中国にとって高速鉄道は近代化の象徴となっているが、「国産」という言い方は正しいのだろうか。中国の動画サイト・西瓜視頻はこのほど、中国の高速鉄道車両「和諧号CRH2型」は独自開発したと言えるのか、説明する動画を配信した。
中国の高速鉄道車両には、和諧号と復興号の2種類がある。外国からの技術移転を基に生産されているCRH車両は和諧号と呼ばれている。動画では、「和諧号CRH2型」は日本から技術導入して作られたもので、「CRH2A」の最初の3編成は日本で製造した車両を直接輸入したものだったと紹介した。その後の6編成は中国で組み立て、残りの51編成は技術指導を受けながら技術移転という形で製造したと伝えている。
そのため、厳密には中国製とは言えないものの、車両の購入条件には完全な技術供与が含まれていたため、中国側は当初「国産」を大きくアピールしていたようだ。その後に生まれた派生型について、動画ではCRH2Aを基に速度を上げるなどの改良を加えたものだと指摘している。
中国が日本から最初の高速鉄道車両を購入したということは、中国ではあまり報道されず、むしろ「国産化」を強調していたようだ。そのため、この動画を見て初めて知った中国人もいたようだ。「自分はずっと和諧号は中国が独自開発したと思っていた」、「自分も騙されていたよ」というコメントが寄せられ、どうりで日本の設備が使われていると思ったという反応もあった。
また、日本の技術がなければ今の高速鉄道もなかったということで、「やはり日本の技術はすごいな」と感心する人や、西洋諸国はきっと「淘汰されても売ってくれない」と、技術を含めて車両を売ってくれたとして日本に感謝するコメントもあった。
完全な国産だと思い込んでいた高速鉄道車両が、当初は日本から輸入していたというのを知ると中国人は少し意外に感じるようだが、その後は「独自開発」によって復興号を作ったことになっている。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)