中国では今も児童誘拐が多発しているとされ、保護者にとって子どもたちの安全をいかに確保するかは切実な問題となっている。中国の小学校では毎日、保護者が子どもの送り迎えをするのが常識となっているが、これは中国でそれだけ誘拐が多い現実を示していると言えるだろう。


 中国メディアの快資訊はこのほど、中国では今も子どもが誘拐され、行方不明となる事件が少なからず発生しており、行方不明となった子どもが無事に帰ってくる確率は10%未満と言われていると紹介しつつ、「日本はなぜ児童誘拐を心配する必要がなく、子どもたちは外を自由に走り回ることができるのか」と問いかける記事を掲載した。

 記事は、中国では行方不明になった子どもは「まず帰ってこない」のが現実だとし、だからこそ中国の保護者は外出中に子どもから目を離さず、子どもが中学生になっても学校への送り迎えを続けているのだと紹介した。

 一方、日本の保護者は子どもが誘拐されることを基本的には心配する必要がないと紹介したうえで、それは3つの点で中国と異なる環境があるからだと主張し、1つ目の違いとして「法律の違い」を挙げた。中国でも児童誘拐はもちろん犯罪であり、誘拐犯は法に基づいて厳重に処罰されると紹介。だが、誘拐された子どもを人身売買の対象として「購入」した側に対する罰則は相対的に軽いため、人身売買を根絶できずにいると指摘した。

 また2つ目の違いとして「教育の違い」を挙げ、日本では子どもたちに「自分で判断できる力」を養い、危険に対処できるよう教育していると指摘。
一方、中国では「大人の言うことを聞く」よう教育しているので、危険に直面しても自ら判断できない子どもが多いことを指摘した。

 さらに記事は3つ目の違いとして、中国では前科があっても「大企業に入社するのでなければ、その後の人生にはほとんど影響がない」と指摘する一方、信用や信頼が重要視される日本では罪を犯すとその後の人生が非常に困難になるのが現実だと強調。こうした違いも、中国で人身売買を背景とした児童誘拐がなくならない理由であると強調した。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)