中国で放送されている抗日ドラマは近年、その現実離れした描写が問題となっている。手刀で日本兵を切り裂いたり、手榴弾で飛行機を撃ち落としたりといった描写のみならず、日本兵はいずれも愚鈍な人物として描かれることが多い。


 こうした描写については、当の中国人としても「日本人が見たら怒るのではないか」と不安になるほどらしいが、中国メディアの快資訊はこのほど、「抗日ドラマを見た日本人の気持ちを知りたければ、ベトナムで制作された抗清ドラマを見れば良い」と主張する記事を掲載した。

 記事はまず、中国では2000年ごろから「抗日戦争」をテーマにしたドラマが大量に作られるようになったと紹介。そして、大量に作られるようになった分、質には大きな「ばらつき」が生じているのが現実だとし、「小学生の主人公がパチンコで日本兵を壊滅する」などといった歴史を改竄したような作品があるのも事実であると指摘した。

 続けて、こうした抗日ドラマについて「日本人が目にしたら、どのような気持ちになるのだろうか」と問いかけつつ、それを知りたければベトナムで制作された抗清ドラマを見るべきだと主張。この「抗清ドラマ」とはベトナムに存在した王朝と中国の清王朝との戦いを描いたドラマであるとし、中国人からするとその描写は「あまりにも大袈裟」と感じる点が多々あると紹介した。

 また、話の内容にも「中国人が知っている史実と違う」と感じられる点があることを強調し、清側が徹底的にやられる描写では「中国人としては心が痛くなった」と主張。
ベトナムで作られたドラマを見ていて中国人が覚えた違和感は、日本人が抗日ドラマを見て心に抱く感情と似ているのではないかと主張した。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)