中国には伝統的な医学「中医学」があり、様々な植物を薬にする方法を編み出してきた。なかには海外で「厄介者」扱いされる雑草でさえ中国人の手にかかると薬草になるものがあるという。
中国メディアの快資訊は17日、「日本から持ち込まれ、英国を100年以上苦しめてきた雑草」が、中国では薬になっていると紹介する記事を掲載した。

 記事が紹介しているのは、「一見無害な植物」に見えるイタドリ(虎杖)だ。きれいな緑の葉と白や薄紅色の小花が特徴的なこの植物は、英国に観賞用に持ち込まれた後、思いがけず「100年以上も英国人を悩ませる」ことになったそうだ。

 当初、英国人は観賞用以外にも、イタドリを土壌侵食の防止や家畜の餌にも活用し重宝していたそうだ。しかし時間が経つにつれて、見た目にそぐわないイタドリの強い「繫殖力」に悩まされるようになったと伝えている。イタドリは、地上部を刈っても地下茎は広がり、除草剤でも完全には除去できないばかりか、コンクリートも突き破る力があり、今は英国では厄介者扱いされている。


 ではなぜ中国ではイタドリが問題になっていないのだろうか。東アジア原産とされているイタドリは、中国でも全土に広く分布しているそうだ。しかし、「原産地のためイタドリの天敵が存在している」可能性があるほか、中国人の手にかかれば何でも薬にすることができ、イタドリも例外ではないと強調。中国ではイタドリは実際に売買されていて、市場価値が存在するがゆえに刈り取る人がおり、「無秩序な繁殖が不可能な状況」であることを指摘した。

 中国のみならず、日本でもイタドリを工夫して食用にしている地域があるようだ。日本人の適応能力も非常に高いと言えるだろう。
(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)