中国では人工知能(AI)技術が急速に発展するのに伴い、1人で設立・運営する会社「一人会社(OPC、OnePersonCompany)」が2026年に入ってから爆発的に増加している。
3月に国家市場監督管理総局関連課題チームが発表した「中国OPC発展調査研究報告2026年」によると、中国のOPCは急速な増加傾向を示し、地域的には長江デルタ地域、珠江デルタ地域、京津冀(北京・天津・河北)、中部・西部の新興産業都市に集中している。
「1人+AI」を中核とするOPC起業モデルが、デジタル経済とイノベーション・起業が深く融合する新たな発展分野になりつつある。大規模AIモデル、SaaS(サービスとしてのソフトウェア、インターネットを通じて利用するクラウド型ソフトウェア)システム、クラウドサービスなどのツールによって、これまでならチームでなければできなかった設計やプログラミング、マーケティング、財務といった業務が1人でもこなせるようになり、人を集めなければ難しかった起業が1人でも可能になり、起業のハードルが下がった。これと同時に、24年7月1日に施行された新公司(会社)法が、OPCの登記プロセスを簡素化し、登記に際しての資本金要件を引き下げたため、個人での起業がより容易になった。
専門的コンサルティング、クリエーティブデザイン、越境ECといった細分化された分野で、起業家は大規模なチームを抱えていなくても市場ニーズに応えられるようになった。
山東大学経済学院の劉一鳴(リウ・イーミン)准教授は、「OPCは職業に就く上での従来の制約を打ち破り、才能ある者に低コストで起業できる道を提供し、会社員、フリーランス、大学卒業生が多額の資金を準備しなくても、専門的技能を商業的価値に転換できるようにし、『勤め人』を『起業家』へと変えた」との見方を示した。
OPCは従業員への給料が不要で、家賃も払わなくてよいか、払ったとしてもわずかな金額で、AIツールとクラウドサービスを利用して、毎月の経営コストを数百元から数千元に抑えることができる。関連データによると、高い収益率を上げるOPCの92%がAIツールを使いこなしており、人間の作業の代わりに技術を利用することで経営コストを大幅に抑えている。
OPCの規模が徐々に拡大するにつれて、全国各地でOPCサポート政策が打ち出され、OPCコミュニティーの構築が加速度的に推進されるようになった。
少し前には、広東省がAIによるOPCイノベーション発展を支援する行動プランを打ち出した。今年は先行事業としてモデル効果のあるAI+OPCエココミュニティーを10カ所育成し、28年までに100カ所に増やし、1万人のイノベーション・起業人材を集め、広東省を全国に先駆けてAI+OPC発展の重要拠点にするとしている。
また、山東省青島市では2月、第15次五カ年計画(2026~30年)期間に、海洋AIを特徴とし、「1人+複数のAIエージェント」を会社運営形態としたイノベーション・起業重要拠点の構築を加速することを打ち出した。
劉准教授は「各地が『一人会社』の誘致合戦にしのぎを削るのは、イノベーションの原動力と発展の先手を取り、その背後にあるイノベーションの価値、人的資源、経済のポテンシャルに狙いを定めているからだ」との見方を示した。(提供/人民網日本語版・編集/KS)











