欧米の金融引き締め長期化が警戒される流れ。欧州中央銀行(ECB)総裁は27日、「ユーロ圏のインフレ率は過度に高い」との認識を明らかにし、利上げの継続を示唆した。堅調な米経済指標が相次ぐ中、米連邦準備理事会(FRB)は7月にも利上げを再開するとの見方も強まっている。香港の輸出低迷もマイナス。香港政府は27日、今年5月の輸出額が前年同月比で15.6%減少したと発表した。マイナス成長は13カ月連続。前月実績(13.0%減)から下げ幅が拡大し、市場予想(11.1%減)を超えて落ち込んだ。もっとも、下値は限定的。中国景気の過度な減速懸念が薄らいでいる。27日開幕した夏季ダボス会議で中国の李強・首相が演説し、「2023年の5.0%経済成長は実現可能」などと自信を示した。指数はプラス圏で推移する場面もみられている。(亜州リサーチ編集部)
ハンセン指数の構成銘柄では、医薬関連の下げが目立つ。
香港拠点の消費セクターも安い。六福集団(590/HK)が15.8%、卓悦HD(653/HK)が3.4%、周大福珠宝集団(1929/HK)が1.8%、莎莎国際HD(178/HK)が1.4%、CEC国際HD(759/HK)が1.2%ずつ下落した。宝飾小売店チェーンの六福集団に関しては、通期決算の減益も売り材料視されている。
デベロッパーや管理サービスの中国不動産セクターも総じてさえない。広州富力地産(2777/HK)と雅居楽集団HD(3383/HK)がそろって2.3%安、融創中国HD(1918/HK)が2.1%安、融創服務HD(1516/HK)が1.3%安、世茂服務HD(873/HK)が1.2%安で前場取引を終えた。
半面、新興EV(電気自動車)関連は高い。小鵬汽車(9868/HK)が6.5%、蔚来集団(9866/HK)が6.2%、浙江零ホウ科技(9863/HK)が3.6%、理想汽車(2015/HK)が1.8%ずつ上昇した。
一方、本土マーケットも反落。主要指標の上海総合指数は、前日比0.52%安の3172.84ポイントで前場取引を終了した。通信株が安い。エネルギー株、金融株、自動車株、不動産株、素材株、インフラ建設関連株、海運株、医薬品株なども売られた。
(編集担当:亜州リサーチ=サーチナ)