深セン証券取引所の創業板への上場を目指す広東緑通新能源電動車科技(301322/深セン)が2月23日、新規公開(IPO)に向けた公募を開始する。1749万株を発行予定で、公募価格は131.11元。
同社は2004年設立の民営企業で、16年に株式会社化した。ゴルフカートなど電動カートの研究開発、生産、販売を主業務としており、ゴルフカートのほかに観光用カート、パトロール用カート、貨物用カートなどを手掛けている。21年および22年1~6月の売上構成はゴルフカートが80%前後、観光用カートが9%前後、パトロール用カートが4%前後、貨物用カートが約1%となっている。16年の杭州G7サミットなど多くの国際会議やイベントでレセプション用のカートに採用されてきたほか、パトロール用カート、消防用カートの団体基準の制定にも参加するなど、業界で高い知名度を獲得している。
自社ブランドで中国国内向けに生産、販売を行っているが、売上の約9割はODM形式での海外販売で、特に米国で急速にシェアを伸ばしている。21年の電動カート生産能力は4万2000台、生産台数は4万1700台でいずれも中国の業界最大規模である。また、21年のゴルフカートなど電動カート輸出台数は3万6600台で、中国全体の輸出台数11万7000台の約31%を占めてやはり業界トップ。一方、生産ラインはほぼフル稼働に近い状態であり、さらなる販売増のためには生産能力の拡大が不可欠だ。新規上場によって調達した資金で、生産能力の充実を図る。
22年12月期の売上高は14億7096万元(前期比44.65%増)、純利益は3億1184万元(同2.45倍)。23年1~3月期の業績予測は売上高が3億~3億2000万元(前年同期比3.11%減~3.35%増)、純利益が5000万~5500万元(同9.70%~20.67%増)。