深セン証券取引所の創業板への上場を目指している、易点天下網絡科技(301171/深セン)が8月8日、新規公開(IPO)に向けた公募を開始する。7550万株を発行予定で、公募価格は18.18元。
公募終了後、速やかに上場する見込みだ。
 
 同社は2005年に湖北高曼重工有限会社として設立した民営企業で13年に株式会社化、16年に現社名となった。パフォーマンス型広告、ブランディング広告、大手メディアのアカウント管理サービスを主業務としている。ビッグデータ、マシンラーニング、AI(人工知能)を駆使した先進的なインターネット広告技術を掌握しており、越境EC、ツールアプリケーション、ゲームなどさまざまな分野の5000を超える広告主に対して全面的かつ専門的な海外マーケティングソリューションプランを提供し、顧客の国際化戦略の実現をアシストしている。事業範囲は世界200あまりの国・地域をカバーしている。
 
 高いサービス能力と高い評価により、これまでに多彩なインターネットメディアリソース、および良質な広告顧客リソースを獲得している。
インターネットメディアリソースではグーグル、フェイスブック、ツイッター、バイトダンス、ピンタレストなどのメディアやその代理店と安定的な協力関係を構築しており、広告サービスではアリババ、テンセント、網易、バイトダンス、快手、愛奇芸などの著名プラットフォームからの信頼を得ている。
 
 世界のインターネット広告市場規模は近年急速に成長しており、2019年の3356億米ドルから20年には3782億ドルに増加し、24年には6458億ドルに達する見込みだ。またモバイルネットワーク広告市場規模も20年には2762億ドルに達し、24年には4950億ドルまで成長するとみられている。中でも今やインターネット大国、強国の中国市場は成長著しく、インターネット広告市場規模は20年に753億ドルに達し、24年には世界の約4分の1にあたる1209億ドルになる見通しだ。
 
 同社は世界的な大型メディアプラットフォーム、SNSプラットフォーム、検索エンジンプラットフォーム、ツールアプリケーションと深い提携関係を持っていること、多彩かつ広範な顧客を抱えていること、全社員の約23.5%にあたる189人の研究開発スタッフを持ち、高い技術力、開発力を持っていること、データリソースの蓄積が豊富であることなどを強みとしている。一方で、資産規模が小さいこと、資金の調達手段や調達能力に限界があることがボトルネックとなっている。
また、市場競争の激化、広告情報関連法律法規の違反による損失の可能性、個人情報の流出や顧客による不正使用の可能性、米中貿易摩擦を始めとする国際情勢の変化などが経営上のリスクとして存在する。
 
 2021年12月期の売上高は34億2493万元(前期比38.19%増)、純利益は2億5854万元(同10.16%増)。22年1~3月期の売上高は7億9001万元(前年同期比4.36%減)、純利益は9323万元(同9.11%増)。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)