中国のポータルサイト・網易に19日、日本の「保温ボトル」について中国人にとっては意外な機能が重んじられていることを紹介する記事が掲載された。
 
 記事は、日本人が冷たい水を飲むのを好み、特に氷を加えた冷水を真夏はもちろん冬でも、南は沖縄から北は北海道まで広く飲まれていると紹介。
日本で飲食店に入ると、店員がまず最初に運んでくるのが氷入りの水であり、家庭でも冷蔵庫の中に氷が常備されていて、水やドリンクを飲む時、ウイスキーや焼酎を飲む時に氷を入れるのが普通だと紹介した。

 その上で、日本人は中国人ほど温かいお茶やお湯を飲むことを好まず、冷たい飲み物を飲む機会が多いのに、どうして日本では保温マグやボトルがよく売れ、しかも品質の高さで中国人からも好評を博しているのかと疑問を提起。日本には象印、タイガー、サーモスといった保温マグ・ボトルの大手メーカーが複数存在し、いずれも中国で認知度が高いことを伝えた。
 
 その答えとして記事は、中国人にとって保温マグ・ボトルの「保温」とは「温かさを保つ」という意味を持つのに対し、日本では「温度を保つ」、すなわち「熱いものができるだけ冷めないように」という機能と同時に「冷たいものができるだけぬるくならないように」という両方の意味が含まれているのだと説明。それゆえ、各メーカーも商品をPRする際に持ち運びの便利さとともに、しばしば高い保冷効果により水やドリンクが長い時間おいしく飲めるということを重点に訴えるのだとした。
 
 日本人だって寒い季節はやはり温かい飲み物を求めることが多い。保温マグ・ボトルにも文字通りの「保温性」の高さが求められるという点は中国と同じだ。ただその一方で、特に夏場を中心に保冷性の高さを訴求する製品が多く店頭に並び、中身がダイレクトに口の中に入るために熱い飲料向きではない飲み口をした「保冷専用」の真空断熱ボトルも多く見かける。真空断熱構造は本来保温、保冷いずれにも有効だが、敢えて「保冷専用」として発売するのは消費者の火傷を防ぐため、という配慮も中国の人には「日本人的だ」という印象を与えるかもしれない。
 
 記事は、日本では「冷たい飲み物」をいつでもどこでも飲みたいというニーズがあるからこそ、メーカーも保温マグや保温ボトルの「保冷効果」に重点を置いて商品開発するのだと結んでいる。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)
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