと残念だった」と評した。
そして、建物内に全く日本文化に関係するものがなかったわけではなく、食堂ではうどんやうな丼といった日本の食事が提供されていたほか、プレスセンター内には色とりどり、大小さまざまな折り鶴が展示されており、廊下には日本各地の観光資源を紹介するスペースもあったと説明しつつ「しかし、どうして茶道や生花、三味線、能といったパフォーマンスを展示しなかったのか。どうして日本庭園を作らなかったのか。どうして江戸時代の生活シーンや道具などを展示しなかったのか」と疑問を呈している。
その上で、東京五輪はこれまでの五輪とは異なり新型コロナの感染拡大防止という大きな制約の中で行われ、東京にやってきた各国の記者たちは街に繰り出し、現地の人びとの生活ぶりを探索するチャンスが得られなかったと指摘。このような状況だからこそ、プレスセンターや国際放送センターを十分に利用して日本の文化を世界に発信していくべきではなかったのかと論じた。
記事はまた、日本武道館や代々木体育館など東京五輪で使われた各試合会場もそれぞれ文化的なコンテンツを備えているにも関わらず「残念ながら、われわれの目が届く場所において、大会中に文化関連の展示は用意されていなかった」と伝えた。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)