29日の中国本土マーケットは、主要指標の上海総合指数が前日比35.79ポイント(1.08%)安の3286.41ポイントと3日ぶりに反落した。
 様子見ムードが漂う流れ。
中国企業の業績動向や、指標発表が気がかりだ。本土・香港マーケットでは1~9月期決算の発表が本格化している。ほか、31日に10月の中国製造業PMIなどが公表される予定だ。中国経済の先行きも不安視。中国財政部は28日、今年1~9月の国有企業・国有持株会社の利益総額が前年同期比2.3%減の3兆2487億人民元(約69兆6870億円)に縮小したと報告した。減益率は1~8月の2.1%から0.2ポイント拡大している。
 ただ、下値は限定的。中国経済対策の期待感が続いている。全国人民代表大会(全人代、国会に相当)常務委員会の第12回会議開催を11月4~8日に控え、大型財政政策の期待感が高まっている。指数は高く推移する場面もあった。(亜州リサーチ編集部)
 業種別では、エネルギーの下げが目立つ。中国石油化工(600028/SH)が3.3%安、中国中煤能源(601898/SH)が2.9%安、中国石油天然気(601857/SH)が2.0%安で引けた。
原油安が逆風。中東地域の過度な地政学リスクが薄らぐ中、昨夜のWTI原油先物は6.1%安と急反落している。石油・化学大手の中国石油化工に関しては、1~9月期決算の17%減益も嫌気された。
 医薬品株も安い。健康元薬業集団(600380/SH)が3.3%、九州通医薬(600998/SH)が2.3%、浙江医薬(600216/SH)が2.1%、ショウ州片仔コウ薬業(600436/SH)と上海医薬集団(601607/SH)がそろって1.7%ずつ下落した。素材株、消費関連株、不動産株、インフラ関連株、運輸株、証券株なども売られている。
 半面、ハイテク株の一角は急伸。スーパーコンピューター世界大手の曙光信息産業(603019/SH)がストップ(10.0%)高、通信インフラ設備メーカー大唐電信科技(600198/SH)が9.3%高、携帯端末ODM(開発・製造受託サービス)の聞泰科技(600745/SH)が6.0%高、パワー半導体の杭州士蘭微電子(600460/SH)が3.6%高で取引を終えた。銀行株の一角も買われている。
 外貨建てB株相場は、上海B株指数が2.70ポイント(0.96%)安の278.23ポイント、深センB株指数が18.47ポイント(1.47%)安の1239.84ポイントで終了した。
(編集担当:亜州リサーチ=サーチナ)
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