中国には、結婚式を終えたばかりの新郎新婦に対し、当日の夜に友人や親せきが新婚夫婦の部屋に押しかけて騒ぐ「閙洞房」という風習がある。これは、もともとは邪気を追い払うという意味があったそうだが、今では新婚夫婦を悩ませる悪趣味ないたずらとしての側面が強くなっている。
日本にはこの「閙洞房」に似た習慣はあるのだろうか。中国メディアの快資訊は6日、日本と中国の「閙洞房」事情を紹介する記事を掲載した。

 記事はまず、中国の「閙洞房」について紹介している。中国全土に伝わる伝統的な習慣で、一群の友人・知人が新婚夫婦に対し無理難題を突き付け、「忘れられない夜」にさせると伝えた。しかも、にぎやかにすれば2人の人生もにぎやかになるということで「新郎新婦のため」という名目のもと、タガが外れて何でもありの無礼講に発展していると問題視した。

 中国のなかでも、地域によって違いがあるようで、都市部よりも農村部の方が騒ぎは大きくなりやすいようだ。記事はある村で起きた事件を紹介し、初夜に「閙洞房」を仕掛けられなかったことを意外に感じていた新郎新婦が、朝になって盗聴器を仕掛けられていたことに気付き、恥ずかしさのあまり新婦が川に飛び込み自殺したことがあると伝えた。自殺者が出るのはまれなケースとはいえ、中国では「閙洞房」から発展する事件や事故が非常に多い。

 日本には「閙洞房」という言葉はないが、記事の中国人筆者は日本にもかつて同様の悪習があったと主張した。新郎新婦に水をかける習慣がその一例で、時には墨を付けたりして「ふざけが過ぎる程度のことはあった」としている。これはもしかすると「水祝い」のことを指しているのかもしれないが、現代の日本には中国の「閙洞房」のような悪趣味な習慣はないと言えるだろう。

 「閙洞房」に関しては、さすがに問題が多発しているためか、中国メディアも批判的に報じるようになっている。
伝統文化を大切にするのは良いが、新郎新婦の人権が守られる社会になってほしいものだ。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)
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