JR東日本秋田支社は23日、列車とクマの接触や鉄道施設周辺での目撃件数が増加していることを受け、鉄道従事者の安全確保とクマなどの野生動物が線路への侵入を抑制する対策を発表した。忌避剤を散布する区間を大幅に拡大させるほか、鉄道従事者の安全な移動手段を確保するため、巡回用軌陸車を導入する。


 JR東によると、秋田支社管内での列車とクマの接触と目撃件数は2025年度が接触51件、目撃167件でいずれも過去最多となった。

 こうした状況を受け、26年度は忌避剤散布箇所の拡大に加え、鉄道従事者の安全な移動手段を確保するため、巡回用軌陸車を導入する。これにより、線路の巡回・点検作業での安全性の向上と作業負担の軽減を図る。

 忌避剤散布は散布箇所を拡大して、田沢湖線、奥羽本線、羽越本線、五能線、北上線の一部区間で、対前年度比132キロ増となる延長196キロに散布する。

 このほか、線路の点検・巡回に従事する社員の安全性向上を目的に、徒歩やレールスクーターに代わる巡回用軌陸車も26年5月から導入する。運用状況や導入効果の検証を進め、点検・巡回業務の安全性向上と作業負担の軽減に取り組む。

 巡回用軌陸車は、軽トラックベースの構造で軌陸装置が付いている。従来使用していたレールスクーターの重量が85キロなのに対し、軽トラックをベースとした車両を線路上に走らせるため、約1300キロと重い。一方、作業員が露出した状態となるレールスクーターと比べて、車内へ退避が可能となり、天候の影響が少なく、作業時の安全性が向上するメリットがある。

 クマ出没情報のリアルタイム共有に向けたアプリも26年5月から試行を始める。クマの出没状況が時間帯や場所によって変化することを踏まえ、鉄道従事者の安全確保を目的として、出没情報をリアルタイムで把握・共有できるアプリの試行を開始する。現場での目撃情報を簡単な操作で登録・共有できる仕組みとし、作業開始前などに最新の出没状況を確認することで作業時のリスク低減を図る。
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