中国は半導体強国を目指して巨額の投資を行っており、2030年までに半導体生産能力で世界最大になると予測されている。中国としては日本のことが気になるようで、中国メディアの百家号は27日、日本の半導体の将来について論じる記事を掲載した。
日本の半導体がお家芸と言われた時代は過去のものとなったが、それでも製造装置や材料ではかなり高いシェアを誇っている。記事は、フォトレジストをはじめとする半導体材料の分野では日本は今でも世界有数の競争力を持っている、とその強さを強調しつつも、日本の半導体産業は「この30年間、米国に振り回されてきた」と振り返っている。
記事は「日本の半導体産業は米国の手の内にある」と形容し、その関係性は「小麦粉とクッキー」で例えることができると説明した。製造装置や材料で高い技術を持つ日本は、力があるようでいて「小麦粉を製粉しているに過ぎない」と主張し、米国は韓国とともに「その小麦粉でクッキーを焼いている」ため、日本がどんなに高品質の小麦粉を提供しても、「自分でクッキーを焼けない状況下では、米韓の手助けをしているだけだ」と説明した。
米中対立と新型コロナの影響で半導体需要に拍車がかかり、半導体の安定した調達はどの国にとっても重要な課題となっている。その点、材料のシェアの高さが際立つ日本は、技術ばかり強くても仕方がないと見られているようだ。記事は、日本は半導体分野における人材が川上にばかり集中していて最終製品の分野は人材がほとんどいないと指摘し、半導体産業という大きな果実を米国とシェアするためには本来であれば半導体製品という川下産業に集中する必要があるものの、人口が少なく高齢化が進む日本は再び大きな産業転換をするのは難しいとの見方を示した。
記事によると、この点で中国は半導体製品の分野も安定して成長しているので、日本とは大きく異なっているそうだ。それで、日本は材料提供業者としての地位に固まってしまうだろうとし、日本の半導体産業には将来性がないことを強調して記事を結んだ。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)