中国で連日のように放送されている抗日ドラマでは、登場人物の日本兵は「野蛮で、愚か」な人物として描かれるのがお決まりのパターンだ。

 だが、こうした描写に対して異議を唱える中国人もいる。
中国メディアの快資訊はこのほど、抗日ドラマは歴史を正しく描いていないと主張する記事を掲載した。

 中国では近年、抗日ドラマの描写がどんどん現実離れしていると言われるが、記事は「近年の抗日ドラマは、主人公たちが非現実的かつ全能な能力を持っていて、あっという間に日本兵を蹴散らすなどの描写がある」ことを指摘し、中国人視聴者たちはその内容に疑問の目を向けるようになっていると紹介した。

 続けて、中国では抗日戦争は「8年」にわたって続いたとされているが、記事の中国人筆者は「もし抗日ドラマの描写のように、共産党軍が日本兵を簡単に蹴散らすことができたなら、8年も戦争が続くはずがなく、多くの犠牲者が出るはずもなかった」と強調した。

 そして、中国では「歴史を忘れるな」と呼びかけているが、これについて中国人筆者は「その呼びかけ自体は間違っていないが、抗日ドラマの主人公たちをまるで全能な人物であるかのように描くのは間違っている」と主張した。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)